金プラチナ短期相場観

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利上げ打ち止めの可能性示唆でドル売り、NY金は最高値トライへ

更新日:2023年5月4日(木)

雇用者数増減推移 NFP×ADP・3ヵ月平均 2023年4月5月FOMC直前のNY市場では、米4月ADP雇用者数が予想外の大幅増となり、一時ドル買い金売りの流れが強まりました。
前日の3月JOLTS求人労働異動調査では求人件数が減少し、解雇件数は増加、自発的離職件数は減少と労働市場の冷え込みが示唆され、大幅利上げによる効果が意識されたのに対し、この日の4月ADP雇用では労働市場の堅調さが示されたような格好にも。
しかし、これが足下のドル高円安局面、NY金の調整局面の最終局面となった可能性もありそうです。

FOMC声明文では、「some additional policy firming may be appropriate」(追加利上げが適切かもしれない)の記述が削除され、「closely monitor incoming information and assess the implications for monetary policy」(経済指標を注意深く監視して政策への影響を評価する)方針を表明。
パウエルFRB議長会見では「利上げ停止時期に近づいている」という主旨の発言も。

事前に十分織り込み済となっていた0.25%の追加利上げに対しての反応は限定的となり、「利上げ打ち止め」観測が強まる状況となり、今朝の東京時間にかけてもズルズルとドル売りの流れが進行したことで、時間外のNY金は一時2080ドル超へと急騰。4月13日につけた今年これまでの高値2063.4ドルを突き抜けて2022年高値(2078.8)も上抜け、2020年8月につけた過去最高値2089.2ドル手前まで上昇。
今後の状況次第でNY金は最高値更新トライへの可能性も再燃、という状況となり、週末の雇用統計がそのトリガを引く可能性も。
なお、NFPとADPの3ヵ月移動平均での24ヵ月相関係数は3月時点で0.88台へと上昇。両者の相関関係は急速に強まる状態での4月雇用統計。

NY金・日足チャート 2023/3/29 - 5/33日のNY金は+13.7ドル、0.68%の続伸。4月13日(2055.3)以来半月ぶり高値圏での一段高。2020ドル台での小康状態で時間外を通過後、NY朝には米4月ADP雇用上振れを受けてのドル買い金売りで2010ドル台半ばへと小幅に急落。これが安値となって切り返すとISM非製造業景況指数が小幅に予想を上回ったことなどもあり、NY午後には2030ドル台へ。NY引け後のFOMC結果は織り込み済ながら、パウエルFRB議長会見を経て利上げ打ち止め観測とともにドル売り金買いの流れが強まり、時間外で一時2080ドル台まで急騰。今年高値更新後は2060ドル近辺まで反落しての推移。2010ドルの節目超えに伴う短期上値目標2030ドル近辺到達後の一段高となり、流れとしては一服感が強まる状況ながら週末の雇用統計次第で過去最高値更新トライか一定の調整か、という状況に。2060ドル超を維持することになれば最高値更新トライへ、4月高値(2063.4)から4月19日安値(1980.9)の161.8%戻し(2114.4)近辺、2120ドル近辺までが短期上値目標に。調整進行となれば2月安値(1810.8)から5月高値(2085.4)の23.6%戻し(2020.6)近辺が短期的調整目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/3/29 - 5/3NYプラチナは-16.5ドル、1.53%の反落。1070ドル台での小幅揉み合い推移から、ロンドン市場で1080ドル台半ばまで上昇して失速。NY市場にかけて1070ドル割れへと反落し、NY午後には一時1060ドルの節目割れも、前日安値(1052.7)手前で折り返すとNY引けにかけては1060ドル台半ばを回復。流れとしては調整局面進行中も1060ドルのサポートを維持して下げ渋り、保ち合いレンジ上限を1080ドルに切り下げて失速状態の20日移動平均線(1068.9)との攻防状態にも。目先、1060ドルを維持できなくなれば1040ドル近辺までを目安に調整進行、1080ドル超へと切り返すことができれば1100ドル回復を短期目標に反発局面へも。

ドル円・日足チャート 2023/3/30 - 5/3ドル円は172銭のドル安円高、1.26%の大幅続落で4月27日(133.99)以来の安値。下げ幅としては今年の絶対値平均74銭の2.3倍、今年4番めの急落。前日の調整局面はこの日も継続、むしろ加速する格好に。高値となった東京朝の136円60銭近辺から、午前中に136円割れ、3月安値から5月高値の23.6%戻し(135.85)をあっさり下抜けると欧州時間には135円台半ばへ、NY朝のADP雇用の好結果を受けて135円90銭台までの急反発も一時的となり、NY午後には135円ちょうど付近まで下落。想定されたFOMCでの0.25%利上げに対しては小幅乱高下にとどまりながら、パウエルFRB議長会見を経て徐々に売り圧力が強まるとNY終盤には135円割れ、今朝の東京時間には134円台半ば。3月安値から5月高値の38.2%戻し(134.66)に到達した状態となって一服感も。週末の雇用統計がポジティブな結果となれば下げ止まりから多少の自律反発へも、逆の展開となれば半値戻し(133.71)近辺までの一段安も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/3終値とチャート

2023年5月4日(木)時点の相場
国内金9,565 円 5/2(火) ▲31(0.33%)
国内プラチナ5,031 円 5/2(火) ▼24(0.47%)
NY金2,037.0 ドル 5/3(水) ▲13.7(0.68%)
NYプラチナ1,061.8 ドル 5/3(水) ▼16.5(1.53%)
ドル円134.86 円 5/3(水) ▼1.72(1.26%)

5/3(水)のその他主要マーケット指標

過去最高値更新再トライへのゴールデン・ウィーク 5/5(金)

利上げ打ち止めの可能性示唆でドル売り、NY金は最高値トライへ 5/4(木)

米3月求人件数は2ヵ月連続1千万件割れ、ドル売り金買い 5/3(水)

5月利上げ後据え置きは9月迄、市場予想は11月利下げ開始へ 5/2(火)

国内金、連休谷間に過去最高値、半月ぶり今年12回め 5/1(月)


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