更新日：2022年12月26日(月)
NY金は今年、ロシアのウクライナ侵攻を受けたリスク回避の流れで急騰、3月8日には2020年8月7日につけた過去最高値2089.2ドルに迫る2078.8ドルまで上昇。その後は米国のインフレ高騰に伴うFRBの大幅利上げフェーズに沿ったドル高の流れを受けて軟調推移。11月3日には2年7ヵ月ぶり安値となる1618.3ドルまで下げて底打ち、インフレ鈍化と利上げ最終局面への思惑から12月には1800ドル近辺まで上昇。この結果、10月末に150円超へのドル高円安進行後に130円台へと急速に巻き戻した為替の急変動を相殺。国内金価格は春以降、概ね8200円から8600円台までのレンジで保ち合い推移、夏以降は8500円前後へとレンジを縮小する展開に。
しかし、年末には想定外の日銀の金融政策修正を受けての円高で急落。一目均衡表の雲の中で揉み合いながらの横ばい推移で年越しへ、との予想は裏切られ、雲の下限（8512）割れへと急降下。基準線（8517）と転換線（8480）を下回り、遅行線も26日前の水準（8677）を大きく下回って三役逆転。
8月安値と9月安値を結ぶ中期下値サポートライン候補も突き抜けて三角保合い崩れとなり、8月安値から11月高値の61.8％戻し（8388）が当面のサポートとなるかどうか、という状態にも。
この下のサポート候補としては76.4％戻し（8304）、春以降の広めの保ち合いレンジ下限8200円近辺。
26日の国内金価格は+41円、0.49％の反発。8390円台の節目割れに伴う短期下値目安8350円程度に到達したことによる達成感からの自律反発。週末に1800ドルの大台を回復したNY金は1806ドルまで戻した状態で3連休入り。急落後の反発で週末には132円80銭台まで戻していたドル円は週明け東京市場で132円40銭台へとやや円高推移。ゆるやかに下降し始めた90日移動平均線（8532）を21日移動平均線（8530）がわずかに下抜け、9日移動平均線（8504）もデッドクロス。この下での推移が続く国内金価格は弱気のパーフェクトオーダーを形成するなかでの小反発。局面打開に向けては8450円の節目上抜けがその第一歩。これを突破すると8500円台回復も見込まれ、まずは9日線上抜けトライへ。逆に8340円台の安値を維持できない場合には一段安へ、8300円近辺が下値目安に。
秋以降に上昇基調を強めたNYプラチナにサポートされた国内プラチナ価格は11月11日に5076円まで上昇し、7年10ヵ月ぶり高値をつけて失速。円高局面をより強く反映する形となり、乱高下状態で水準を切り下げる展開となって年末にかけて下降チャネルを形成中。
先週末にはこの下降チャネル下限ラインにサポートされての反発で、一時的には雲の下限（4564）を割り込んで三役逆転も、26日の反発でなんとかこれを脱出。
右肩上がりの90日移動平均線（4601）にもサポートされ、9月安値（4052）から11月高値の38.2％戻し（4685）ライン回復の可否が、年末年始にかけての重要な攻防ポイントにも。
プラチナ価格は+114円、2.5％高となって8日ぶりの反発。9月安値と11月高値の半値戻し（4564）で下げ止まって12月20日（4703）以来の高値水準を回復。先週の4800円の節目割れに伴う短期下値目安4660円台まで、なんとか戻した格好にも。週末の急反発で1030ドルを回復したNYプラチナに押し上げられた状態。もう一段の戻り目安としては11月高値（5076）から12月安値（4552）までの38.2％戻し（4752）から21日移動平均線（4764）近辺も。逆に4550円を割り込むようだと4500円近辺までを下値目安に一段安も。
※参考：金プラチナ国内価格12/26とチャート
2022年12月26日(月)時点の相場
国内金：8,389 円 12/26(月) ▲41(0.49％)
国内プラチナ：4,666 円 12/26(月) ▲114(2.50％)
NY金：1,804.2 ﾄﾞﾙ 12/23(金) ▲8.9(0.50％)
NYプラチナ：1,029.6 ﾄﾞﾙ 12/23(金) ▲45.0(4.57％)
ドル円：132.81 円 12/23(金) ▲0.47(0.36％)