金プラチナ短期相場観

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底打ちのユーロ圏景況感、スペイン、フランスは反発できず

更新日:2022年11月30日(水)

ユーロ圏景況感指数 主要8ヵ国 2022年11月底打ちの可能性を示す状態となってきたユーロ圏の景況感、一部出遅れた国も。
欧州委員会が発表した11月のユーロ圏景況感指数は93.7。市場予想の93.0を上回り、1年11ヵ月ぶり低水準となった10月からは1.0ポイント上昇、9ヵ月ぶりの反発。
製造業は5ヵ月連続の低下で1年10ヵ月ぶり低水準も、サービス業は5ヵ月ぶりの反発で1年半ぶり低水準となった10月からは0.2ポイントの小幅上昇。小売や建設業も9月で底打ちの可能性を維持し、雇用期待も11月は3ヵ月ぶり高水準へと反発。消費者信頼感指数は続伸で5ヵ月ぶり高水準。

<主要8ヵ国>
経済規模上位8ヵ国のうち、11月に前月から低下したのはスペイン、フランス、ベルギーの3ヵ国。
イタリア=99.3=1年9ヵ月ぶり低水準の10月(95.2)から+4.1、6ヵ月ぶりの急反発。
スペイン=96.4=前月から-1.7の反落で1年10ヵ月ぶり低水準。
フランス=94.6=前月から-1.6で1年10ヵ月ぶり低水準。
ドイツ=92.2=2年3ヵ月ぶり低水準の10月から+1.1、6ヵ月ぶりの反発。
アイルランド=91.9=1年9ヵ月ぶり低水準の10月から+0.6。オランダ=91.7=2年3ヵ月ぶり低水準の10月から+1.2。オーストリア=85.9=2年4ヵ月ぶり低水準の10月から+1.4、9ヵ月ぶりの反発。
ベルギー=81.8=前月比-0.3で5ヵ月続落、2年4ヵ月ぶり低水準。
※この日発表のドイツの11月CPI速報は前年比+10.0%。過去最高を更新してきた10月の+10.4%からは予想以上に鈍化。今後の景況感回復基調への若干のサポート材料にも。スペイン、ベルギーでもインフレ減速で次月以降の下げ止まりに寄与する可能性も。
<ユーロ圏以上>
イタリア、スペイン、フランス以外では、ギリシャ=101.4=1年8ヵ月ぶり低水準の10月から+3.0。キプロス=100.2=前月比-0.7。ポルトガル=97.5=前月から-0.5で1年8ヵ月ぶり低水準。マルタ=95.9=1年11ヵ月ぶり低水準の10月から+7.2の急反発。リトアニア=94.8=2年3ヵ月ぶり低水準の10月から+0.4。計8ヵ国。

<前月から低下>
スペイン、フランス、ベルギー、ポルトガル、フィンランド=83.5=2年5ヵ月ぶり低水準。スロバキア=82.9=前月比-2.9で6ヵ月続落、2年5ヵ月ぶり低水準。計6ヵ国。
ユーロ圏全19カ国中、13ヵ国(68.4%)が前月から上昇し、底入れの可能性を示す結果に。
<ワースト5>
ベルギー↓、スロバキア↓、エストニア=83.1=2年4ヵ月ぶり低水準の10月から+0.3、フィンランド↓、オーストリア。
5ヵ国中3ヵ国が下げ止まらず。この5ヵ国以外は90超、乖離幅拡大がやや懸念材料。
<その他>
2023年1月から通貨ユーロ導入予定のクラアチアは106.7。前月比+1.1で続伸、5ヵ月ぶり高水準。昨年5月以降1年7ヵ月連続100超での推移。指数としては11月最高となったギリシャの101.4を大きく上回り、ユーロ圏の今後の回復基調に貢献見込み。

NY金・日足チャート 2022/10/25 - 11/2929日のNY金相場は+23.4ドル、1.34%の反発で11月16日(1775.8)以来、2週間ぶりの高値。米10年債利回りが3.7%割れへと低下した流れに連れ、アジア時間の1750ドル近辺からロンドン市場にかけて1770ドル台へと上昇。しかしNY市場では米10年債利回りの反発と高止まりを受け、1770ドルを挟んでの攻防状態から1760ドル台前半へと反落。1760ドルの節目を突破して上値トライへの流れが進行も、パウエルFRB議長講演や週後半の米経済指標などを控えて自嘲気味の展開に。短期上値目標、11月高値圏1790ドル近辺に向けてはパウエル議長のタカ派発言が障壁となりやすい反面、週末の雇用統計下振れなどがサポート材料にも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/10/25 - 11/29NYプラチナは+9.3ドル、0.93%の続伸で11月16日(1016.2)以来、2週間ぶりの高値。抵抗線化も懸念された1000ドルの大台ラインをアジア時間早々に突破すると堅調推移、ロンドン序盤にかけて1010ドル台へ。NY午前には一時大台割れへと急反落も午後には1018.5ドルまでの高値トライ、NY引け後にも1010ドル台を維持。1000ドルの節目突破に伴う短期上値目標1020ドル台辺りにも急接近、若干の上昇余地も残す状態でパウエル発言や米指標などをきっかけにやや不安定な展開にも。

ドル円・日足チャート 2022/10/26 - 11/29ドル円は22銭のドル安円高、0.16%の続落。東京朝には139円30銭台まで上昇、前日高値を超えられずに失速し、先週から微妙に上値を切り下げ続ける状態となって軟調推移。東京午後には138円台半ばでの保ち合いが徐々に崩れて欧州時間には138円割れ、安値では137円80銭台までに留まり、先週末安値を下回らずに切り返すとNY市場では138円80銭台まで上昇。やや不安定な米10年債利回りの上下動にも連れ、138円20銭台までの急反落後NY終盤には138円70銭台へと再浮上。136円台前半までを下値目安に短期下落トレンド継続も、138円前後での足場固めとともに、上値は139円台半ばが重い状態となり、もう一段安か下げ止まりか、という状態で月末月初の攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/29終値とチャート

30日の国内金価格は+40円、0.47%の反発。8530円の節目割れに伴う短期下値目安8490円近辺に到達し、11月初旬の安値8494円を少し下回ったところで切り返し、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(8491)にもサポートされた格好に。斜行三角保合い下抜け後は上下動を繰り返しながら水準を切り下げる下落局面が進行、下げ止まる為には目先、8480円を下回らないことが重要。これを下回るようだと中期トレンド崩れへの警戒感とともに短期下落トレンド継続へ、8430円程度までが短期下値目安に。
月間ベースではわずかに-4円、0.05%安となって4ヵ月ぶりの反落。

プラチナ価格は+62円、1.3%高の続伸で11月24日(4851)以来、1週間ぶりの高値。4780円の節目割れに伴う短期下値目安4740円近辺到達後の反発局面が続き、一定の下押し圧力を消化したような状態にも。下向きの9日移動平均線(4814)を上抜け、中立状態への目安となる水平状態の21日移動平均線(4877)も視野に。これを上抜けると4890円の節目も目前、これらを上抜けると一定の反発局面形成へ、4950円近辺までが上値目標にも。
月間ベースでは-27円、0.56%安で3ヵ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート

2022年11月30日(水)時点の相場
国内金8,524 円 11/30(水) ▲40(0.47%)
国内プラチナ4,831 円 11/30(水) ▲62(1.30%)
NY金1,763.7 ドル 11/29(火) ▲23.4(1.34%)
NYプラチナ1,008.6 ドル 11/29(火) ▲9.3(0.93%)
ドル円138.68 円 11/29(火) ▼0.22(0.16%)

11/29(火)のその他主要マーケット指標

パウエルFRB議長は12月利上げ減速示唆、ドル安株高、金高へ 12/1(木)

底打ちのユーロ圏景況感、スペイン、フランスは反発できず 11/30(水)

ドル円1日当りの変動値幅はコロナ超、リーマンショック以来 11/29(火)

揺れ動くターミナルレート見通し、国内金は高値保ち合い継続へ 11/28(月)

実質実効為替レート、10月にドル過去最高値、日本円は過去最安値 11/26(土)


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