更新日：2021年6月29日(火)
米主要地区連銀の製造業景況感指数は6月に総じて伸び悩み、失速状態となっています。
直近3カ月、4-6月の総合指数はNY連銀が26.3、24.3、17.4。3年半ぶり高水準となった4月からは続落。フィラデルフィア連銀は50.2、31.5、30.7。48年ぶり高水準となった4月からは続落。リッチモンド連銀は17.0、18.0、22.0。唯一ゆるやかな続伸も、過去最高となった昨年10月の29.0からは失速した状態での推移。ダラス連銀では37.3、34.9、31.1。2年10ヵ月ぶり高水準となった4月からは続落。
ISM製造業景況感指数は3月に64.7で37年4ヵ月ぶり高水準となって以降、4-5月は60.7、61.2と失速傾向となっていますが、6月も大きな流れは変わらないものと予想されます。
6月の地区連銀の構成指数では、雇用見通し指数が軒並み好調となっています。
NY連銀の雇用見通しは41.7となり、4月の40.1を超えて過去最高。フィラデルフィア連銀の雇用見通しは54.0。4月（55.7）に次いで過去2番めの高水準。リッチモンド連銀での雇用見通しは51.0。昨年9月（47.0）を上回って過去最高を更新。ダラス連銀の雇用見通しは48.2。4月と並び過去最高となっています。
今後、雇用回復スピードがアップしていくとのFRBの見通しにも一致しています。
なお、リッチモンド連銀の雇用指数は6月に19.0となり、過去2番めの高水準となった5月の25から大幅低下となっています。また、ダラス連銀の雇用指数も6月は22.9。5月の22.7から小幅上昇も過去最高となった4月の31.3から大幅低下。好調な見通しに対して現状を示す指数はやや低調な結果も。
6月雇用統計では、それなりの好結果が予想されますが、予想以上の急回復、といったポジティブ・サプライズとなる可能性は今回はまだ低いのかもしれません。
28日のNY金相場は+2.9ドル、0.16％の小幅続伸。週明け時間外序盤にはややドル高優勢の流れとなったことを受けて1780ドルを割れると10ドル余りの急落となって1770ドル付近へ。小幅保ち合い下限で下げ止まり、この日の安値となって反発するとドル高の巻戻しにも連れてロンドン序盤にかけては1780ドル台半ばまで上昇。小幅保ち合い上限1790ドルが意識されて頭打ちとなり、これがこの日の高値となって反落へ。保ち合いレンジ半ば1780ドルを挟んでの乱高下状態となり、徐々に振幅幅を縮小。NY引け後にはやや軟調気味となって1780ドル割れへ。早期テーパリング観測後退で落ち着いた状態も、雇用指標の上振れなどをきっかけに前倒し観測再燃が警戒される状況にも。レンジ上抜けなら1820ドル近辺、下抜けなら1740ドル台までが振れ幅拡大の目安。
NYプラチナは-4.1ドル、0.37％安となって6日ぶりの反落。金に連れての乱高下、のちやや軟調推移の展開。時間外には1110ドルを割れると1100ドル割れへ、ロンドン朝にかけて切り返すと1110ドル台半ばまで上昇してこの日の高値、その後の乱高下を含めて1100ドル近辺を中心に保ち合い形成の様相にも。NY市場での安値は1090ドル手前で下げ渋り、ゆるやかに上昇する200日移動平均線（1082.6）と5月高値から6月安値の23.6％戻し（1083.0）のサポートは有効。これを維持できれば38.2％戻し（1120.9）トライの展開にも。
ドル円は16銭程のドル安円高、0.14％安で小幅に3日続落。週明け東京市場朝に110円80銭台から60銭台へと水準を切り下げると欧州時間まではほぼ横ばい推移の小康状態に。NY朝にはドル買いの勢いが強まって一時111円手前まで、30銭程の急騰。しかし、徐々に抵抗感も強まりつつある111円超えに失敗すると、そもそも10年債利回り低下傾向の流れに反してのドル買いも続かず、巻戻しの展開となって株安円高の流れで110円50銭近辺まで下落。111円台後半を上値目標とした短期上値トライはいったん失敗。111円ラインが目先の上限となり、110円20銭の下限までのレンジで方向感再形成に向けた保ち合いへ。本格的には雇用統計待ちとなりそうで、レンジ上抜けならあらためて111円台後半を目指す流れへ、下限割れの場合には109円前後までを下値目安に調整へ。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場6/28終値とチャート
29日の国内金価格は-28円、0.4％の反落。52週移動平均線（6909）、3月安値から右肩上がりのサポートライン（6900近辺）をわずかに下抜け、日足一目・遅行線に対する基準線（6892）になんとかサポートされた状態。NY金の小幅保ち合いに連動する形で保ち合いを形成し、目先は雇用統計次第で若干の反発か、一段安かという状況にも。6940円超へと保ち合い上放れとなれば7000円の大台トライが短期目標。6860円割れへと保ち合い下放れの場合には90日線割れの可能性も高まり、6800円近辺が下値目安に。少し行き過ぎると5月の急騰前の保ち合い水準6770円近辺までが意識される可能性も。
プラチナ価格は-75円、1.74％安となって6日ぶりの反落。短期的には重要な攻防ラインとなっていた5月18日を起点とする右肩下がりのレジスタンスライン（4300円前後）の上抜けに失敗、短期的な地合い好転目前に巻戻しを余儀なくされた格好にも。ただし、複数のサポート候補を下抜けながらも日足一目・転換線（4236）や9日移動平均線（4214）は下回らず、弱気のパーフェクトオーダー再開も回避。現状水準で下げ止まることができれば反発基調再開へも。目先、4320円台の直近高値を上抜けると21日移動平均線（4365）を上抜けて4380円台辺りまでが短期上値目安に。
※参考：金プラチナ国内価格6/29とチャート
2021年6月29日(火)時点の相場
国内金：6,897 円 6/29(火) ▼28(0.40％)
国内プラチナ：4,246 円 6/29(火) ▼75(1.74％)
NY金：1,780.7 ﾄﾞﾙ 6/28(月) ▲2.9(0.16％)
NYプラチナ：1,099.5 ﾄﾞﾙ 6/28(月) ▼4.1(0.37％)
ドル円：110.62 円 6/28(月) ▼0.16(0.14％)