金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ドルインデックスとNY金の半値戻し

更新日:2023年5月20日(土)

NY金×ドルインデックス 2023年5月19日NY金は3月以降の急騰で4月から5月前半にかけては2000ドル台での高値保ち合い推移。惜しくも最高値更新には至らず、5月半ばに高値保ち合いが崩れる形となって調整局面入り。この間、ドル安が急速に進行し、4月から5月前半にかけての保ち合いを経て、5月半ばからはドル高へと巻き戻しの展開が進行。NY金と逆相関が強いドルインデックスは、逆目盛りにするとほぼ同じような上下動で推移してきました。

3月初旬には利上げペース再加速観測などからドル高・金安基調。終値ベースでNY金は3月8日の1818.6ドルが急騰前の安値。同じ日にドルインデックスは105.63ポイントの高値。
その後雇用統計での賃金伸び率鈍化の兆しからドル安・金高へと反転。その後SVB破綻など米欧銀行不安などもリスク回避の流れを助長。
米債務上限問題なども加わり、4月初旬以降はNY金は2000ドル台での高止まり、ドルインデックスは101ポイント台での低迷状態が続きました。

しかし、5月第3週には追加利上げ観測や債務上限問題進展の可能性などからNY金は急落、ドルインデックスは急騰。18日終値ではNY金が1959.8ドル、ドルインデックスは103.46。
変動値幅で見ると、NY金は3月8日(1818.6)から5月4日(2055.7)までの上昇値幅の38.2%戻し(1965.1)を達成。ドルインデックスは3月8日(105.63)から4月13日(100.70)までの下げ幅の半値戻し(103.17)を達成。
この週末には債務上限問題停滞懸念や追加利上げ観測後退などの思惑から若干の巻き戻しとなりましたが、今後の状況次第でドル高・金安の継続か、もう一段の巻き戻しか、という状態に。
前者の場合でも、ドル高の流れが行き過ぎなら38.2%戻し(102.58)近辺へと巻き戻しとなる可能性も想定され、そうでなければNY金が半値戻し(1937.2)近辺へと一段安となる可能性も警戒されそうです。

NY金・日足チャート 2023/4/17 - 5/1919日のNY金は+21.8ドル、1.11%高で4日ぶりの反発。アジア時間での1950ドル台半ばが安値となり、前日安値を下回らずに切り返すと1960ドル台を回復、ロンドン序盤には1970ドル近辺まで上昇もNY朝にかけてはドル高基調に押されて1960ドル近辺へと軟調推移。NY市場では米債務交渉においてホワイトハウスが過大な歳出を認めないことを不服としてマッカーシー下院議長側の交渉担当者らが退席したことが伝わり、楽観視され始めていた債務上限問題に再び暗雲。これを受けてリスク回避再燃となって長期金利低下とドル売り急進に連れ、1980ドル台へと20ドル超の急騰。パウエルFRB議長が6月FOMCでの利上げ休止の可能性を示唆する発言もサポート材料に。ダブルトップからの短中期下値警戒水準1900ドル近辺への早期トライも意識された展開は1950ドル台まででいったん切り返す形となり、5月高値(2085.4)から18日安値(1954.4)までの23.6%戻し(1985.3)を達成。反発局面がもう一段続くようなら38.2%戻し(2004.4)近辺までが意識され、逆に1950ドルの節目を維持できなくなるようだと1900ドルの大台近辺再トライの可能性も。
週間ベースでは-38.2ドル、1.89%の続落。下げ幅としては1月30日からの週(-52.8ドル、2.74%)以来、3ヵ月半ぶりの急落。

NYプラチナ・日足チャート 2023/4/17 - 5/19NYプラチナは+17.5ドル、1.65%の反発。時間外序盤に1060ドル近辺から1055ドルまで小幅下落も前日安値でサポートされて切り返し、ロンドン市場で1070ドルを回復すると高値では一時1080ドル台半ばまで上昇。しかし目先の抵抗水準1080ドル台では上値を押さえられて急反落、NY朝には1060ドル付近まで下げて1080ドル手前まで切り返す乱高下、NY引け後には1070ドル近辺へと収束。結果的に下値目安1010ドル台を目指す流れも巻き戻され、上下にレンジを拡大する形での保ち合い継続となり、多少のブレイクではダマシとなる不安定さとともに、走り出すと大幅変動へ、との警戒感も。目先は1050ドル台から1080ドル台までのレンジで保ち合い、しっかり上抜けると4月の今年高値圏1140ドル台を目指す流れへ。逆に下方ブレイクなら4月半ば安値、1000ドルの大台割れも意識される展開にも。
週間ベースでは+8.7ドル、0.82%高で4週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2023/4/17 - 5/19ドル円は73銭のドル安円高、0.53%安となって7日ぶりの反落。ドル高円安トレンドは短期上値目標137円台到達後の若干のオーバーランで一服、調整局面を形成。前日高値138円70銭台からのゆるやかな低下局面で、東京朝の138円70銭近辺がこの日の高値。東京朝には138円20銭台まで小幅に急落する場面もありながら、138円半ばから前半へとゆるやかに調整、東京市場終了時には138円近辺へと水準を切り下げて欧州時間には138円を挟んでの揉み合い。NY午前にかけての買い戻し局面でも138円60銭台までにとどまり、NY午後には債務上限問題の停滞懸念再燃などから137円40銭台まで急落。しかし前日安値(137.28)と200日移動平均線(137.13)手前で下げ渋ると、NY終盤にかけて138円付近まで反発。目先、200日線近辺にサポートされ、138円80銭超へと抜け出すと10月高値から1月安値の半値戻し(139.58)近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは+2.24円、1.65%の続伸。3ヵ月ぶりの大幅高。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/19終値とチャート

2023年5月20日(土)時点の相場
国内金9,528 円 5/19(金) ▼69(0.72%)
国内プラチナ5,048 円 5/19(金) ▼73(1.43%)
NY金1,981.6 ドル 5/19(金) ▲21.8(1.11%)
NYプラチナ1,075.7 ドル 5/19(金) ▲17.5(1.65%)
ドル円137.97 円 5/19(金) ▼0.73(0.53%)

5/19(金)のその他主要マーケット指標

最高値付近での保ち合い形成、下げ渋る国内金価格 5/22(月)

ドルインデックスとNY金の半値戻し 5/20(土)

フィラデルフィア連銀製造業景況指数は急反発でドル一段高 5/19(金)

米住宅市場は回復基調、着工件数も過去平均レベルで下げ渋り 5/18(木)

世界のプラチナ需給-2023年第1四半期 5/17(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ