金プラチナ短期相場観
トレンド過渡期の乱高下?
更新日:2022年12月5日(月)
利上げペース減速への思惑が広がるなかでの米11月雇用統計は想定以上。賃金上昇率も加速し、利上げペース減速を否定するような結果に。サマーズ元米財務長官は市場予想を上回る利上げが今後必要となるとの指摘。その一方でこれまでの大幅利上げによる負の影響はある時点で突然、雪崩のように起きる可能性にも言及。FOMCメンバーのなかでもタカ派とハト派で見方が分かれ始める様子も見られ、市場の利上げ見通しにも揺らぎが生じ始める状況にも。
強豪国に勝利しては持ち上げられ、それほどでもない国に負けては叩かれる手のひら返しによって乱高下する某国代表の評価のように、強豪国へと向かう過渡期にも、金融政策の新たなフェーズへの過渡期においても、その見方、評価は分かれ、目まぐるしく入れ変わる乱高下状態を乗り越える必要がありそうです。
FOMCの1週間前となる12月第2週、週明け時間外のNY金は1810ドル近辺から1820ドル近辺へ、先週高値超え。NYプラチナも1020ドル台半ばから1030ドル台へと堅調スタート。ドル円は134円30銭台から70銭台まで上昇後に20銭割れへ、雇用統計後の乱高下状態を引きずる様子も。
5日の国内金価格は-47円、0.55%の続落で11月29日(8484)以来の安値。11月上旬にピークアウトして中旬以降は9日移動平均線(8559)が抵抗線となって上値を切り下げる下落トレンドが継続中。一方でゆるやかに上昇する90日移動平均線(8500)に下値を支えられて下げ渋りの兆候、水平状態の21日移動平均線(8616)は下押し圧力が強くはないことを示唆。ただし90日線は重要なサポート。これを割り込めば中期トレンドも崩れやすい状況にも、8480円の節目も割り込むようだと一段安の展開へ、短期的には8400円の大台近辺までが下値目安に。一方で8570円超へと反発できれば短期トレンド転換トライへ、8650円台辺りまでが短期上値目標に。
週足・一目均衡表では転換線(8614)を下回る基準線(8514)を下抜け、遅行線も26週前の水準を下抜けて二役逆転。昨年秋以降の下値サポートラインを下抜け、中期トレンドが崩れ始めたようにも見えるものの、雲の上限(8250円からゆるやかに上昇)や52週移動平均線(8222)、今年安値から高値の38.2%戻し(8243)などが集中する水準は今年春以降の保ち合い下限にも相当し、強めのサポート帯となる可能性も。ただし今年高安の23.6%戻し(8479)でサポートされることも想定され、最高値圏から上値を切り下げる状況とも合わせ、新たな保ち合い傾向へのトレンド過渡期にある可能性も。
プラチナ価格は-83円、1.7%の続落。11月29日(4769)以来の安値。ほぼ水平状態の21日移動平均線(4884)と9日移動平均線(4833)をまとめて下抜け、反発への勢いも腰折れ。それでも11月半ばのピークアウト後の軟調局面が続くなかでは中立方向へと形成持ち直しの動きの範囲内。目先、4740円の節目を割れるようだと下落基調再開へ、4700円を割れて4600円台半ば辺りまでが短期下値目安にも。上方向には4950円の節目を突破できれば短期トレンド好転と上値再トライへ、5000円台半ば辺りまでが短期上値目標に。
週足・一目均衡表では基準線(4564)を大きく上回る転換線(4784)超えを維持し、三役好転の強気相場をキープ。中期三角保合い上抜け後の急騰局面こそ崩れたものの、52週移動平均線や雲の上限、2020年3月以降の中期上昇トレンドのサポートラインなどからは大きく上方乖離。9月安値から11月高値の38.2%戻し(4685)近辺が比較的強めのサポートとなる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/5とチャート
- 2022年12月5日(月)時点の相場
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国内金 : 8,510 円 12/5(月) ▼47(0.55%) 国内プラチナ : 4,806 円 12/5(月) ▼83(1.70%) NY金 : 1,809.6 ドル 12/2(金) ▼5.6(0.31%) NYプラチナ : 1,026.6 ドル 12/2(金) ▼28.3(2.68%) ドル円 : 134.32 円 12/2(金) ▼1.01(0.75%)
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