金プラチナ短期相場観

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団子天井の国内金、攻防ラインは追加利上げと20日線

更新日:2023年6月10日(土)

2023年騰落率推移 NY金×ドル円×国内金 6月9日5月10日に過去最高値9679円をつけた国内金価格は5月以降、9600円を挟んでの保ち合いが続いて団子天井を形成。チャート形状からは反落警戒感も高まる状況にもなってきました。
年初を100とした指数で表すと、1月はインフレ鈍化の思惑からNY金の堅調推移に押し上げられ、2月にはインフレ高止まりが意識されてドル高円安へ、サポート役がドル円に切り替わって国内金価格は再上昇。3月には賃金鈍化に米地銀破綻騒動などのリスク回避も加わり、ドル円急落分をNY金の急上昇が補って国内金をサポート。
4月にかけても早期利上げ打ち止め観測などからNY金にサポートされる状態が継続も、月末にかけては植田新総裁体制での日銀緩和継続による円安も加わってドル円も下支え。

5月には追加利上げ観測台頭などからNY金の軟調推移をドル円の堅調推移が相殺して国内金を下支え。
5月末以降は追加利上げを巡る思惑の交錯などからNY金は1960ドル前後、年初100の指数では106ポイント前後で下げ渋り。20日移動平均線(1980ドル近辺)がレジスタンスラインに。
ドル円は139円近辺、年初100の指数では106ポイント付近で上げ渋り。20日移動平均線(139円付近)がサポートラインに。
年初100の指数112ポイント付近で膠着状態が続く国内金価格も20日移動平均線(9600円近辺)との攻防状態に。

次週、米CPIでのインフレ動向とFOMCでの追加利上げ見通しと、20日移動平均線との攻防の行方によって、NY金とドル円の106ポイント近辺での攻防決着へと向かうかもしれません。
そして、そのバランスが崩れて112ポイント近辺で膠着状態の国内金の団子天井が崩れるかどうか。その方向性も含めて重要局面を迎えます。

NY金・日足チャート 2023/5/5 - 6/99日のNY金は-1.4ドル、0.07%の小反落。1970ドル台後半を中心に小幅保ち合い推移に終始。NY朝にはカナダの5月雇用統計が低調となったことを受けて米10年債利回りが小幅に急落、ドル安にも振れたことを受けて1980ドル台後半へと10ドル弱の急騰。当然一時的にとどまって揺り戻し、となった場面では1970ドル付近まで小幅にオーバーラン。水曜日の隣国カナダ中銀の予想外の利上げへの過剰反応再現となった後、NY午後には元の水準へと落ち着きを取り戻し、NY引け後には1970ドル台半ばへとわずかに軟調推移。保ち合い上限1980ドル台ではしっかり上値を押さえられ、右肩下がりの20日移動平均線(1978.0)上抜けトライにも失敗。下限1950ドル台までの保ち合いレンジを維持して次週イベント待ち、上方ブレイクなら2030ドル近辺、下方ブレイクなら1900ドル近辺までを目指す流れにも。
週間ベースでは+7.6ドル、0.39%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2023/5/5 - 6/9NYプラチナは-1.1ドル、0.11%の小幅安で3日続落。6月2日(1003.5)以来、1週間ぶり安値圏で上下動。1010ドル台半ばからアジア時間には1020ドル台へと行って来い、ロンドン・NY朝にかけては1010ドル割れへ。NY金が乱高下となった場面では一時1000ドル付近まで急落も、大台割れを回避するとNY午後には1010ドル台を回復。十字線に近い足型を形成して下げ渋りも軟調局面も抜け出し切れない状態。次週、大台割れなら970ドル近辺までの一段安。20日線(1040.2)と1040ドルの節目超へと切り返すことができれば軟調局面脱出、短期上値目標1060ドル近辺へ。
週間ベースでは+9.3ドル、0.93%高で3週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2023/5/8 - 6/9ドル円は45銭のドル高円安、0.32%の反発。前日NY市場で139円を割り込んだ流れを受け、東京朝には一時138円70銭台まで下落。しかしこれが安値となって切り返すと東京市場スタートとともに139円台を回復、日経平均の堅調推移にも連れて午後には139円20銭台へ、東京市場終了後には日銀の次週6月会合での大規模緩和維持観測報道を受けて139円70銭台まで上昇。しかしこの水準が上限となって上げ渋る状態が続くとNY朝にかけて失速、カナダの雇用統計悪化を受けて小幅に急落した場面では一時139円近辺まで下落して切り返し、NY午後には139円30銭台に収束。前日の139円台半ばの節目割れに伴う下値トライへの流れは巻き戻され、138円90銭が目先の下値サポートに。あらためてこれを割り込むようだと138円前後までの下値トライにも。上方向には140円20銭が当面の上限、イベント通過後にこれを上抜けるようだと一段高トライへ、10月高値から1月安値の61.8%戻し(142.49)近辺までを目指す流れにも。
週間ベースでは-60銭、0.43%の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/9終値とチャート

2023年6月10日(土)時点の相場
国内金9,602 円 6/9(金) ▲27(0.28%)
国内プラチナ4,908 円 6/9(金) ▼80(1.60%)
NY金1,977.2 ドル 6/9(金) ▼1.4(0.07%)
NYプラチナ1,012.8 ドル 6/9(金) ▼1.1(0.11%)
ドル円139.37 円 6/9(金) ▲0.45(0.32%)

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