金プラチナ短期相場観

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リセッション入り後のドイツ製造業受注と雇用

更新日:2023年6月7日(水)

ドイツ・製造業受注 2023年4月世界銀行が発表した世界経済見通しでは2023年通年での成長率見通しは2.1%となって前回1月からは上方修正。米国や中国はもちろん、ユーロ圏も前回の横ばい推移予想からは+0.4%の小幅上昇へと上方改定。世界の主要国では大幅利上げが続いたにも拘わらず、経済の底堅さが示されたようです。
そんななか、ドイツでは連邦統計庁発表の四半期成長率が2022年第4四半期には前期比-0.54%、2023年第1四半期も-0.34%。2四半期連続の前期比マイナスとなってテクニカル・リセッション。
総合PMIではサービス業主導で第1四半期半ばから節目50を回復し、第2四半期となる4-5月は節目50超の推移が続いて回復の兆しに。

しかし4月の貿易収支では、黒字幅が3年2ヵ月ぶりの高水準へと拡大も、輸入額は1年3ヵ月ぶり低水準となり、前年比-10.3%は2年9ヵ月ぶりの急減。輸出は前月比+1.2%、前年比+1.5%も2年2ヵ月ぶりの低水準へと失速。
4月の製造業受注指数は94.8で続落、2年10ヵ月ぶり低水準。前年比では-9.97%となり、14ヵ月連続の前年割れ。国内が92.9で2年8ヵ月ぶり低水準の3月(91.4)から反発も、前年比では-8.83%で14ヵ月連続前年割れ。国外は96.3で続落、2年10ヵ月ぶり低水準。前年比-10.67%で14ヵ月連続前年割れ。
また、IFOが発表した5月の雇用指数は節目(2015年平均)となる100を割り込んで98.3。3ヵ月平均では昨年9月までの100ポイント台から10月以降は100割れ、12月時点の99.0から3月には99.8、5月時点では99.4へと低下。
第2四半期もドイツ経済はまだ、厳しい状況が続きそうです。

NY金・日足チャート 2023/5/2 - 6/66日のNY金は+7.2ドル、0.36%の続伸。1970ドル台後半を中心に小幅揉み合いに終始。NY朝には1980ドル台前半の高値から1970ドル近辺の安値へと下落もNY午後には1980ドル再トライ。材料不足もあり、この日の変動値幅は12.6ドルにとどまり、今年の平均28.7ドルの4割強、今年2番めの小動き。次週の米5月CPIとFOMCに向けては静かな展開も予想され、目先は右肩下がりの20日移動平均線(1987.3)が攻防ポイントにも。これを上抜けると2000ドルの節目が次週に向けての攻防ライン、突破すると2030ドル台が短期上値目標に。下方向へは1960ドル台が比較的重要な節目に、これを下抜けると90日移動平均線(1950.4)にサポートされない限り調整局面拡大へ、1920ドル近辺までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2023/5/2 - 6/6NYプラチナは+2.3ドル、0.22%の小幅続伸。1010ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1030ドル台到達後の一服状態にもなったこの日は1030ドル台を中心に小幅保ち合い推移。ロンドン市場では1020ドル台半ばの安値をつけ、NY朝には1040ドル台半ばまで反発する場面も。NY市場でも1030ドル近辺まで下げてNY引けにかけては1040ドル近辺へ。変動値幅は17.7ドルで今年の平均29.4ドルの6割、今年7番めの小動き。90日移動平均線(1015.7)を下値サポート候補に、地合い回復に向けては4月高値(1148.9)から6月安値(997.4)の38.2%戻し(1055.3)、20日移動平均線(1054.7)近辺が重要な攻防ポイントにも。

ドル円・日足チャート 2023/5/3 - 6/6ドル円は10銭のドル高円安、0.07%の小反発。東京時間は139円50銭近辺を中心に小幅揉み合い推移、欧州序盤には139円10銭近辺まで下げて下げ渋り、NY市場では140円近辺まで上昇も、大台ラインに上値を押さえられれる格好となって失速、NY終盤にかけては139円60銭台へ。十字線に近い足型となったこの日の変動値幅は90銭、6営業日ぶりに1円に満たず、今年の平均1.46円の6割程の小動きに。9日移動平均線(139.80)から140円ラインまでが目先の抵抗帯となり、次週に向けてはやや上値の重い展開にも。下方向へは138円80銭の節目から右肩上がりの20日移動平均線(138.32)がサポートを形成、これを下抜けると137円半ばまでの下値余地拡大も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/6終値とチャート

7日の国内金価格は+21円、0.22%の続伸。6月2日(9652)以来の高値となり、5月16日(9638)と並び過去3番めタイの高値水準。微妙に下値を切り上げながら、勢いには欠ける失速状態も続く高値膠着状態となって一段高か、急反落か、急変動への警戒感も高まる状況に。9650円台の節目上抜けなら最高値更新へ、短期上値目標は5月高値(9679)から5月安値(9528)の150%戻し(9755)程度まで。逆に9600円のサポート割れなら下値目標は4月末安値(9341)から5月高値の61.8%戻し(9470)近辺まで。

プラチナ価格は+47円、0.94%高となって4日続伸。5月24日(5084)以来、2週間ぶりの高値。21日移動平均線(5033)を突破して5040円の節目もわずかに上抜け。高値保ち合い回帰とともに一段高へと向かう確率も高まる状況に。ややフライング気味ながら短期上値目標は5100円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格6/7とチャート

2023年6月7日(水)時点の相場
国内金9,638 円 6/7(水) ▲21(0.22%)
国内プラチナ5,041 円 6/7(水) ▲47(0.94%)
NY金1,981.5 ドル 6/6(火) ▲7.2(0.36%)
NYプラチナ1,038.7 ドル 6/6(火) ▲2.3(0.22%)
ドル円139.67 円 6/6(火) ▲0.10(0.07%)

6/6(火)のその他主要マーケット指標

米貿易赤字は半年ぶり高水準、前月比では8年ぶりの急拡大 6/8(木)

リセッション入り後のドイツ製造業受注と雇用 6/7(水)

ISM非製造業景況指数も製造業を追随、5月は今年最低に 6/6(火)

利上げ停止から先送り、NY金急落も円安で国内金は高止まり 6/5(月)

雇用者数大幅増も失業率悪化、賃金鈍化で利上げ見送り支持へ 6/3(土)


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