金プラチナ短期相場観
米1月CPIは予想上ブレも警戒し過ぎ?でドル円は乱高下
更新日:2023年2月15日(水)
一段と高まる注目度とともに警戒感も高まり過ぎた感もあった米1月CPI、結果発表後には乱高下、のちドル高優勢の展開に。
CPIは前年比+6.41%。市場予想の+6.2%を上回り、12月の+6.45%からは小幅に低下。小数点2桁で見ると7ヵ月続落で2021年10月(6.22)以来、1年3ヵ月ぶりの低水準。
コアCPIは前年比+5.58%。これも市場予想の+5.5%を上回り、12月の+5.71%からは低下。4ヵ月続落となって2021年12月(5.45)以来、1年1ヵ月ぶり低水準。
セクタ別では、エネルギー関連を除くサービス価格がウェイト58.19%を占め、1月は前年比+7.2%。2021年8月の+2.7%からは2度の横ばい推移をはさんで上昇しっぱなし。
なお、食品とエネルギーを除く商品価格はウェイト21.36%となり、前年比+1.4%。12月の+2.1%から一段と低下して5ヵ月続落。
項目別ではウェイト7.53%を占める賃貸住宅が前年比+8.6%。12月の+8.3%から一段と上昇し、18ヵ月続伸。ウェイト25.42%の帰属家賃は前年比+7.8%。12月の+7.5%から上昇、21ヵ月続伸。
クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+7.09%。続伸で10月(7.01)以来、4ヵ月ぶりに過去最高を更新。16%トリム平均CPIでは前年比+6.55%。こちらは4ヵ月続落で9ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀発表のスティッキーCPIは前年比+6.67%。40年4ヵ月ぶり高水準となった前月(6.73)からは小幅に低下。
1月CPIでは市場が期待したほどのインフレ鈍化は見られず、下げ渋る指標も多数、という結果に。
14日のNY金相場は+1.9ドル、0.1%の小幅高で4日ぶりの反発。時間外は1860ドル台からロンドン市場にかけて1870ドル台へと小幅に上昇。NY朝には警戒感も高まっていた米1月CPIの結果を受けて乱高下、1880ドル台まで急騰後には1850ドル付近まで急反落、上下動を繰り返す落ち着かない展開はNY引けにかけてようやく1860ドル台半ばへと収束。結果的に短期下値目安1850ドル近辺まで下げて2月安値圏での十字線を形成。短期的な流れとしては下げ一服感も、再度下値目安1850ドル近辺までの下押し余地も。地合い回復に向けては引き続き1890ドル台が当面の抵抗水準、上抜けの場合には1920ドル近辺までを目安に反発局面形成へ。
NYプラチナは-20.2ドル、2.11%の反落で11月3日(924.1)以来、3ヵ月ぶりの安値。960ドル近辺での小幅保合いとなった時間外は高値でも965ドルに届かず、NY市場ではCPI発表後の金の乱高下に巻き込まれる形に。950ドル割れから960ドル台へと小幅に急騰後には930ドル付近まで急反落、その後の戻りは限定的となってNY引け後も930ドル台半ば。950ドルの下値サポート割れに伴う短期下値目安930ドル前後にも到達し、いったんは落ち着く可能性。ただし日足レベルでは小幅反発後の戻り売りで安値更新となる、綺麗な下落トレンドを形成中。トレンド転換に向けては目先の上限960ドル上抜けが最低条件、抜け出すと980ドル台辺りまでを目安に反発局面形成へ。
ドル円は68銭のドル高円安、0.51%の続伸で1月5日(133.44)以来、5週間ぶりの高値。132円を挟んでの保合い推移から、NY市場では1月CPIが前年比で上ブレたものの、事前の警戒感からか乱高下の反応。131円50銭近辺まで急落後には133円台へと急反発。NY午後には132円台半ばまでの下押しをはさんで133円30銭台まで上昇。CPIの下げ渋りを受けてNY引けにかけても133円台を維持し、2月高値を更新。132円80銭の節目上抜けに伴い、ドル高円安方向への流れがもう一段継続する可能性。当面の上値目標は今年高値圏、134円半ばまで。今朝の東京市場では132円半ばまで調整の動きとなり、このまま失速するようだと131円近辺の下限までのレンジで保合い継続にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/14終値とチャート
15日の国内金価格は+34円、0.39%の続伸。CPI後の乱高下を経てドル高円安に傾斜した流れに押し上げられ、上昇軌道の90日移動平均線(8612)にサポートされた勢い持続の格好となって下落基調の9日移動平均線(9642)も上抜け、8650円の節目もわずかながら上抜け。円安サポートがもう一段続くなら8700円台回復トライへ、8710円程度までが短期上値目標に。
プラチナ価格は-73円、1.6%の反落で9月28日(4276)以来、4ヵ月半ぶりの安値。NYプラチナの一段安で円安サポートと前日上昇分を帳消し、わずかながらも4330円の節目割れ。水平状態からわずかに下降し始めた90日移動平均線(4718)を頂点に形成する弱気パーフェクトオーダー最下段、9日移動平均線(4434)がレジスタンスとなって下落トレンド継続。短期的には4280円近辺までの下値余地、4400円から9日線までがトレンド転換に向けての攻防水準。
※参考:金プラチナ国内価格2/15とチャート
- 2023年2月15日(水)時点の相場
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国内金 : 8,656 円 2/15(水) ▲34(0.39%) 国内プラチナ : 4,326 円 2/15(水) ▼73(1.66%) NY金 : 1,865.4 ドル 2/14(火) ▲1.9(0.10%) NYプラチナ : 939.2 ドル 2/14(火) ▼20.2(2.11%) ドル円 : 133.08 円 2/14(火) ▲0.68(0.51%)
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