金プラチナ短期相場観

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ロシア、ウクライナ侵攻、NY金は一時1970ドル超

更新日:2022年2月25日(金)

NY金・日足一目均衡表 2022年2月24日ロシアによるウクライナ侵攻から24時間経過し、早くも首都キエフ陥落を警戒する報道も。
ウクライナ全土に戒厳令が発令された24日、ロシア株指数が一時50%の急落となり、モスクワ証券取引所は一時取引全面停止。通貨ロシア・ルーブルも暴落し、対ドルでは過去最安値を更新、ロシア中銀は外国為替市場に介入。NY原油価格も一時100ドル超、2014年7月以来7年7ヵ月ぶり高値へと急騰。
安全資産とされる金も買われ、NY金は一時1976.5ドルまで急騰。

ただし、侵攻直前まで売られ続けた米株が、事実確認後の買い戻しへと反転、リスク回避の巻き戻しの流れとなったことでNY原油も92ドル台まで反落、NY金も1920ドル台まで反落して24日のNY市場を終えています。

NY金は昨年8月9日安値1677.9ドルから、11月高値1879.5ドルまで、201.6ドル上昇しました。
12月15日安値1753.0ドルから、201.6ドル上昇した場合の水準=1954.6ドル。
昨年夏以降、上昇チャネルを形成して半年、瞬間的には上限ラインを突き抜けて巻き戻し、妥当な水準付近にひとまず落ち着きそうな状況にもなってきました。

NY金・日足チャート 2022/1/20 - 2/2424日のNY金相場は+15.9ドル、0.83%高となって3日続伸。終値ベースでは昨年1月5日(1954.4)以来、1年1ヵ月半ぶりの高値水準。ロシアのウクライナ侵攻を受けて時間外の1910ドル近辺から、ロンドン市場では1940ドル台から一時1970ドル台半ばまで急騰。2020年9月16日(1983.8)以来、1年5ヵ月ぶりの高値をつけた後、NY市場ではリスク回避の巻き戻しが急速に進行。ここまで一方的に売り込まれてきた米株の買い戻しに連れてNY午後には1930ドル割れ、NY引け後には1900ドルの大台を割り込んで一時1880ドル割れ。その後は1910ドル近辺まで自律反発。この日の変動値幅は97.9ドルとなり、今年の平均24.0ドルの4倍以上、2020年11月9日(118.1ドル)、ワクチン効果による世界同時株高を受けて100ドル弱急落した日以来、1年3ヵ月ぶりの大幅変動。ここまではある程度事前織り込みどおりの展開となったことで事実確認によるリスク回避一服状態に。事態収束に向けては不透明感も残り、市場の不安定感はまだしばらく続きそうな状況。NY金は1850ドル台の下値サポートからこの日の高値1970ドル台までが目先の主要レンジに。

NYプラチナ・日足チャート 2022/1/20 - 2/24NYプラチナは-29.6ドル、2.71%安で3日ぶりの反落。今年高値圏での保合い上限1090ドル台を時間外序盤に抜け出すと、ロンドン市場では1110ドル超え、9月安値と12月安値とで形成するダブルボトムのネックラインに相当する11月高値(1113.1)も上抜けて一時1130ドル台まで急騰。しかしリスク回避の巻き戻しの流れとなったNY市場にかけては金の急反落に追随。NY午後には高値保合い下限1070ドル台も割り込み、これに伴う下値目安1050ドル近辺に到達、さらに1040ドルまで90ドル超の急反落。引け後の自律反発も1060ドル台まで。目先はあらためて1090ドル台が上限となり、20日移動平均線(1042.4)近辺が下値サポート候補。

ドル円・日足チャート 2022/1/21 - 2/24ドル円は52銭のドル高円安、0.45%の反発。東京時間には115円10銭台から軟調推移、ブリンケン米国務長官のロシアが行動を起こす可能性への警戒発言に加え、プーチン露大統領の「特別な軍事行動開始」発言とともにウクライナへの空爆が報道されてリスク回避の流れが急速に進行。それでも90日移動平均線(114.42)にもサポートされて下げ渋り、2月3日(114.33)以来3週間ぶり安値114円40銭近辺で反発すると、欧州・NY時間にかけてはユーロドルの下落基調に伴うドル高の流れがドル円でも優勢に。NY午後には115円60銭台まで反発し、NY終盤にかけても115円50銭を挟んでの小幅揉み合い推移。結果的に114円70銭の下値サポートも維持し、116円までのレンジでの保合い状態も継続へ。116円台へと抜け出すようなら上値トライ再開へ、今年高値を更新して117円台半ば辺りまでが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/24終値とチャート

25日の国内金価格は+22円、0.29%高となって6日続伸。4営業日連続で過去最高値を更新。6日続伸は2月15日までの8日続伸に続いて今年2度め、2月で2度めとなってここまで17営業日中、15営業日で上昇する急騰局面を形成。警戒感は十分に高まった上でのウクライナ侵攻となり、事前織り込み通りとはいえ市場も一時混乱。短期的に想定可能な行き過ぎ警戒水準7850円近辺までの急騰もありえた状態からの巻き戻し。1月末安値(7244)から2月15日(7577)までの上昇値幅333円を、押し目となった2月16日(7515)を起点にN計算値を適用した場合の水準(7848)7850円近辺は、もはや想定可能な短期上値目安となりうる節目水準に。
週間ベースでは+66円、0.86%高で4週続伸。今年ここまで8週のうち7週上昇。

プラチナ価格は-90円、2.07%安となって3日ぶりの反落。金に追随したNYプラチナの乱高下からの戻りが限定的となり、国内プラチナ価格も上値トライへの可能性が巻き戻される形となって高値保合い下限4300円割れ。平常時なら4250円割れへともう少しの下げ余地も。4360円超へと切り返す展開となった場合には上値トライ再開で4430円程度までが短期上値目標に。
週間ベースでは-107円、2.45%安となって6週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格2/25とチャート

2022年2月25日(金)時点の相場
国内金7,724 円 2/25(金) ▲22(0.29%)
国内プラチナ4,265 円 2/25(金) ▼90(2.07%)
NY金1,926.3 ドル 2/24(木) ▲15.9(0.83%)
NYプラチナ1,062.1 ドル 2/24(木) ▼29.6(2.71%)
ドル円115.53 円 2/24(木) ▲0.52(0.45%)

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