金プラチナ短期相場観

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上げ渋っていた失業保険申請件数も急増、雇用軟化でドル高一服

更新日:2023年6月9日(金)

新規失業保険申請件数+4週移動平均 2023年6月3日までの週米労働省が発表した6月3日までの週の新規失業保険申請件数は26.1万件。市場予想の23.5万件を大きく上回り、前の週からは+2.8万件の急増。2021年10月30日までの週(26.4)以来、1年7ヵ月ぶりの高水準に。
前週比+2.8万人は2021年7月17日までの週(+2.9)以来、1年10ヵ月ぶりの急増。コロナショックで急増後の急減となり、失業保険申請件数が80万件を下回って比較的落ち着き始めた2021年2月以降の2年4ヵ月では2番めの大幅増。

トレンドを示す4週移動平均では23.725万件となり、5週ぶりの高水準。
コロナ前の21万件を下回って19.05万件となった2022年9月に底打ちし、今年3月末には24.2万件まで増加。しかしその後は上げ渋る状態が続き、強過ぎる雇用指標の一つとして注視される状況に。
ここに来てようやく増加基調再開の兆しにもなり、雇用軟化の可能性を示してドル高一服状態に。

NY金・日足チャート 2023/5/4 - 6/88日のNY金は+20.2ドル、1.03%の反発。前日NY引け後につけた安値1950ドル台半ばで下げ渋ってスタートしたこの日の時間外は1960ドル近辺へと小反発、小康状態のままNY市場へ。週間新規失業保険申請件数が予想外に急増したことで米10年債利回り急低下とともにドル安の流れも急進、これを受けて1980ドル近辺まで急騰。高値では1980ドル台半ばまで上昇し、NY引けにかけては1980ドル近辺で落ち着く状態に。FOMC前に予想外の急落となった前日の下げを取り戻し、2日がかりで下へ行って来い。90日移動平均線(1951.1)手前で折り返し、下値目安1920ドル近辺を目指した流れは早々に巻き戻し。あらためて1950ドル台から1980ドル台までの保ち合いレンジで仕切り直しとなって次週イベント待ちへ。上抜けなら反発局面形成へ、2030ドル付近までが短期上値目標、下抜けなら1900ドル付近までが短期下値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/5/4 - 6/8NYプラチナは-10.7ドル、1.04%の続落で6月2日(1003.5)以来、1週間ぶりの安値。アジア時間には1020ドル台半ばから1030ドル台へと自律反発も限定的に、戻り売りとなってロンドン市場では1020ドル近辺へと反落。NY午前の揉み合いを経てNY午後には1010ドル台半ばへと一段安。ほぼ水平状態の90日移動平均線(1015.8)にサポートされるかどうか、中期的な軟調局面入り回避をかけた攻防状態にも。これを維持できないようだと1000ドルの大台が意識され、大台割れなら一段安へ、970ドル近辺までが短期下値目安に。

ドル円・日足チャート 2023/5/5 - 6/8ドル円は126銭のドル安円高、0.9%安となって3日ぶりの反落。6月1日(138.81)以来、1週間ぶりの安値水準に。想定外のタイミングで140円の節目を上抜けて一段高への可能性も高まった前日の流れは巻き戻し。東京朝の時点で140円台を維持し切れず、午後には139円60銭台まで軟調推移、139円台後半での揉み合いで下げ渋る展開も欧州時間まで。NY朝には失業保険申請件数の急増を受けて軟調局面加速へ、139円割れへと水準を切り下げるとNY午後には139円ラインがほぼレジスタンスとなって138円80銭近辺までのレンジで保ち合い推移。フライングでの上値トライ失敗後に139円台半ばのサポートを割り込んだことで今度は下値トライへの可能性、短期下値目安は1月安値(127.21)から5月高値(140.93)の23.6%戻し(137.69)近辺まで。ただし次週重要イベント通過までは20日移動平均線(138.82)にもサポートされ、140円20銭までのレンジで保ち合いの様相にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/8終値とチャート

9日の国内金価格は+27円、0.28%の反発。高値膠着が崩れて9日移動平均線(9614)と21日移動平均線(9599)をまとめて下抜け、急反落局面スタートかに見えた前日の流れは早々の巻き戻しとなって21日線を上抜け。あらためて9570円から9640円までの保ち合いレンジで仕切り直し。再度下限割れなら4月末安値(9341)から5月高値の半値戻し(9510)程度までが短期下値目安に、上限突破となれば流れは逆転、最高値更新再トライとなって短期上値目標は最高値から5月安値の161.8%戻し(9772)近辺まで。
週間ベースでは-50円、0.52%安で3週ぶりの反落。6週ぶりの下げ幅で今年5番めの大幅安。

プラチナ価格は-80円、1.6%の続落で6月2日(4872)以来、1週間ぶりの安値。いったんは下げ止まっていた9日移動平均線(4954)を下抜け、このライン自体も下降再開で軟調局面のレジスタンス化への警戒感も。早期上抜けできなければ4850円の節目も意識され、これも下抜けるようだと一段安の展開となって4800円の大台割れへ、4770円近辺までが短期下値目安にも。
週間ベースでは+36円、0.74%高で4週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格6/9とチャート

2023年6月9日(金)時点の相場
国内金9,602 円 6/9(金) ▲27(0.28%)
国内プラチナ4,908 円 6/9(金) ▼80(1.60%)
NY金1,978.6 ドル 6/8(木) ▲20.2(1.03%)
NYプラチナ1,013.9 ドル 6/8(木) ▼10.7(1.04%)
ドル円138.92 円 6/8(木) ▼1.26(0.90%)

6/8(木)のその他主要マーケット指標

団子天井の国内金、攻防ラインは追加利上げと20日線 6/10(土)

上げ渋っていた失業保険申請件数も急増、雇用軟化でドル高一服 6/9(金)

米貿易赤字は半年ぶり高水準、前月比では8年ぶりの急拡大 6/8(木)

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