金プラチナ短期相場観
米失業保険、4週移動平均は再びコロナ前の最低水準へと急接近
更新日:2023年2月3日(金)
米新規失業保険申請件数は先週まで3週連続の減少で18.3万件。市場予想を下回って4月23日までの週(18.1)以来、9ヵ月ぶりの低水準。
トレンドを示す4週移動平均も19.18万件となって8ヵ月半ぶりの低水準。8週連続で減少し、2週連続の20万件割れ。
コロナショック直前の4週移動平均の最低水準19万件を、昨年4月に一度下回ってボトムアウト。その後は増加傾向に転じていましたが、夏場に25万件付近まで増加して頭打ち。2022年末から再び減少傾向を強め、再びコロナ前の最低水準19万件に急接近。
失業保険継続受給者数の4週移動平均は、コロナ前の最低水準178万人を昨年2月に下抜け、その後も減少を続けて130万人台で底打ちすると、秋以降は増加傾向に。しかしこれも年末にかけて170万人目前で失速、コロナ前の最低水準178万人を上抜けることなく再び反転、1月末まで4週連続の減少となっています。
なお、1月雇用統計の調査対象週でも新規申請件数の4週移動平均は6週連続減少、継続受給者数の4週移動平均も3週連続減少の週。
前日発表された12月の求人件数も1101.2万件と予想外の増加で5ヵ月ぶりの高水準。失業者1人当たりの求人件数は1.93件へと急増し、これも5ヵ月ぶりで過去4番めの高水準。過去平均0.65件の約3倍。
労働需給ひっ迫状態を示唆する指標結果が続き、賃金インフレをサポートし、ディスインフレを阻害する材料も残り続けています。
2日のNY金相場は-12.0ドル、0.62%の続落で1月27日(1929.4)以来、1週間ぶりの安値。FOMC後の急騰水準1960ドル台後半を維持しての小幅揉み合いでアジア時間を通過、ロンドン序盤には1975.2ドルまで上昇して4月19日(1985.1)以来、9ヵ月半ぶり高値を更新。高値保ち合い上限1940ドル台突破に伴う短期上値目標1960ドル台到達後、もう一段の行き過ぎ目安1980ドル台にもあと少しのところまで迫って失速。NY市場では0.50%利上げ決定後のラガルドECB総裁が会見で「3月の0.50%利上げ後は経過をみていく」発言でユーロ安ドル高急進、これに連れる形にもなって利益確定売りが加速、NY午後にかけて1930ドル近辺まで急反落。下値サポート1920ドル台では下げ渋る状態。上値トライ一服後、改めて1920ドル台から1940ドル台までの高値保ち合いを維持して雇用統計待ちへ。下方ブレイクなら1900ドル前後までが下値目安に、上方ブレイクなら1980ドル近辺までの再トライ余地も。
NYプラチナは+30.9ドル、3.08%の反発で1月25日(1046.1)以来、1週間ぶりの高値。FOMC後の急騰水準1010ドル台半ばがこの日の安値となり、前日までの2日間で1000ドル割れでの足場固めを終えて底打ち反発の流れが継続。NY朝にかけて1030ドルを回復すると高値では一時1040ドル台半ばまで上昇。下落基調の20日移動平均線(1053.3)手前で失速すると1020ドルまでの急反落を挟んでNY午後には1030ドル近辺に収束。やや売られ過ぎからの急反発は、過去の推移からも節目となり得る1040ドル近辺で失速。地合い回復に向けてはこの水準をしっかり上抜ける必要、そうなれば1070ドルの上限トライをうかがうチャンスも。逆に当面の下値サポート、1000ドルの大台を割れると年末安値圏980ドル近辺まで下値余地拡大へ。
ドル円は21銭のドル安円高、0.16%安で3日続落。1月19日(128.44)以来、2週間ぶり安値を更新。FOMC後の軟調局面は東京朝から再開、129円手前から128円10銭台まで下落すると一服、午後には128円半ばで下げ渋り、欧州時間序盤には一時129円台回復。NY市場では米10年債利回り低下にも連れ、東京朝の安値を下回って128円10銭割れ。しかし128円ラインで下げ渋る形となり、NY終盤にかけては128円台後半へと反発。129円半ばの節目割れに伴う短期下値目安としては今年安値を更新して126円台半ば辺りまで。ただし128円ラインが目先のサポートとなる可能性も。雇用統計の結果次第では下値トライ再開、もしくは反発へ。反発方向へは20日移動平均線(129.91)から130円半ばまでが当面の抵抗水準。これを上抜けるとダブルボトムからの反発で134円近辺までが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート
3日の国内金価格は-138円、1.57%の大幅続落で1月19日(8613)以来、2週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均41円の3.4倍、12月21日(-201円、2.34%)以来1ヵ月半ぶりの急落。NY金の大幅調整にも連れ、パーフェクトオーダー崩れとなった途端の急降下。サポート候補21日移動平均線(8712)を突き抜け、比較的重要な節目8600円の大台ラインも意識される水準に。雇用統計後に一段安となってこの節目を割り込むようだとゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8589)も下抜けて短中期的にも弱気トレンドへ、8500円近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-145円、1.65%安で6週ぶりの反落。
プラチナ価格は+66円、1.46%高で7日ぶりの反発。昨年9月安値(4052)から11月高値(5076)の半値戻し(4564)や12月安値(4552)などの比較的重要なサポート候補を突き抜けての安値更新後の巻き戻し。地合い回復に向けては下落基調の9日移動平均線(4635)上抜けは必須。4510円台の安値を維持できないようだと61.8%戻し(4443)近辺までが意識される展開にも。
週間ベースでは-28円、0.61%安で4週続落。4週続落は昨年7月以来、半年ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格2/3とチャート
- 2023年2月3日(金)時点の相場
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国内金 : 8,662 円 2/3(金) ▼138(1.57%) 国内プラチナ : 4,584 円 2/3(金) ▲66(1.46%) NY金 : 1,930.8 ドル 2/2(木) ▼12.0(0.62%) NYプラチナ : 1,032.6 ドル 2/2(木) ▲30.9(3.08%) ドル円 : 128.72 円 2/2(木) ▼0.21(0.16%)
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