金プラチナ短期相場観
ミシガン大長期インフレ期待は急騰、先行き不透明感も高騰?
更新日:2023年5月13日(土)
FRBも重視するミシガン大発表の5年先インフレ期待値が急騰。
低迷する米10年債利回りの保ち合い下限3.4%付近からの反発のきっかけとなり、ドル安地合いからの反発局面加速へとつながる可能性をサポート。
4月速報で5年インフレ期待は3.2%。4月の3.0%からは急騰の形となり、2011年3月(3.2)以来、12年2ヵ月ぶりの高水準。
それ以前では2008年5-6月に3.4%まで上昇したことも。この時期はリーマンショック直前、長期的なインフレ懸念が最大限に高まった時期。これに準ずるレベルへと急騰したことから、現状でも長期的なインフレ懸念への警戒感が高まる状況となってきた可能性も。
1年先のインフレ期待も4.5%となり、4月の4.6%からは低下も、3月の3.6%から急騰した状態からはわずかに小反落。インフレ鈍化継続への疑心暗鬼からの乱高下となっての下げ渋り。
消費者信頼感指数は57.7となって半年ぶり低水準へと急反落。
現況指数が64.5で5ヵ月ぶり低水準に対し、期待指数は53.4となって2022年7月(47.3)以来、10ヵ月ぶりの低水準で消費センチメント悪化を主導。
なお、期待指数が50割れとなったのは2011年8-9月以来。それ以前では2008年6月(49.2)のリーマンショック直前。現状の期待指数悪化もこれに準ずるレベルへと急低下。
銀行不安などの影響から、消費センチメントは先行き不透明感が急速に高まり、長期的なインフレ懸念も急騰したような格好にも。
12日のNY金は-0.7ドル、0.03%の小幅安で3日続落。5月1日(1992.2)以来、10日ぶり安値圏でのほぼ横ばい推移も終値ベースでは5月安値をわずかに更新。2020ドル近辺を中心にロンドン市場での安値は2005ドル付近、NY朝につけた高値は2020ドル台後半まで。ミシガン大の長期インフレ期待上昇を受けてのドル高進行に連れ、NY午後には2020ドル割れへと反落。それでも20日移動平均線(2016.4)にもサポートされ、2010ドル台半ばでは下げ渋り、十字線を形成して底堅さも示唆。ただし節目の2020ドルをわずかながらも割り込み、上値を切り下げてきた流れがもう一段続きやすい状況に。短期下値目安は2000ドルの大台前後まで。
週間ベースでは-5.0ドル、0.25%安で3週ぶりの反落。
NYプラチナは-38.0ドル、3.44%の大幅続落で5月4日(1050.3)以来、1週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均15.0ドルの2.53倍、今年4番めの大幅安。アジア時間の1090ドル台からロンドン序盤に1110ドル台へと反発して戻り売り。NY朝には下値サポート候補となっていた20日移動平均線(1090.6)近辺での揉み合いも、NY午後にかけてこれを下抜けると一段安、NY引け後には1060ドル割れ。南アフリカのロシアとの武器取引疑惑をめぐり米国と南アとの関係悪化懸念などから南アランドが対ドルでこの日、過去最安値を更新。ランド安が続いていることも影響した可能性。目先、1050ドルの節目を割り込むようだと一段安の展開へ、1020ドル近辺までが短期下値目安に。
週間ベースではわずかに-1.3ドル、0.12%安で3週続落。
ドル円は117銭のドル高円安、0.87%の大幅続伸で5月2日(136.58)以来、10日ぶりの高値。東京朝の134円半ばから欧州時間には134円台後半、NUY朝には135円近辺へ、米10年債利回り上昇基調にも連れて緩やかなドル高円安の流れ。その後はミシガン大の5年インフレ期待が上昇したことを受けて米10年債利回り急騰とともにドル高急進となり、135円30銭近辺へと急騰。135円30銭の節目を突破するとNY午後には135円70銭台へと一段高、NY終盤にかけても135円70銭近辺での高止まり。134円20銭の節目割れが警戒された状況からは逆行、前日の下ヒゲ陽線が示唆したとおりの反発継続となり、崩れかけた上昇トレンド再開に向けて切り返す格好に。上方向への節目突破に伴う上値目標は5月高値圏、137円台再トライへ。
週間ベースでは+90銭、0.67%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/12終値とチャート
- 2023年5月13日(土)時点の相場
-
国内金 : 9,530 円 5/12(金) ▼42(0.44%) 国内プラチナ : 5,107 円 5/12(金) ▼82(1.58%) NY金 : 2,019.8 ドル 5/12(金) ▼0.7(0.03%) NYプラチナ : 1,067.0 ドル 5/12(金) ▼38.0(3.44%) ドル円 : 135.73 円 5/12(金) ▲1.17(0.87%)
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