金プラチナ短期相場観
パウエルFRB議長もタカ派傾斜へ、国内金価格は最高値へ?
更新日:2023年3月6日(月)
パウエルFRB議長は今週7-8日の議会証言で、2月FOMC後の会見で示した「ディスインフレ」を軌道修正する可能性が高まっています。
好調を示す米経済指標が相次ぎ、インフレも高止まりを示唆する状況を受けてFRB関係者からは利上げ継続、高金利維持長期化見通しなどタカ派傾斜発言が続いたことへ同調するのではないか、との見方が強まりつつあるようです。
一定の相場変動のきっかけとなりうるイベントを通過し、過去最高値付近で推移する国内金価格も一段高へ、という展開もありうるかもしれません。
ただし、タカ派傾斜を徐々に織り込んで2月にドル高円安基調が進行してきたドル円は、昨年秋からの円高値幅の38.2%戻しを達成したところで一服状態に。
他方、NY金は2月の下落で秋以降の上昇値幅の38.2%戻しを達成し、半値戻し手前で折り返すと足下では「タカ派傾斜一服」を先行して織り込む形で反発。
パウエルFRB議長の多少のタカ派傾斜発言には、もはやサプライズ感はない、かもしれません。
週末に1860ドル台前半へと水準を切り上げたNY金は週明け時間外には1860ドル割れへと小幅に失速。NYプラチナも980ドル台を維持できず、失速気味のスタート。ドル円は週末の135円80銭台を中心に上下動。136円回復後には135円60銭台までの反落も、いずれも一時的。
6日の国内金価格は+14円、0.16%高で6日続伸。6日続伸は10月以来5ヵ月ぶり。1月25日(8857)以来、6週間ぶり高値となって今年2番めの高値。短期的には8700円の節目上抜けに伴う上値目標8820円近辺到達後にも、若干勢い余って多少の行き過ぎ状態。ただし、昨年4月の過去最高値(8860)、6月高値(8859)と今年高値で形成する最高値圏でのトリプルトップ崩れをかけた攻防状態となり、強めの抵抗感とともに短期的にはもう一段の行き過ぎで最高値更新を試すような展開にも。調整となれば急反落の展開も想定され、2月安値(8605)からここまでの23.6%戻し(6784)、38.2%戻し(8750)などが目安にも。
今年高値8857円をつけたのが27日前、一目均衡表の遅行線は26日前の水準(8837)をわずかに上抜け、基準線(8722)も転換線(8729)も大きく上回って三役好転。三角保合い上抜け後の一段高で強気相場入り、最高値更新トライの様相に。強めの抵抗線に上値を押さえられての急反落か、最高値更新か。後者なら12月末安値(8348)から1月高値(8857)までの値幅509円を2月安値(8605)を起点に加算するN計算値では9114円。最高値更新なら、勢い余って9000円台トライへ、という展開も想定は可能。
プラチナ価格は+16円、0.35%高で5日続伸。5日続伸は昨年9月以来半年ぶり。1月30日(4601)以来5週間ぶりの高値水準となり、11月高値(5076)から2月安値(4289)の38.2%戻し(4590)に到達。達成感とともに4440円の節目上抜けに伴う上値目標4520円程度を突き抜けての多少の行き過ぎ感などから反落警戒感も強まるものの、短期トレンド転換後の勢いは持続。4600円の大台回復への抵抗感もそれほど強くはなさそう。
一目均衡表では基準線(4451)と転換線(4470)をまとめて上抜け。しばらく続いた弱気相場、三役逆転からようやく脱出。遅行線はまだ26日前の水準を少し下回るものの、下落基調の価格ラインを上抜けるのは難しくはなさそう。現状水準付近を維持できれば3月半ばには切り下がる雲の下限、上限との攻防も想定され、三役好転も視野に。
※参考:金プラチナ国内価格3/6とチャート
- 2023年3月6日(月)時点の相場
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国内金 : 8,839 円 3/6(月) ▲14(0.16%) 国内プラチナ : 4,596 円 3/6(月) ▲16(0.35%) NY金 : 1,854.6 ドル 3/3(金) ▲14.1(0.77%) NYプラチナ : 979.4 ドル 3/3(金) ▲16.2(1.68%) ドル円 : 135.84 円 3/3(金) ▼0.91(0.67%)
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