金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米3月求人件数は2ヵ月連続1千万件割れ、ドル売り金買い

更新日:2023年5月3日(水)

米・求人件数と失業者数、求人倍率 2023年3月米労働省が発表した3月の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は959.0万件。市場予想の973.6万件を下回り、2月の997.4万件からも一段と減少。3ヵ月連続の減少となり、2ヵ月連続の1千万件割れ。2021年4月(928.8)以来、1年11ヵ月ぶりの低水準。
この結果を受けて米長期金利急低下とドル安、そして株安の流れが急速に進行。2000ドルの大台割れでの推移が続いていたNY金は2020ドル台へと急騰で反応。

なお、求人件数は前年比-20.26%となり、2020年5月(-23.66%)以来2年10ヵ月ぶり、前年比減少率としてはコロナ後最大。2月の-14.02%から一段と拡大し、2ヵ月連続の2桁減。前年割れは8ヵ月連続となり、足下での急減が鮮明に。
また、失業者数1人当りの求人件数、求人倍率は1.642件/1人となり、2月の1.680件を下回り、12月の1.963件からは3ヵ月連続の低下。2021年10月以来、1年5ヵ月ぶりの低水準。
労働需給ひっ迫の緩和傾向は続き、賃金上昇圧力緩和とインフレ圧力緩和への期待感も高まる状況に。
ただし求人倍率は2019年の経い金1.193件/1人、過去平均0.662件/1人などを依然大きく上回る水準。
この乖離幅がさらに、一段と縮小するまでこの求人件数への注目度高止まりは続きそうで、やや過剰な市場反応のきっかけにもなりやすい状況も、もうしばらく続くことにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2023/3/28 - 5/22日のNY金は+31.1ドル、1.56%の大幅反発で4月13日(2055.3)以来、半月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均14.2ドルの2.2倍、今年6番めの急騰。1990ドル台前半での小幅揉み合い推移となった時間外から、NY市場では米3月求人件数の低調な結果を受けて2020ドル超へと急騰。3.5%台半ばから3.4%台前半へと急低下した米10年債利回りとドル安の流れに連れ、NY引けにかけても2020ドル台を維持。今回のFOMCでの0.25%利上げへの影響はないものと思われるものの、今後の見通しには若干のハト化と不透明感をもたらし、2000ドル割れへと水準を切り下げつつあったNY金を下支え。大台を挟んでの保ち合い上限、2010ドルの節目超えに伴う短期上値目標2030ドル近辺にも到達。目先は上値トライ一服となって引き続き1990ドルが当面の下値サポート、これを割り込むようだと4月安値1960ドル近辺までの下値余地拡大も。

NYプラチナ・日足チャート 2023/3/28 - 5/2NYプラチナは+13.6ドル、1.28%高で4日ぶりの反発。1090ドルの節目割れに伴う短期下値目安1070ドル近辺到達後も若干の行き過ぎとなってNY朝には1060ドル割れ。2週間ぶり安値となる1050ドル台前半まで下げてようやく切り返し、求人件数発表後のNY金急騰に連れる形となって1070ドル台へと急反発。右肩上がりの20日移動平均線(1067.3)にもサポートされる格好となり、下ヒゲ陽線を形成して下げ止まりを示唆。1060ドルが当面の下値サポートとなり、1110ドルまでが目先の主要レンジに。あらためて1060ドル割れとなれば1040ドル近辺までの下値余地拡大へ、1110ドル超えなら4月高値圏1140ドル近辺再トライへ。

ドル円・日足チャート 2023/3/29 - 5/2ドル円は88銭のドル安円高、0.64%安で4日ぶりの反落。137円台半ばを維持して小幅揉み合いとなった東京午前から、午後には137円70銭台まで上昇。3月8日の今年最高値以来、2ヵ月ぶりの高値をつけて失速すると、欧州時間には137円半ばで下げ渋る展開もNY市場で急落。求人件数の下振れを受けて137円半ばから136円半ばへと約1円水準を切り下げ、4ヵ月半ぶりに上抜けた200日移動平均線(137.00)超えもわずか1日で陥落。昨年10月高値から1月安値の38.2%戻し(136.66)も下抜けてしまった状態。目先はこれらが抵抗線候補となる一方で、52週移動平均線(136.02)がサポート候補にも。週末までこれを維持できるようなら上値トライ再開のチャンスも、137円半ばの節目突破なら138円台へ。もう一段の調整進行なら3月安値(139.64)から5月高値の23.6%戻し(135.85)近辺が下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/2終値とチャート

2023年5月3日(水)時点の相場
国内金9,565 円 5/2(火) ▲31(0.33%)
国内プラチナ5,031 円 5/2(火) ▼24(0.47%)
NY金2,023.3 ドル 5/2(火) ▲31.1(1.56%)
NYプラチナ1,078.3 ドル 5/2(火) ▲13.6(1.28%)
ドル円136.58 円 5/2(火) ▼0.88(0.64%)

5/2(火)のその他主要マーケット指標

利上げ打ち止めの可能性示唆でドル売り、NY金は最高値トライへ 5/4(木)

米3月求人件数は2ヵ月連続1千万件割れ、ドル売り金買い 5/3(水)

5月利上げ後据え置きは9月迄、市場予想は11月利下げ開始へ 5/2(火)

国内金、連休谷間に過去最高値、半月ぶり今年12回め 5/1(月)

日銀は現状維持で円安急進、米PCE想定内でNY金も現状維持 4/29(土)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ