金プラチナ短期相場観

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何も決定していない、けどADPも求人も下げ渋り、雇用はひっ迫

更新日:2023年3月9日(木)

雇用者数増減推移 NFP×ADP・3ヵ月平均 2023年2月前日の米株急落に配慮してか、パウエルFRB議長はこの日の下院での議会証言では、3月FOMCにおける利上げ幅などについては「何も決定していない」との発言。もちろん、今後発表される2月雇用統計に2月のCPI、PPIなどを見極めた上での決定となることが前提であり、当然といえば当然。プラス、若干のリップサービスでマーケットへの気遣いも忘れない様子も。

この日発表された雇用関連指標も、雇用ひっ迫状態が継続していることを示唆。
米2月ADP雇用レポートでは、雇用者数の伸びは前月比+24.2万人。市場予想の+20万人を上回り、1月の+11.9万人からは倍増。12月の+25.3万人に近いレベルに急反発。
この結果、3ヵ月移動平均では+20.5万人。1月時点での+19.5万人、1年10ヵ月ぶり低水準からは反発。
コロナ前の2012年から2019年までの平均+17.0万人を目前に、下げ渋る状態。
なお、1月分時点での雇用統計NFPは3ヵ月平均で+35.6万人。4ヵ月ぶり高水準で2012-2019年平均+19.6万人からも大幅上方乖離。

また、JOLTS求人件数は1月に1082.4万件となり、5ヵ月ぶり高水準となった12月の1123.4万件からは減少も、市場予想の1054.6万件程度を上回り、依然高止まり。
失業者一人当りの求人件数は1月に1.90件。12月の1.96件からは低下も、半年で2番めの高水準。コロナ前の最高水準となった2019年平均1.19件を大幅に上回り、過去平均0.66件の2.9倍。
適度な鈍化を期待するFRBのもどかしさは、続きます。

NY金・日足チャート 2023/2/1 - 3/88日のNY金は-1.4ドル、0.08%の小幅続落。2月24日(1817.1)以来2周間ぶり安値圏で下げ渋り、反発トライにも失敗。アジア時間にはゆるやかに上昇する90日移動平均線(1819.9)を下回っての推移も安値では1813.4ドルまで。今年最安値となった2月末安値(1810.8)手前で下げ渋ると、NY市場では米10年債利回り急低下とドル安の流れを受けて一時1820ドル台後半まで急反発。パウエルFRB議長の「(3月FOMCでの利上げ幅などについては)何も決定していない」発言もサポート、しかしこの流れは続かずNY午後には巻き戻し。NY引けにかけては再び1820ドル割れ。日足レベルでは90日線をわずかに下回りながらも1810ドル台の節目割れは回避、雇用統計までは耐える展開にも。耐え切れなくなれば1780ドル台までを短期目安に下値トライ再開へ。

NYプラチナ・日足チャート 2023/2/1 - 3/8NYプラチナは+4.3ドル、0.46%高で3日ぶりの反発。アジア時間につけた安値は931.9ドルで前日安値を下回らず、前日の急落からの自律反発局面を形成。ロンドン・NY市場では940ドル台後半まで上昇も、940ドルを挟んでの保ち合いとなり、NY引けにかけては940ドル維持をかけての攻防状態に。2月末安値(903.9)から3月高値(986.3)の61.8%戻し(935.4)達成後の一服でこの節目にサポートされながらも、200日移動平均線(948.2)に上値を押さえられた格好。上方向へと反発基調となれば980ドルが当面の抵抗水準、下方向へ軟調局面再開となれば今年安値900ドル台が当面のサポートに。

ドル円・日足チャート 2023/2/2 - 3/8ドル円は21銭のドル高円安、0.15%高で3日続伸。12月15日(137.80)以来3ヵ月ぶり高値圏での堅調維持。前日の急騰の勢いを受けて東京朝には137円ちょうど付近から137円半ばを試す展開へ、200日移動平均線(137.44)に一度は上値を押さえられた格好も、午後にかけての再トライで137円台後半へ、高値では一時137円90銭台まで上昇。136円台後半の節目突破に伴う短期上値目標138円付近に到達したことで、東京市場終了から欧州・NY時間にかけては軟調推移。NY市場ではパウエルFRB議長の下院議会証言での「何も決定していない」発言を受けて136円40銭台まで下げる場面もあったものの、前日同様にタカ派傾斜も示唆して巻き戻し。NY午後には137円台を回復し、NY終盤には137円40銭近辺へ。上値トライ一服感も、雇用統計までは高止まりで様子見状態へ。結果次第で一段高へと向かえば138円台後半辺りまで上値を伸ばす可能性、反落へと向かえば135円80銭が目先のサポート。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/8終値とチャート

9日の国内金価格は-23円、0.26%安で3日続落。2月28日(8693)以来、1週間ぶり安値圏で下げ止まらず、上昇軌道の9日移動平均線(8758)を下抜けて強気のパーフェクトオーダーも崩れ、短期トレンドは逆転目前という状況にも。9日線が上値トライ再開に向けた関門となり、61.8%戻し(8694)から21日線(8692)辺りまでが中立維持へのサポートに。

プラチナ価格は+6円、0.13%の小反発。ゆるやかに下降する90日移動平均線(4507)に向けての回復基調腰折れを示唆するような急反落となった前日からの自律反発も限定的、反落局面一服状態のようにも。短期的には反発の流れが完全には崩れてはいないものの、中期的な地合い回復には失敗したような状態に。今後は21日移動平均線(4427)のサポートとしての重要度が増し、短期的には9日線の早期回復の可否がポイントにも。
※参考:金プラチナ国内価格3/9とチャート

2023年3月9日(木)時点の相場
国内金8,726 円 3/9(木) ▼23(0.26%)
国内プラチナ4,481 円 3/9(木) ▲6(0.13%)
NY金1,818.6 ドル 3/8(水) ▼1.4(0.08%)
NYプラチナ940.6 ドル 3/8(水) ▲4.3(0.46%)
ドル円137.38 円 3/8(水) ▲0.21(0.15%)

3/8(水)のその他主要マーケット指標

世界のプラチナ需給-2022年第4四半期と2023年見通し 3/10(金)

何も決定していない、けどADPも求人も下げ渋り、雇用はひっ迫 3/9(木)

ディスインフレも一時的、パウエル議長は利上げ再加速へ 3/8(水)

ドルインデックスとNY金の38.2%戻し 3/7(火)

パウエルFRB議長もタカ派傾斜へ、国内金価格は最高値へ? 3/6(月)


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