金プラチナ短期相場観
ドルインデックスの三番天井とNY金の三番底、のその後
更新日:2022年12月23日(金)
ドルインデックスは9月末から11月初旬にかけて三番天井をつける形となって頭打ち、その後はドル安基調が進行。
一方、NY金は9月末から11月初旬にかけて三番底をつける形となって底打ち、その後は上昇基調が進行。
水準としてはドルインデックスが114ポイント台から109ポイント台のレンジで高値保ち合いを形成し、約5ポイントの値幅でトリプルトップをつける形となり、11月にはそのネックラインを下抜けたことで、さらに5ポイント程の下落で104ポイント近辺へ。まさに現状、ドルインデックスは104ポイント近辺での揉み合いとなって下げ渋る状態。
NY金は概ね1620ドル台から1730ドル台のレンジで安値保ち合いを形成し、およそ110ドルの値幅でトリプルボトムをつける形となり、11月にはそのネックラインを上抜けたことで、さらに110ドル程の上昇で1840ドル近辺へ。まさに現状、NY金は12月に入ると1840ドル近辺の高値を上限に保ち合いを形成して上げ渋る状態。
ドルインデックスとNY金の逆相関関係は今年急速に強まり、3月以降はほぼ連動状態。90日相関係数は5月末にマイナス圏入りすると急降下、7月半ばには-0.9台へ。サイクル的には逆相関のピーク付近で張り付いた状態となり、現状-0.92台へとさらに逆相関が強まる状況にも。
三番天井からの一定の反落をこなしたドルインデックスと、三番底からの一定の反発をこなしたNY金は、いずれも一服状態に。一段安、一段高へとトレンド再加速か、それとも巻き戻しの展開となるのか、分岐点でクリスマスを迎えることに。
22日のNY金相場は横ばい推移となった前日から-30.1ドル、1.65%の下落。前々日の急騰分を巻き戻して12月15日(1787.8)以来、1週間ぶりの安値。高値圏で十字線を形成した翌日、1820ドル台での小幅保ち合い推移はNY朝まで。米7-9月期GDPが2.9%から3.2%へと予想外の大幅上方修正となったことをきっかけにドル高の流れ急進と同時に1800ドル近辺へと急落、NY引けにかけては1800ドルの大台を割れて一時1790ドル付近まで下落。それでも下げ止まり切れない200日移動平均線(1739.3)にサポートされる形となってNY引け後には大台回復。12月は急騰後の一服を挟んで急落のパターンを3度繰り返し、微妙に水準を切り上げながらも1800ドルの大台を維持し切れず、流れは軟調方向へ。1780ドル台の節目を割れると1730ドル台を目安に急落の展開にも。上方向に1830ドル超へと抜け出すことができたなら一段高へ、6月高値1880ドル近辺トライへ。
NYプラチナは-17.4ドル、1.74%の続落で11月18日(984.3)以来、1ヵ月ぶりの安値。アジア時間の高値では1010ドルに届かず、ロンドン・NY朝にかけて1000ドルの大台を割り込むと、GDP上ブレ後のNY金急落に追随、990ドル割れへと一段安。NY引け後には970ドル付近まで下げて980ドル台へと反発。980ドル台の節目を微妙に割り込む状態となり、このまま反発局面が続かないようなら高値保ち合い下放れの構図となって一段安の展開へ。9月安値(796.8)から11月高値(1074.1)の半値戻し(935.5)から200日移動平均線(940.9)辺り、940ドル近辺までが下値目安に。
ドル円はわずかに6銭のドル安円高、0.05%の反落。東京朝に132円40銭近辺から131円60銭台まで下落、前日安値付近で下げ渋るとゆるやかな反発基調へ。欧州時間に132円を回復するとNY市場では米GDP確定値が想定以上の上方改定、新規失業保険申請件数も改善したことなどもきっかけに米10年債利回り急騰とともにドル高の流れが急進。一時前日高値を上回る132円70銭台まで上昇し、NY終盤にかけても132円台半ばでの保ち合い推移、今朝の東京市場でも上値再トライの様相にも。131円台半ばが下値サポートとなって足場固めの様相も、PCE鈍化などをきっかけにこれを割れるようだと一段安へ、短期下値目安は129円台も。逆に上ブレなら133円台回復トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/22終値とチャート
23日の国内金価格は-97円、1.15%の反落で9月28日(8300)以来、3ヵ月ぶりの安値。水準的には9月安値(8280)と11月高値(8744)の76.4%戻し(8390)を達成し、短期的には21日の急落値幅の23.6%戻しも達成して落ち着くことはできず、8390円台の安値更新に伴う短期下値目安8350円程度に到達。これでも下げ止まらない場合には9月安値圏8300円近辺が短期行き過ぎ警戒水準。上方向には8450円の節目を突破すると8500円台回復が短期上値目標に。
週間ベースでは-238円、2.77%の大幅続落。9月以来3ヵ月ぶり、今年5番めの大幅安。
プラチナ価格は-83円、1.79%安となって7日続落、10月13日(4496)以来、2ヵ月半ぶりの安値。7日続落は4月以来、8ヵ月ぶりで今年2度め。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(4598)を下抜け、9月安値と11月高値の半値戻し(4564)も達成。11月高値起点の下降チャネル下限ラインを下抜け、2021年2月高値(4798)起点の中期三角保合いに回帰した格好にも。過熱感から一服の可能性も、NYプラチナが一段安へと向かえば追随、次の警戒水準としては61.8%戻し(4443)から4400円近辺も。
週間ベースでは-262円、5.44%の大幅反落。下げ幅は今年最大、昨年11月以来、13ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ国内価格12/23とチャート
- 2022年12月23日(金)時点の相場
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国内金 : 8,348 円 12/23(金) ▼97(1.15%) 国内プラチナ : 4,552 円 12/23(金) ▼83(1.79%) NY金 : 1,795.3 ドル 12/22(木) ▼30.1(1.65%) NYプラチナ : 984.6 ドル 12/22(木) ▼17.4(1.74%) ドル円 : 132.34 円 12/22(木) ▼0.06(0.05%)
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