金プラチナ短期相場観
日銀総裁人事と米インフレ鈍化一服で国内金の調整も一服か
更新日:2023年2月13日(月)
次期日銀総裁人事案は今週、14日に国会提示へ。円高リスクという側面もあったこれまでの状況が先週末の報道でやや緩和された格好にもなり、今後の質疑を経て次期体制確立へ。そして今後の金融政策の方向性と調整等の見通しが明確化していくなかで、過度な円高リスクは後退していく可能性もありそうです。
同じ14日には米国の1月消費者物価(CPI)の発表もあり、こちらはインフレ鈍化一服が焦点に。ピークアウト後のインフレ鈍化傾向が減速し、前月比では再上昇との予想もあり、ドル安一服状態から、さらにもう一段の巻き戻しを促進する可能性もありそうです。
ドル高はNY金の上値抑制要因ながら、インフレ鈍化減速はそれだけを見ればNY金にはサポート要因。最高値圏からの軟調局面が続く国内金価格は、いったん下げ止まりの週となるかもしれません。
13日の国内金価格は-5円、0.06%の小幅続落で1月13日(8595)以来、1ヵ月ぶりの安値。1870ドル台で下げ渋るNY金は週明け時間外も1870ドル台を維持も、1870ドル台半ばから前半へと軟調気味。ドル円は週末の131円30銭台から60銭台へと円安の流れで東京市場をスタート。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(8604)にぎりぎりサポートされての下げ渋り状態も、8610円の節目割れとなって下押し圧力が強まる可能性も。90日線と、12月安値(8348)から1月高値(8857)の半値戻し(8603)を下回ることになれば一段安へ、61.8%戻し(8542)近辺までが短期下値目安に。反発方向へは、8650円の節目を上抜けることができれば地合い回復へ、8710円近辺までが短期上値目標に。
日足一目均衡表では基準線(8718)と転換線(8705)を下回る一役逆転状態が継続。残り二役は好転維持も、遅行線は26日前の価格水準との攻防状態に入り、下抜けリスクも。雲の上限(8546)は当面の下値サポート候補。その上には8月安値(8168)から1月高値(8857)の38.2%戻し(8594)もあり、8600円近辺から8500円台にかけては短中期的には比較的強めのサポート帯となる可能性も。
プラチナ価格は-52円、1.19%安となって4日続落。9月28日(4276)以来、4ヵ月半ぶりの安値。短期下値目安950ドル到達後のNYプラチナは週明け時間外も950ドル割れでの推移となり、下げ止まり切れていない状態。RSIは15.0まで低下し、2021年12月8日(14.4)以来、2年2ヵ月ぶりの低水準も、下押し圧力も緩和せず。もう一段の下値警戒水準としては4300円の大台ライン、9月安値(4052)から11月高値(5076)の76.4%戻し(4294)辺りも。
日足一目均衡表では三役逆転状態が続き、下値サポート候補が見当たらない状況となっての一段安。週足では一役逆転状態で雲の上限(4321)が目先のサポート候補にも。さらには2021年9月安値(3536)から2022年11月高値(5076)の半値戻し(4306)も。
※参考:金プラチナ国内価格2/13とチャート
- 2023年2月13日(月)時点の相場
-
国内金 : 8,605 円 2/13(月) ▼5(0.06%) 国内プラチナ : 4,331 円 2/13(月) ▼52(1.19%) NY金 : 1,874.5 ドル 2/10(金) ▼4.0(0.21%) NYプラチナ : 951.8 ドル 2/10(金) ▼12.4(1.29%) ドル円 : 131.38 円 2/10(金) ▼0.15(0.11%)
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