金プラチナ短期相場観

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米雇用コスト指数低下で0.25%利上げは確実、も依然高水準

更新日:2023年2月1日(水)

米・雇用コスト指数 2022年第4四半期米労働省が発表した2022年10-12月期の雇用コスト指数(ECI:Employment Cost Index)は前期比+1.0%。市場予想の+1.1%を下回り、7-9月期の+1.2%からも低下。
賃金などのコストの伸び率鈍化によるインフレ鈍化期待から、ドル安の流れとなって株価と金は買いで反応。

今回のFOMCでは0.25%利上げがほぼ確実視された状況のなかではダメ押し確認、CMEフェドウォッチでの0.25%利上げは99%台まで上昇。
なお、年内の利上げ予想では3月にも追加0.25%利上げ予想が85%で有力。ターミナルレートは3月の4.75-5.00%で打ち止めが優勢に。
年央にかけてさらに追加0.25%利上げ予想は30%台で低めの予想。
そして年末には1回の利下げで2023年末のFF金利は4.50-4.75%へ。

この市場予想の有力シナリオに対して今回のFOMCでは、おそらく利下げについては「時期尚早」とややタカ派姿勢を貫いて、市場とFRBの思惑の乖離は埋まらないまま、という結果も予想されます。そして今後はどちらが折れてどちらへ傾斜していくのか、が一つの焦点にもなりそうです。

なお、雇用コスト指数の過去平均(2001年以降)は前期比+0.7%。ここまで9四半期連続過去平均以上、6四半期連続+1.0%以上と高止まり。
パウエルFRB議長としてはタカ派姿勢を崩し難い状況にはありそうです。

NY金・日足チャート 2022/12/23 - 1/3131日のNY金相場は+6.1ドル、0.31%の続伸で昨年4月21日(1948.2)以来、9ヵ月ぶりの高値。時間外序盤には1940ドル台前半までの小反発後に戻り売り、ドル高の流れに連れてロンドン市場までに1930ドル、NY朝にかけては1920ドル割れ。ドル高一服後に反発すると米10-12月期四半期雇用コスト指数が市場予想を下回ったことを好感して一段高、NY午後には1940ドル台を回復。高値では1946.9ドルまで上昇も、FOMC前の節目突破にはやや無理もありNY引け後には1940ドル台前半へ。下へ行って来いとなり、引き続き1920ドル台から1940ドル台までの高値保ち合いを維持してFOMC待ちへ。上方ブレイクなら1960ドル台までが短期上値目標、下方ブレイクなら1900ドルの大台ライン近辺までが意識される展開へ。
月間ベースでは+119.1ドル、6.52%の大幅高で3ヵ月続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2022/12/23 - 1/31NYプラチナは+0.5ドル、0.05%の小幅続伸。時間外は1020ドル近辺での小幅揉み合いから軟調推移へ、ロンドン市場にかけて一段安への警戒水準1000ドルの大台付近まで下落。NY朝には1000ドルの大台を割り込み、12月23日(979.5)以来1ヵ月ぶり安値をつけて反発するとNY市場では金の急反発に追随、NY午後に1020ドル台を回復し、高値では前日高値をわずかに上回る1026.7ドルまで上昇。下へ行って来いとなり、連日の下ヒゲで足場固めをしてFOMC待ちへ。ただし引き続き1000ドルの大台近辺再トライへの警戒感も残るところ。
月間では-61.8ドル、5.71%安で5ヵ月ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2022/12/28 - 1/31ドル円は34銭のドル安円高、0.26%の反落。東京朝には130円50銭台から130円近辺まで軟調推移、午後には下げ渋るも欧州時間にかけても130円半ばが上限に。NY市場では雇用コスト指数の下振れをきっかけにドル安円高急進、130円を割れて129円70銭台まで急落して下げ渋り、NY午後には130円30銭台まで反発。しかしNUY終盤から今朝の東京市場にかけては130円付近へと収束。結果的に、ほぼ下げ止まり状態の20日移動平均線(130.33)にはしっかり上値を押さえられる形となり、上抜けトライはFOMC後か、もしくは週末雇用統計後か。あるいはISMの景況感指数の下振れなどをきっかけに下値トライ再開への警戒感も。
月間では-1.02円、0.78%安で3ヵ月続落。3ヵ月続落は2020年12月以来、2年1ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/31終値とチャート

1日の国内金価格は+8円、0.09%の小幅高で5日ぶりの反発。前日下落分だけを取り戻して8000円の大台を回復、右肩上がりの9日移動平均線(8802)にもぎりぎりサポートされる形となって強気パーフェクトオーダーもなんとか維持した格好に。短期上昇トレンド末期の様相も漂うなかで、FOMCから雇用統計までの一連のイベント通過で一定のトレンド再形成となる可能性も。8600円の下値サポートへと向かうか、最高値を更新して8900円を目指す流れとなるか。

プラチナ価格は前日から変わらず横ばい推移。4日続落で3営業日連続今年安値を更新しながらも、下げ幅縮小からの下げ渋り。4630円台の節目割れに伴う短期下値目安4550円台まで、もう少しの下げ余地を残した状態ながら、短期的には二番底をつけての反発期待も徐々に高まるところ。イベント通過でしっかり下げ止まれるかどうか。
※参考:金プラチナ国内価格2/1とチャート

2023年2月1日(水)時点の相場
国内金8,804 円 2/1(水) ▲8(0.09%)
国内プラチナ4,586 円 2/1(水) +-0(0.00%)
NY金1,945.3 ドル 1/31(火) ▲6.1(0.31%)
NYプラチナ1,021.1 ドル 1/31(火) ▲0.5(0.05%)
ドル円130.09 円 1/31(火) ▼0.34(0.26%)

1/31(火)のその他主要マーケット指標

インフレ軟化にパウエル議長のタカ派姿勢も軟化、ドルも軟化 2/2(木)

米雇用コスト指数低下で0.25%利上げは確実、も依然高水準 2/1(水)

3回の値上げでもビッグマック指数のドル円は76.49円 1/31(火)

インフレ期待も鈍化継続+リセッション懸念で金価格を下支え 1/30(月)

PCEは予想どおりの減速基調継続、サービス価格は高止まり 1/28(土)


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