金プラチナ短期相場観

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ベース効果で一時的上振れ、前年比コアPCEは28年ぶりの急騰

更新日:2021年5月29日(土)

コアPCE・トリム平均PCE・メディアンPCE 2021年4月市場の注目を集めるインフレ指標のなかで、FRBが金融政策を決定する上での指針となる個人消費支出物価指数(PCE)。落ち込んだ昨年4月との比較となる今年4月の前年比インフレ率は、ベース効果による上振れと経済再開に伴う消費需要の急増などを反映し、急騰することが予想されましたが、結果は市場予想をさらに上回る急騰。
PCEは前年比+3.5%予想に対して+3.58%。5ヵ月続伸で3月からは+1.17%の急騰、2008年9月(3.71)以来、12年7ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+3.06%。市場予想の+2.9%を上回って続伸、3月の+1.94%からは1.12%の急騰。1992年7月(3.09)以来、実に28年9ヵ月ぶりの高水準。
商品価格が3月の前年比+2.5%から+4.5%へと急騰し、サービス価格も+2.3%から+3.1%へと急騰。エネルギー関連は+13.0%から+24.8%へと暴騰しています。

PCE構成品目のうち上位と下位の一定割合を除外するダラス連銀のトリム平均PCEの4月は前年比+1.79%。3月の+1.71%からはわずかに上昇し3ヵ月続伸も10月(1.82)以来6ヵ月ぶりの高水準にとどまり、2%にすら届きません。
価格変動分布50%台の品目のみで算出するクリーブランド連銀のメディアンPCEの4月は前年比+2.03%。3月の+2.00%からわずかに上昇し、12月(2.10)以来4ヵ月ぶりの高水準。

PCEが昨年4月には前年比+0.48%、コアPCEも+0.93%と急低下していたのに対し、トリム平均PCEは昨年4月に前年比+1.87%、メディアンPCEも+2.41%といずれも前月からの低下は小幅に留まっていたことから、ベース効果はそれほど大きくなかったことも影響しています。
過去の推移から見ると、これらのインフレ指標ではそもそも今回のインフレの落ち込みは限定的であり、底打ちも今年1月と後ズレ、回復基調はスタートしたばかりで現時点ではごくわずかにとどまっています。

NY金・日足チャート 2021/4/26 - 5/2828日のNY金相場は+6.8ドル、0.36%の反発で再び1900ドル台。1月7日(1913.6)以来4ヵ月半ぶりの高値。時間外は1900ドル割れへと調整も下値は1890ドル付近まで、ロンドン市場での小反発をはさんでNY朝にかけてはPCEインフレへの警戒からドル高に連れての戻り売り、一時1880ドル台前半まで急落。上振れ予想を若干上回る結果を確認後には米10年債利回りの反落とドル高の巻き戻しにも連れて急反発。1900ドルの大台ラインではいったん上値を押さえられたもののNY午後には上抜け、NY引け後には一時1910ドル手前まで上昇。次週の雇用統計までは高止まりの状態が続く可能性も、一定の値幅調整もしくは日柄調整後に一段高か、調整局面入りか。引き続き1880ドル近辺が浅めのサポート、その下は5月前半保ち合い上限1840ドル台。
週間ベースでは+28.6ドル、1.52%高で4週続伸。4週続伸は昨年8月以来ほぼ10ヵ月ぶり。月間では+137.6ドル、7.78%の大幅続伸。昨年7月(+185.4ドル、10.3%)以来10ヵ月ぶりの急騰。

NYプラチナ・日足チャート 2021/4/26 - 5/28NYプラチナは+3.3ドル、0.28%の小反発。金に追随する展開で時間外は1180ドル台後半の高値から戻り売りも下値は1170ドル半ばまで、小反発をはさんでNY朝の急落局面では前日安値を下回って1170ドル割れ。保ち合いレンジ下限でサポートされるとNY午後にかけて1180ドル台を回復し、日足では下ヒゲ十字線となって反発への可能性も示唆。目先は1200ドルの大台をしっかり回復できれば20日移動平均線(1217.3)を超えて1220ドル台までが短期上値目標。1170ドル前後の下値サポートを維持できなくなるようだと下値目安は1150ドル近辺。
週間ベースでは+13.0ドル、1.11%高で3週ぶりの反発。月間では-22.8ドル、1.89%安となって7ヵ月ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2021/4/26 - 5/28ドル円はわずかに3銭程度のドル高円安、0.03%高となって4日続伸。4月7日(109.85)以来、1ヵ月半ぶりの高値圏を維持。109円80銭台を中心に小幅揉み合い推移が続いたなかで、NY朝にかけてはPCEインフレの上振れが意識されてドル高の流れとなり、指標発表直後には110円20銭近辺まで上昇。しかし、その後は米10年債利回りの反落にも連れて110円を割れて元の水準へ。結果的に上へ行って来いとなって110円を維持できず抵抗感を確認する格好に、110円台再トライは1週間後となる可能性も。それ以前に110円台へと水準を切り上げ、雇用統計が想定以上の好結果となった場合には昨年高値圏112円近辺を目指す流れとなる可能性も。
週間では+90銭、0.83%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/28終値とチャート

2021年5月29日(土)時点の相場
国内金7,299 円 5/28(金) ▲53(0.73%)
国内プラチナ4,538 円 5/28(金) ▼13(0.29%)
NY金1,905.3 ドル 5/28(金) ▲6.8(0.36%)
NYプラチナ1,182.4 ドル 5/28(金) ▲3.3(0.28%)
ドル円109.85 円 5/28(金) ▲0.03(0.03%)

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