金プラチナ短期相場観

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完全雇用で賃金加速、3月雇用統計は利上げ加速をサポート

更新日:2022年4月2日(土)

米失業率・U6失業率 2022年3月米3月雇用統計は総じて好調。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+43.1万人となり、市場予想こそ若干下回ったものの、1-2月分が上方改訂され、年間平均では+56.2万人となって過去最大となった昨年と同水準
失業率は予想を下回る3.6%となってコロナ直前の2020年2月(3.5)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。広義の失業率、U6失業率は6.9%となって2020年1月(6.9)以来、2年2ヵ月ぶりの低水準。1994年以降の過去データではU6失業率の最低は2019年12月の6.8%。U6失業率はほぼ過去最低水準まで低下してきた状態。
黒人の失業率も2月の6.6%から3月は6.2%へと急低下、これも2020年2月(6.0)以来2年1ヵ月ぶりの低水準。労働参加率も62.4%まで上昇し、2020年3月(62.7)以来2年ぶりの高水準。
雇用情勢としてはほぼ完全雇用とも言えるレベルまで回復しています。

賃金上昇率も平均時給で前年比+5.56%となり、1月の+5.45%を上回り、2020年5月(+6.68)以来1年10ヵ月ぶりの高水準。ただし2020年4月(8.03)と5月の急騰は低賃金層の大量解雇に伴うイレギュラーケース。コロナ前の最高水準2019年2月の+3.55%、リーマンショック直後で世界金融危機直前の2009年1月の+3.68%などを大きく上回り、実質過去最高水準の伸び率。

完全雇用状態でも労働需給ひっ迫状態から賃金上昇も加速、インフレ加速をサポートする状態も継続。
米3月雇用統計は5月3-4日のFOMCでの0.5%利上げをサポートする結果となったようです。

NY金・日足チャート 2022/2/28 - 4/11日のNY金相場は-30.3ドル、1.55%安で3日ぶりの反落。前日NY午後につけた高値1955ドルでピークアウト、20日移動平均線(1953.2)付近を上限とする保ち合いレンジ内での軟調推移。好結果も予想された雇用統計への警戒感もあり、米長期金利上昇とドル高基調にも押される形で時間外の1940ドル台から徐々に水準を切り下げ、NY市場では雇用統計の好結果を受けて1920ドル付近まで下落。ただし保ち合いレンジ下限となる1910ドル台手前で下げ渋るとNY引け後には1920ドル台後半へと小反発。目先、1910ドル台のサポートを維持できれば1950ドル台までのレンジで保ち合い継続へ。これを維持できなくなれば1980ドル台の安値で構成するダブボトム崩れへ、1970ドル台辺りまでを短期下値目安に一段安も。
週間ベースでは-30.5ドル、1.56%の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2022/2/28 - 4/1NYプラチナは-7.2ドル、0.72%の続落。変動値幅18.5ドルは前日と同じで今年の平均35ドルの半分強、今年5番めタイの小動き。980ドル台から1000ドルの大台近辺までのレンジも前日から受け継ぐ形となり、NY市場午前には一時1004ドルまで上昇もNY午後には985ドルまで反落、NY引け後には990ドル近辺へと小反発。レンジ上限で抵抗線となる90日移動平均線(1004.7)を上抜けることができればもう一段の反発へ、1030ドル近辺までが短期上値目標。980ドル近辺の下値サポートを割れた場合には12月安値から3月高値の76.4%戻し(959.4)近辺再トライへ。
週間ベースでは-19.9ドル、1.97%安で4週続落。4週続落は2019年9月以来、2年半ぶり。

ドル円・日足チャート 2022/2/28 - 4/1ドル円は88銭のドル高円安、0.72%高で4日ぶりの反発。新年度入りで国内実需の買いも集中したとの見方もあり、東京朝には121円70銭台から122円70銭台まで、1円上昇。午後には122円20銭台まで反落も、雇用統計を控えて下げ渋ると122円半ばでの保ち合い状態で欧州・NY時間へ。好結果となった雇用統計後にはドル高円安の流れで123円台まで、50銭程の上昇。しかし3月のISM製造業景況指数が市場予想を2ポイント程下回ったことを受けて失速。NY午後には122円50銭近辺へと逆戻り。結果的に5日移動平均線(122.58)上抜けには失敗した形となり、短期上昇トレンド回帰に向けては5日線超えが目先の分岐点にも。これを上抜けると123円ラインにも若干の抵抗感も、これも突破できれば124円の上限トライへ。下方向へは121円60銭が下値サポート、これを割れると下値トライ再開で120円割れを試しに行くような展開にも。
週間ベースでは+48銭、0.39%高で4週続伸。4週続伸は年末年始以来、3ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/1終値とチャート

2022年4月2日(土)時点の相場
国内金8,293 円 4/1(金) ▲4(0.05%)
国内プラチナ4,184 円 4/1(金) ▼48(1.13%)
NY金1,923.7 ドル 4/1(金) ▼30.3(1.55%)
NYプラチナ988.6 ドル 4/1(金) ▼7.2(0.72%)
ドル円122.57 円 4/1(金) ▲0.88(0.72%)

4/1(金)のその他主要マーケット指標

5月0.5%利上げ織り込み国内金価格は高止まり 4/4(月)

完全雇用で賃金加速、3月雇用統計は利上げ加速をサポート 4/2(土)

PCEも40年ぶり高インフレ、上昇止まらずも想定の範囲内 4/1(金)

急低下のユーロ圏景況感、ロシアの隣国はいずれも低調 3/31(木)

求人件数は過去3番目の高水準、労働需給逼迫状態も高止まり 3/30(水)


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