金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

雇用統計の好結果で利上げペース減速見通し巻き戻しも一時的に

更新日:2022年12月3日(土)

米雇用統計・賃金上昇率(平均時給)前月比 2022年11月失業率3.7%は前月から変わらず横ばい推移も、雇用者数の伸びが市場予想を上回る好結果となり、賃金上昇率も予想以上。米11月雇用統計の結果を受け、直前までの利上げペース減速見通しを背景に米10年債利回り低下とドル安の流れが強まっていた状態は巻き戻しへ。
米10年債利回りは3.5%近辺から3.6%台へと急騰、ドルインデックスも104.4ポイント近辺がら105.5台へと急騰。ドル円も134円近辺から136円近辺まで急騰。
しかし、その後は躊躇する状態で一定時間のもみ合い状態を経て、徐々に巻き戻しの展開へ。
NY午後には米10年債利回りは急騰前の水準を下回る3.5%割れへ、ドルインデックスもほぼ全戻しとなる104.4近辺へ、ドル円も134円30銭近辺、急騰前水準付近へ。
結果的には利上げペース減速見通しが大きく後退する程でもなく、疑心悪鬼の範囲内で揺れ動く乱高下にとどまったような状態にも。

11月の平均時給は前年比+5.09%となり、市場予想の+4.6%を大幅に上回り、上方修正された10月の+4.92%からも上昇し、3ヵ月ぶり高水準。
3ヵ月平均で見ると、11月は前年比+5.03%。5月の+5.48%がピークとなって6ヵ月連続の低下、昨年10月(+4.82)以来13ヵ月ぶり低水準。
ただし昨年11月以降は13ヵ月連続前年比+5%台での推移が継続中。また、前年比での長期平均+2.93%を大きく上回る状態。

前月比では+0.55%となり、これも市場予想の+0.3%程度を上回り、3ヵ月連続の上昇で1月(+0.57%)以来10ヵ月ぶりの高水準。長期平均+0.25%を大きく上回り、今年2月(+0.13%)を除けば昨年4月以降は長期平均を上回り続ける状態。
高インフレの主要因の一つ、賃金上昇率は高止まり状態が続き、利上げペース減速への疑心暗鬼も続きそうです。

NY金・日足チャート 2022/10/28 - 12/22日のNY金相場は-5.6ドル、0.31%の反落。前日急騰後の高止まりとなった時間外、序盤に前日高値をわずかに上回る1818.7ドルまで上昇して3ヵ月半ぶり高値を更新後は、ほぼ1810ドル台での保ち合い推移となったロンドン市場を経てNY市場へ。予想以上となった雇用統計の好結果を受けてドル高急進、株価急落とともに1800ドル割れ。それでも1790ドル付近で下げ渋ると米長期金利急騰とドル高の巻き戻しとともに1810ドル近辺まで反発。結果的に1820ドル手前で上値を押さえられての上値トライ一服も、下値は200日移動平均線(1802.7)にサポートされた格好にも。利上げペース減速への思惑が揺らぐ状態での反発一服となり、12月半ばのCPIとFOMCに向けては方向感模索の展開にも。短期的には1820ドル超へと抜け出せば1830ドル台辺りまでは上値を伸ばす可能性、下値サポート候補は1800ドルの大台、これをを維持できなければ11月高値(1791.8)と重なるこの日の安値1790ドル近辺。
週間ベースでは+55.6ドル、3.17%で3週ぶりの反発。5ヵ月ぶりに52週移動平均線(1807.2)を上抜け。

NYプラチナ・日足チャート 2022/10/28 - 12/2NYプラチナは-28.3ドル、2.68%安で5日ぶりの反落。前日までの急騰後、1050ドル台前半を中心に小幅もみ合い推移となったアジア時間を経てロンドン市場から徐々に軟調推移。NY朝に1040ドルを割れると雇用統計後にはNY金の急落にも連れて1020ドル割れへと一段安、安値では右肩上がりの20日移動平均線(1010.0)にもサポートされてNY午後には1020ドル台へと反発。9月安値から11月高値までの23.6%戻し(1008.7)と20日線とも重なるこの日の安値1010ドル近辺が目先のサポート候補となり、1050ドル台の抵抗水準を突破できれば11月高値1070ドル台へと水準を切り上げるような展開にも。
週間ベースでは+38.8ドル、3.93%の続伸。

ドル円・日足チャート 2022/10/31 - 12/2ドル円は101銭のドル安円高、0.75%安で5日続落。8月16日(134.23)以来、3ヵ月半ぶりの安値。5日続落は今年初、昨年4月以来1年7ヵ月ぶり。前日までの売り一服となって東京時間は135円台前半での小幅もみ合い推移、しかし欧州時間には売り圧力再燃。134円を割れると一時133円60銭台まで下落。戻りも限定的ながら133円80銭台で下げ渋るとNY市場では雇用統計の好結果を受けて136円手前まで急騰。その後も135円台半ばを維持して落ち着き始めた状態は、NY午後には崩れて135円割れ、NY終盤には134円30銭近辺へ。昨年2月以来、1年10ヵ月ぶりに200日移動平均線(134.52)を割り込んだ状態となり、下げ止まりに向けてはこの200日線回復が目先の攻防ラインにも。売られ過ぎ警戒水準としては引き続き8月半ば安値圏132円台。
週間ベースでは-4.85円、3.48%の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/2終値とチャート

2022年12月3日(土)時点の相場
国内金8,557 円 12/2(金) ▼9(0.11%)
国内プラチナ4,889 円 12/2(金) ▼60(1.21%)
NY金1,809.6 ドル 12/2(金) ▼5.6(0.31%)
NYプラチナ1,026.6 ドル 12/2(金) ▼28.3(2.68%)
ドル円134.32 円 12/2(金) ▼1.01(0.75%)

12/2(金)のその他主要マーケット指標

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