金プラチナ短期相場観
PPIも10ヵ月続落で2年超ぶり低水準、インフレ鈍化は進行
更新日:2023年5月12日(金)
前日のCPIが市場予想を下回って10ヵ月続落で2年ぶり低水準となったのと同様、PPIも予想を下回って10ヵ月続落、2年超ぶり低水準となってインフレ鈍化は一段と進行し、利上げ打ち止めをサポートする結果に。
4月のPPIは前年比+2.34%。市場予想の+2.5%を下回り、3月の+2.70%からも一段と低下。10ヵ月続落となって2021年1月(+1.60)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+3.19%。こちらは13ヵ月続落となって2021年3月(3.04)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+3.35%。続落で2021年3月(3.14)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。
なお、PPIとしては2010年11月以降の過去平均2.69%を、2年3ヵ月ぶりに下回る水準。(※2019年までの過去平均は1.70%)
コアPPIの過去平均は+2.60%(2019年までの平均は+1.80%)、コアPPI2の過去平均は+2.58%(2019年までの平均は+1.72%)でいずれも若干の下げ余地を残す状態。
PPIとしては、CPIに先行する形で異常な高インフレからは既に脱したような状況にも。
11日のNY金は-16.6ドル、0.81%の続落で5月1日(1992.2)以来、10日ぶりの安値。2030ドル台での保ち合いからNY朝にかけては2040ドル台へと反発。米4月PPIが市場予想を下回り、失業保険申請件数が半年ぶりの水準へと悪化したことなどを受けてのドル安進行に伴う急騰でつけた高値も2040ドル台後半まで、一時的かつ限定的となってドル安の巻き戻しに連れて急反落。安値では一時2010ドル台半ばまでの下落も、下値サポート2020ドル割れでは下げ渋り、20日移動平均線(2016.2)にもサポートされてNY午後には2020ドル維持をかけた攻防状態に。NY引け後もなんとか2020ドルの節目を維持した格好も、流れは軟調方向へ。これを維持し切れなくなれば2000ドルの大台前後までの下値切り下げも。
NYプラチナは-14.1ドル、1.26%安で5日ぶりの反落。1120ドル台後半での小幅揉み合いとなったアジア時間での高値は1130ドルに届かず、ロンドン序盤にかけて1110ドル割れへと下落もNY朝には米PPI直後の金の反発局面に連れる形となって切り返し。しかし高値ではまたしても1130ドル手前で失速すると戻り売りの展開となって一段安、NY午後には一時1100ドル割れ、安値では1090ドル台半ばで切り返すとNY引けにかけては1100ドル台を回復。目先は1120ドルが抵抗水準となり、これをしっかり超えると1040ドル近辺へ、今年高値圏再トライへ。下値サポート候補は20日移動平均線(1090.0)前後。
ドル円は17銭のドル高円安、0.13%の小幅反発。前日のCPI後の軟調推移を受け継ぐ形で東京朝には134円割れ、133円90銭近辺では下げ渋る形となって東京午後には134円台前半、欧州序盤にかけては134円80銭台まで反発。しかし米地銀パックウエスト・バンコープの預金流出を受けての株安などリスク回避の流れが強まり、NY朝にかけて134円付近へと反落。米4月PPIの下振れや新規失業保険申請件数の増加などもあり、133円70銭台まで下落。たたし3月安値(129.64)から5月高値(137.77)の半値戻し(133.71)付近で下げ渋るとNY午後にかけて134円台半ばを回復。またしても134円20銭の節目を維持する形となって底堅さを示す展開に。調整圧力は強まる状況となり、これを維持できなくなれば最大で76.4%戻し(131.56)近辺も意識され、131円台後半を目安に調整進行へ。逆に巻き戻しの勢いが強まって135円30銭の節目を上抜けるようだと上値トライ再開、5月高値圏137円台が上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート
12日の国内金価格は-42円、0.44%の続落。5月1日の9534円をわずかに下回り、5月安値を更新して4月28日(9350)以来2週間ぶりの安値。失速感が強まる形となっての調整局面進行も、右肩上がりの9日移動平均線(9529)にサポートされた状態に。値幅的には4月末安値(9341)から5月高値(9679)の38.2%戻し(9550)を達成、調整の範囲を超えて下落局面を形成し始めたような格好にも。9日線割れなら61.8%戻し(9470)、21日移動平均線(9467)近辺までが一段安の目安にも。
週間ベースでは-35円、0.37%の反落。
プラチナ価格は-82円、1.58%の続落。上昇軌道を維持する9日移動平均線(5077)超を維持したものの、失速感は強まる状態に。9日線を割れて強気相場が崩れるようなら一段安の展開にも、3月末安値(4407)から5月高値(5197)までの23.6%戻し(5011)近辺までが意識される可能性も。予想外の展開で高値更新へと切り返すようなら2014年高値(5246)が意識される可能性も。
週間ベースでは+76円、1.51%の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格5/12とチャート
- 2023年5月12日(金)時点の相場
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国内金 : 9,530 円 5/12(金) ▼42(0.44%) 国内プラチナ : 5,107 円 5/12(金) ▼82(1.58%) NY金 : 2,020.5 ドル 5/11(木) ▼16.6(0.81%) NYプラチナ : 1,105.0 ドル 5/11(木) ▼14.1(1.26%) ドル円 : 134.56 円 5/11(木) ▲0.17(0.13%)
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