金プラチナ短期相場観

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消費センチメントは伸び悩む米国に5ヵ月続伸のユーロ圏先行

更新日:2021年6月23日(水)

消費者信頼感指数 ユーロ圏×米国 2021年6月欧州委員会が発表したユーロ圏の6月消費者信頼感指数は-3.3。市場予想の-3.4を上回り、5月の-5.1からも上昇、5ヵ月続伸となって2018年1月(-3.0)以来、3年5ヵ月ぶりの高水準。長期平均-11.0を大きく上回り、コロナ前の水準も既に上回っての一段高という状態となっています。

ワクチン接種では先行していた米国に追いつき、制限措置の緩和もユーロ圏全般に拡大し、1年延期したサッカーのユーロ2020大会も各国のスタジアムで観客も入って大盛り上がり。
一方で米国の消費者信頼感指数は伸び悩み、ミシガン大発表の指標ではコロナ前の水準とはまだ開きがある状態でユーロ圏の後塵を拝する状況となっています。
インフレ懸念に伴う早期緩和観測や利上げ時期の前倒し見通しなどへの警戒感も悪影響となったかのようにも見えます。

そのインフレ懸念払拭のため、パウエルFRB議長はこの日、議会証言で「インフレ懸念を理由に予防的な利上げは行わない」ことを明言。先日のセントルイス連銀・ブラード総裁やダラス連銀・カプラン総裁らのタカ派グループの発言に対する火消しに走った様子。
この日はさらに緩和チームの追随発言もあり、執行部の一人でFOMC副議長を務めるNY連銀・ウィリアムズ総裁も「金利調整時期に関する議論はまだかなり先」になるとの発言。
基本姿勢はタカ派と見られていたクリーブランド連銀のメスター総裁も「景気支援的な金融政策の引き揚げを開始すべき状況には達していない」との見方。
また、基本タカ派と見られるサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「年末もしくは年明けにでもテーパリング開始準備が整う可能性」との発言も。

NY金・日足チャート 2021/5/18 - 6/2222日のNY金相場は-5.5ドル、0.31%の反落。週明けの反発基調は時間外序盤に1790ドルまで上昇して一服、警戒された90日移動平均線(1790.7)にしっかり上値を押さえられる形となってロンドン市場にかけてはドル高の流れも重石となって1770ドル台へと軟調推移。NY朝につけた安値は1770ドル付近までとこれも限定的となり、その後はパウエルFRB議長の議会証言を控えて1770ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移。1760ドル台から1790ドルまでが目先の主要レンジとなって小幅保ち合いを形成、上方向には1800ドルの大台ラインも抵抗線候補となり、これらを上抜けることができれば1810ドル近辺までが短期的な上値目安。下方向へ保ち合い崩れとなれば1750ドル前後までの一段安へ。

NYプラチナ・日足チャート 2021/5/18 - 6/22NYプラチナは+19.6ドル、1.87%の続伸。前日の下ヒゲ陽線が示唆したとおりの反発基調継続で時間外序盤には1050ドルから1060ドル台後半まで上昇、その後はいったん金に追随する流れで戻り売りとなっての反落も下値は限定的。ロンドン・NY朝にかけて1050ドル前後の安値を何度か試すと底堅さを確認する形となって反発基調再開、NY午後には1070ドル台へと上昇。ただし200日移動平均線(1079.0)にいったん上値を押さえられた格好にも。これを上抜けると1100ドルの大台回復トライへ。

ドル円・日足チャート 2021/5/19 - 6/22ドル円は38銭程のドル高円安、0.34%の続伸。日経平均の大幅高にも連れての円安の流れで東京午後には110円50銭台へと上昇。欧州序盤の揉み合い推移を経てNY時間には上値トライ再開となって先週高値で上方向への節目となる110円80銭付近まで上昇。4月以降、上値も下値も徐々に切り上げるゆるやかな上昇トレンドが継続中。短期的には110円20銭から80銭までが目先の主要レンジとなり、上方向へと抜け出すことになれば今年高値更新へ、昨年3月のコロナ後の高値111円70銭近辺までが上値目標に。逆に110円20銭割れへと反落となれば109円近辺までを目安に調整局面形成へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/22終値とチャート

23日の国内金価格は+12円、0.17%の続伸。3月5日の今年安値6413円を起点とする右肩上がりのサポートラインと200日移動平均線(6883)にも下値を支えられての小幅続伸も、上値の重い状態は継続。6月3日の今年高値からの急落幅(473)の23.6%戻し(6974)を達成できれば急落中の9日移動平均線(7049)との攻防状態となって徐々に地合い回復へも。6860円割れへと6月安値更新の場合には一段安の目安として6810円近辺まで。

プラチナ価格は+79円、1.92%の続伸。21日までの4日続落合計440円に対してこの2日続伸で35%回復、4200円の大台も目前となり、5月高値(4750)からの下げ幅の23.6%戻し(4203)の節目にもあとわずか。
※参考:金プラチナ国内価格6/23とチャート

2021年6月23日(水)時点の相場
国内金6,923 円 6/23(水) ▲12(0.17%)
国内プラチナ4,188 円 6/23(水) ▲79(1.92%)
NY金1,777.4 ドル 6/22(火) ▼5.5(0.31%)
NYプラチナ1,070.2 ドル 6/22(火) ▲19.6(1.87%)
ドル円110.65 円 6/22(火) ▲0.38(0.34%)

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