金プラチナ短期相場観
3回の値上げでもビッグマック指数のドル円は76.49円
更新日:2023年1月31日(火)
エコノミスト社が先週発表したビッグマック指数によると、2023年1月時点で米国のビッグマック価格は5.36ドル。2022年1月の5.81ドルから7月には5.15ドルへと値下がりしていましたが、今回は上昇。コロナ後の横ばい推移の期間と昨年の急落を挟んで今年、従来の上昇基調に回帰し始めた可能性を示唆。
一方、日本国内のビッグマック価格は2023年1月時点で410円。昨年までの390円からは値上がり、2006年の250円からは随分と値上がりしています。
しかし、ドル換算すると2023年1月時点でも3.15ドル。2002年の2ドルからは値上がりしたものの、2012年の4.16ドルからは、かなりお値打ち価格となっています。
2013年以降のドル高円安基調の恩恵?を受けた格好に。
ほぼ同じ商品、ビッグマックを、日本でも米国と同じ価格となるべきとする購買力平価に従えば、ドル円相場は2023年1月時点で1ドル=76.49円が妥当、ということになります。
実際の為替レートは一時1ドル=150円まで上昇後、足下では130円近辺。依然として50円超の乖離幅。
なお、日本マクドナルドは2022年以降、3回の値上げを行っています。2022年3月はビッグマックは据え置き、9月30日には390円から410円に値上げ。さらに年明け、2023年1月16日にも値上げを発表し、ビッグマックは450円へと値上げされています。
今回のビッグマック指数では410円となっていますが、450円換算ならビッグマック指数は83.96円。2011年5月(85.79)以来、11年半ぶりのドル高円安水準。実際のドル円との価格差は46.46円まで縮小。
少なくとも日本のデフレは緩和傾向となっています。
30日のNY金相場は先週末から+9.8ドル、0.51%高で3日ぶりの反発。1月25日(1942.6)以来の高値。週明け時間外を1940ドル台半ばからスタートし、アジア時間には一時1950ドルにワンタッチ、ロンドン序盤には1930ドル台半ばまで下げた後は高値保ち合い、NY午後にはドル高の流れに押されて上値を切り下げ、NY引け後には1940ドル割れ。FOMC前に値動きは縮小、この日の変動値幅13.9ドルは今年の平均26.1ドルの半分強、今年2番めの小動き。流れとしては上昇一服で今年高値圏での小康状態から調整局面入りの様相も、FOMC待ち。ハト派傾斜も織り込み済の範囲内となれば下方リスク拡大へ、想定以上なら下げ渋り、場合によっては上値トライ再開も。いずれの場合でも週末の雇用統計を待っての変動にも。目先の下値サポート、1920ドル台を維持できなくなれば1900ドル近辺までが短期下値目安、1940ドル台の上限突破となれば1960ドル台を目安に一段高へ。
NYプラチナは+3.8ドル、0.37%高で4日ぶりの反発。1020ドルをはさんでの小幅揉み合いに終始、アジア時間の高値は1020ドル台半ばまで、ロンドン市場での安値も1010ドル手前まで、NY終盤には1020ドル台回復も引け後には1020ドル割れ。1040ドルの節目割れに伴う短期下値目安1020ドル近辺到達後の自律反発も限定的となり、下げ止まりの兆しを示しただけのような格好にも。引き続き一段安への警戒水準として1000ドルの大台前後までが意識されやすく、地合い回復に向けては1040ドル回復が目安にも。
ドル円は60銭のドル高円安、0.46%の反発。東京朝には130円30銭付近まで上昇、午後には政府・日銀の2013年版共同声明、アコードの見直し提言報道を受けて129円20銭まで急落。日銀=円高リスクの状態も129円台前半では下げ渋り、欧州時間にかけて129円台後半、130円回復トライへ。NY時間には米10年債利回り上昇とドル高の流れにサポートされて130円台半ばへ。FOMCでは、緩和方向へと楽観的な見方に傾斜する市場の思惑との乖離があるFRBの牽制発言なども警戒された様子。ただし下げ止まりつつある20日移動平均線(130.38)をわずかに上抜けながらも、今朝の東京市場では再び下抜け。20日線との攻防状態は継続し、引き続き129円半ばから131円までの小幅保ち合いレンジも維持、今週末から次週にかけて上下どちらかへと動き出す可能性も。上方向なら133円台を目指す流れに、下方向なら126円台を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/30終値とチャート
31日の国内金価格は-8円、0.09%の小幅安で4日続落。1月23日(8756)以来1週間ぶり安値圏で下げ止まり切れず、8800円の大台割れ。それでも右肩上がりの9日移動平均線(8780)にサポートされる可能性も残して高止まりの範囲内。週後半の重要イベント通過で大きく崩れるか、最高値更新トライか、大幅変動前の小康状態のようにも。流れとしてはNY金の調整局面入り濃厚の状況に追随しやすいところ。下値サポートは8600円が比較的重要な節目となり、これを割り込むようなことがあれば8500円近辺までの一段安も。8860円超へ、最高値更新なら8900円トライへ。
月間ベースでは+397円、4.73%の大幅高で3ヵ月ぶりの反発。6月(+421円、5.06%)以来、7ヵ月ぶりの急騰。
プラチナ価格は-15円、0.33%安で4日続落。3営業日連続で今年安値を更新し、12月23日(4552)以来1ヵ月ぶり安値圏で下げ止まらず。4630円台の節目割れに伴う短期下値目安4550円台を目指しての軟調局面が継続。もう少しの下げ余地を残しながらもNYプラチナの自律反発にサポートされる可能性も。
月間ベースでは-154円、3.25%安で3ヵ月続落。7月(-284円、6.41%)以来半年ぶりの大幅安となり、1月としては7年ぶりの下落。
※参考:金プラチナ国内価格1/31とチャート
- 2023年1月31日(火)時点の相場
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国内金 : 8,796 円 1/31(火) ▼8(0.09%) 国内プラチナ : 4,586 円 1/31(火) ▼15(0.33%) NY金 : 1,939.2 ドル 1/30(月) ▲9.8(0.51%) NYプラチナ : 1,020.6 ドル 1/30(月) ▲3.8(0.37%) ドル円 : 130.43 円 1/30(月) ▲0.60(0.46%)
米雇用コスト指数低下で0.25%利上げは確実、も依然高水準 2/1(水)
3回の値上げでもビッグマック指数のドル円は76.49円 1/31(火)
インフレ期待も鈍化継続+リセッション懸念で金価格を下支え 1/30(月)
PCEは予想どおりの減速基調継続、サービス価格は高止まり 1/28(土)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン