金プラチナ短期相場観

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ISM雇用は節目50、拡大と縮小の狭間でせめぎ合い

更新日:2022年11月4日(金)

ISM製造業・非製造業景況指数+雇用指数 2022年10月米10月のISM非製造業景況指数は54.4。市場予想の55.3を下回り、9月の56.7も下回って続落、2020年5月(45.4)以来、2年5ヵ月ぶりの低水準。拡大と縮小の境目となる50を上回る水準を維持してはいるものの、コロナショック以来の落ち込み。
事業活動指数が55.7、新規受注が56.5となっていずれも続落で5ヵ月ぶり、4ヵ月ぶり低水準となり、やはり節目の50こそ上回りながらも減速基調がやや強まる状況に。
また、雇用指数は49.1となって9月の53.0から急低下、6-7月(47.4-49.1)に続いての節目50割れとなり、直近5ヵ月では3度めの50割れ。9ヵ月では5度めの50割れ。

先日発表済のISM製造業景況指数も10月は50.2。こちらも2020年5月(43.1)以来、2年5ヵ月ぶりの低水準。ただし水準としては節目の50割れをなんとか回避した状態。
製造業でも新規受注が49.2となって2ヵ月連続の節目50割れ、直近5ヵ月では4度めの50割れと低迷。雇用指数は50となって9月の48.7からは上昇も、直近6ヵ月では4度の節目50割れ。
ISM景況感指数では、雇用指数は拡大と縮小の狭間でのせめぎ合いが続きます。

水曜発表のADP雇用者数は、10月は予想を上回る前月比+23.9万人となりましたが、過去2ヵ月分が大幅下方修正され、3ヵ月平均では+18.8万人。6ヵ月続落となって2021年3月以来、1年7ヵ月ぶりの低水準となっています。
「雇用の伸びはここ数カ月間堅調」というFOMC声明文の枕詞は、その表現がそろそろ変更されるか、消滅する時期も近いかもしれません。

NY金・日足チャート 2022/9/30 - 11/33日のNY金相場は-19.1ドル、1.16%安で3日ぶりの反落。2020年4月1日(1591.4)以来、2年7ヵ月ぶりの安値水準に。FOMC後の急反落で1640ドルの節目を割り込んだ状態から、時間外序盤に一度は反発も1640ドル台前半までにとどまって戻り売り。ロンドン市場で米10年債利回り上昇とドル高の流れ再開に連れて1630ドル割れへと一段安、NY朝には一時1620ドル割れ。しかしこの流れも米10月ISM非製造業景況指数の下振れで失速、NY午後には1630ドル近辺を回復。短期的には1640ドルの節目割れに伴う短期下値目安1600ドル近辺まで、もう少しの下げ余地も。なお、この日の安値(1618.3)では10月安値(1621.1)をわずかに下抜けたものの、下ヒゲを残して切り返す形となり、9月安値(1622.2)と合わせて三番底、トリプルボトムの形状となって下げ渋る可能性も。ただ、そのためには賃金上昇率の急失速などを含め、雇用統計のネガティブ・サプライズも必要か。反発方向へは1650ドルが当面の抵抗水準に。

NYプラチナ・日足チャート 2022/9/30 - 11/3NYプラチナは-26.8ドル、2.82%安で3日ぶりの反落。10月25日(919.7)以来、1週間ぶりの安値。FOMC通過後の急反落での940ドル割れから940ドル台半ばまでの小反発を挟んで軟調局面再開、ロンドン市場で節目の930ドルを割れるとNY朝には920ドル割れ。安値では一時910ドル付近まで下げたものの、NY市場では金の反発にも連れて920ドル台へと持ち直し。20日移動平均線(920.9)になんとかサポートされたような状態ながら930ドルの節目割れも維持し、短期的には900ドル近辺まで若干の下落余地も残す状態。上方向には950ドルが当面の抵抗水準、突破できれば上値トライ再開となって980ドル台辺りまでが短期上値目標に。

ドル円・日足チャート 2022/9/30 - 11/3ドル円は35銭のドル高円安、0.24%高で3日ぶりの反発。祝日の東京朝には148円から147円20銭近辺まで反落、FOMC直前の水準でサポートされると欧州時間から米10年債利回り上昇とドル高基調再開となっって148円40銭台まで上昇。前日高値をわずかに上回ったところで失速すると、NY朝にはISM非製造業景況指数の結果を受けて147円60銭台まで反落。しかし、これも一時的となってNY午後には148円30銭台を回復。今朝の東京市場でも概ね148円台を維持して雇用統計待ちへ。賃金上昇率高止まりとなってインフレ圧力が継続し、雇用情勢もそれほど悪化しなければ大幅利上げ継続への思惑から上値トライの流れにも。148円80銭の節目をしっかり上抜けることができれば流れとしては高値更新トライ再開へ、介入警戒感との交錯状態のなかをうまくすり抜けることができれば152円台が当面の上値目標にも。下方向へは148円近辺を完全に割り込む形となれば146円付近までは下げやすく、146円台も維持できない場合には142円台辺りまでの一段安も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/3終値とチャート

4日の国内金価格はFOMCと祝日を挟んで-55円、0.64%の反落で10月3日(8463)以来、1ヵ月ぶりの安値。上値の重い状態が続くなかで反発トライに失敗しての一段安。8510円の節目割れに伴い、軟調局面はもう一段続く可能性が優勢に。ゆるやかに下降し始めた90日移動平均線(8464)近辺、8460円近辺までが短期下値目安に。上方向へは8550円の節目を上抜けることができれば局面打開、短期上値目標8600円台を回復して6月以降の中期三角保合い上限ラインとの攻防再開へも。
週間ベースでは-29円、0.34%安で4週続落。4週続落は今年最長、2020年8月末以来2年2ヵ月ぶり。

プラチナ価格は-111円、2.29%の反落で10月26日(4714)以来、1週間ぶりの安値。失速感が漂っていたFOMC前の状況が示唆していたとおりの展開となって9日移動平均線(4813)割れ、強気のパーフェクトオーダー崩れとともに調整局面入り。4790円の節目割れに伴う短期下値目安は4700円近辺。21日移動平均線(4701)にサポートされないようだと行き過ぎの展開で4600円台半ば辺りが意識される可能性も。
週間ベースでは-123円、2.53%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/4とチャート

2022年11月4日(金)時点の相場
国内金8,494 円 11/4(金) ▼55(0.64%)
国内プラチナ4,744 円 11/4(金) ▼111(2.29%)
NY金1,630.9 ドル 11/3(木) ▼19.1(1.16%)
NYプラチナ924.1 ドル 11/3(木) ▼26.8(2.82%)
ドル円148.28 円 11/3(木) ▲0.35(0.24%)

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