金プラチナ短期相場観

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期待インフレ低下で実質金利急騰、ドル高でNY金急落も一服?

更新日:2021年6月19日(土)

実質金利とNY金 2021年6月18日今週、FOMCの日に実質金利は前日の-0.88%から-0.74%へと急騰しました。これに伴い、ドルインデックスも急騰し、NY金は急落へという展開に。
6月に入っても1.5%台を中心に揉み合い状態が続く米10年債利回りに対し、期待インフレ率(BEI)が5月半ばの2.5%台から徐々に低下、FOMCとともに2.3%台から2.2%台へと急低下。
FRBの「インフレは一時的」効果で米10年債利回りの軟調推移よりも期待インフレの低下度合いが強まったことで、長期金利から期待インフレ率を差し引いて算出される実質金利は急騰しました。

17日のドル高金安急進後、18日にも反転し切れずにドル高金安が続いて週末を迎えていますが、期待インフレ率が3ヵ月ぶり低水準へと小幅に低下したのに対し、米10年再利回りも3ヵ月ぶり低水準となる1.4%台前半へと遅れて急低下。結果的に実質金利はこの週末に-0.80%へと反発しています。
週明けにも、ドル高一服となってNY金もいったんは下げ止まりへ、と向かう確率は高そうにも見えますが・・・。

NY金・日足チャート 2021/5/14 - 6/1818日のNY金相場は-5.8ドル、0.33%の続落。終値では4月30日(1767.7)以来、1ヵ月半ぶりの安値。安値ではNY引け後に1761.2ドルまで下げて4月29日(1754.6)以来の安値。前日の急落でNY市場でつけた安値1767.9ドルからの自律反発はロンドン時間の1790ドル台まで。1800ドルの大台にわずかに届かず失速状態となったNY朝にはセントルイス連銀ブラード総裁が「来年の利上げ開始が適切かもしれない」との発言、「2022年終盤の利上げ開始を予想」と今回のFOMCでのドットチャートで自身が2022年利上げを予想した7つのドットプロットのうちの一つであることをカミングアウト。これを受けて1.5%を割り込んでいた米10年債利回りが一時1.5%台へと急騰、小康状態となっていたドル買いも再開、ドルインデックスが2ヵ月ぶり高水準へと上昇した流れに押されて1780ドル割れへと急落。前日安値圏、3月安値から6月高値の61.8%戻し(1767.2)近辺では下げ渋ったものの耐え切れずにこれを割り込んでの越週。200日移動平均線(1841.7)と90日移動平均線(1791.9)を前日にまとめて下抜け、この日は一時的に90日線超えもこれを維持できず、これが目先の抵抗線にも。下方向へは1760ドル台を維持できなくなれば3月安値から6月高値の76.4%戻し(1731.3)までが下値目安。
週間ベースでは-110.6ドル、5.88%の大幅安で3週続落。3週続落は3月以来、3ヵ月半ぶり。下げ幅としては昨年3月9日からの週(-155.7ドル、9.31%)以来、1年3ヵ月ぶりの急落。

NYプラチナ・日足チャート 2021/5/14 - 6/18NYプラチナは-14.2ドル、1.35%安で4日続落。終値では今年安値を更新、昨年12月24日(1028.9)以来、ほぼ半年ぶりの安値。前日安値1043.9ドルからの自律反発ではロンドン市場で1083ドルまで上昇し、200日移動平均線(1077.4)超え。しかし、この水準での揉み合い状態となってNY朝を迎えて戻り売り。前日安値圏、昨年3月安値から今年2月高値までの38.2%戻し(1047.9)付近ではいったん下げ渋るも、これを下回ると38.2%ラインが抵抗線となる形でNY引けにかけては1040ドル割れ。やや下げ過ぎの感もあるものの、下げ止まらない場合には1月11日の今年最安値1011ドルまでが意識される可能性も。
週間では-110.1ドル、9.56%の大幅安で3週続落。3週続落は昨年6月以来、1年ぶり。下落率では作年9月21日からの週(-96.5ドル、10.28%)以来9ヵ月ぶり、下落幅では昨年3月16日からの週(-121.4ドル、16.32%)以来、1年3ヵ月ぶり。

ドル円・日足チャート 2021/5/17 - 6/18ドル円は前日からほぼ変わらず110円20銭台での横ばい推移。株安の流れに連れて円高優勢となり、欧州時間には一時109円90銭台まで下落。ただし110円割れでは買い戻し圧力も強く、NY朝にかけて110円20銭台へとゆるやかに反発。セントルイス連銀ブラード総裁発言を受けての米10年債利回り上昇とドル高の流れでは一時110円50銭手前まで上昇も、米10年債利回りは1.4%台前半へと巻き戻しの急低下、円高圧力もあって再び110円ラインを試す展開に。NY終盤にかけてはなんとか耐えて110円20銭台を回復。目先は110円台前半を中心に保ち合いの様相に。上限となる110円80銭を上抜けることができれば上値トライ再開となって短期上値目標は昨年3月高値111円70銭近辺。
週間では+55銭、0.5%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/18終値とチャート

2021年6月19日(土)時点の相場
国内金6,892 円 6/18(金) ▼158(2.24%)
国内プラチナ4,163 円 6/18(金) ▼200(4.58%)
NY金1,769.0 ドル 6/18(金) ▼5.8(0.33%)
NYプラチナ1,041.0 ドル 6/18(金) ▼14.2(1.35%)
ドル円110.21 円 6/18(金) ▼0.02(0.02%)

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