金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

市場予想は7月利上げ後に年内据え置き、年明けには利下げへ

更新日:2023年6月29日(木)

CMEフェドウォッチ 2023-24年 FF金利見通し 2023/6/28ポルトガルの景勝地シントラで開催されたECBフォーラムでは、最終日の28日には日米欧英の中銀トップが討論会で意見交換。
ラガルドECB総裁は前日の基調講演に続いて「7月も利上げ継続」を示唆も従来のスタンスを維持。ベイリーBOE総裁は「インフレ持続」を警戒する一方、植田日銀総裁は「インフレは目標を下回っている」状況であることに加えて「円相場に注視」するとの発言も。
パウエルFRB議長は「連続利上げの可能性」も選択肢から除外しないとのタカ派姿勢。

この後、CMEフェドウォッチでは7月の0.25%追加利上げを80%まで織り込み、ほぼ確実視される状況に。ターミナルレート5.375%(5.25-5.50%)到達後は12月まで据え置き予想が市場のメインシナリオ。
従来の年後半の利下げスタート予想は大きく後退し、FRBの利下げ先送り見通しにかなり寄せてきた格好。
2024年の市場予想としては、合計1.50%の利下げで年末には3.625%へ。
年内の利下げスタート予想こそあきらめたものの、2024年1月、もしくは3月には利下げスタート予想がメインシナリオ。

6月FOMC参加メンバの予想中央値は、2023年末が5.625%。現時点の市場予想を0.25%上回る状態。
2024年末予想中央値は4.625%となっていました。現時点の市場予想を0.75%上回る状態。
パウエルFRB議長がタカ派発言を繰り返しても、市場予想との乖離はなかなか埋まりません。

NY金・日足チャート 2023/5/23 - 6/2828日のNY金は-1.6ドル、0.08%の小幅続落で3月14日(1910.9)以来、3ヵ月半ぶりの安値。アジア時間には1920ドル台半ばが高値となって小幅保ち合い、ロンドン市場にかけて1920ドルの節目と前日安値を下回ると一段安、NY朝にはECBフォーラムでのパウエルFRB議長のタカ派発言などが伝わり、ドル高に連れて一時1910ドル付近まで下落。NY午後には米10年債利回り低下とドル高一服に伴い1920ドル台へと反発、ただしNY引け後には1910ドル台後半へと失速。下ヒゲ十字線を形成して保ち合い下限1920ドルを維持して底打ち反発?を期待するような形も、実質的には下限割れをかけた攻防状態が継続。1920ドルを維持できなくなればあらためて下値トライ、1900ドルの大台近辺までが下値目安。1930ドル台の保ち合い上限を突破できれば1960ドル近辺までを目標に反発局面形成へも。

NYプラチナ・日足チャート 2023/5/23 - 6/28NYプラチナは-3.6ドル、0.39%の小幅続落。アジア時間の高値930ドル台前半から軟調推移、ロンドン市場にかけては920ドル台半ばを中心に保ち合いとなって下げ渋りも、NY朝に920ドルの節目を割り込むと一時910ドル割れへと一段安。しかしその後はNY金の反発局面に追随する格好にもなり、NY午後には920ドル台へ。下ヒゲを残して920ドルの下値サポートを維持した格好となり、3日連続RSI=10%付近の過熱感にも支えられての底打ちとなれば、4月高値(1148.9)から6月安値(908.5)の23.6%戻し(965.2)近辺までが目先の反発目安にも。920ドル割れなら下値再トライで900ドルの大台近辺までが一段安の目安。

ドル円・日足チャート 2023/5/25 - 6/28ドル円は42銭のドル高円安、0.29%の続伸で11月9日(146.39)以来、7ヵ月半ぶり高値圏での一段高。東京朝に144円近辺から143円70銭台まで下押し、これが安値となって徐々に下値を切り上げる展開に。欧州時間序盤には前日高値を上抜けて144円20銭台まで上昇後、143円80銭台までの下押しを挟んでNY朝には144円30銭台へ。ECBフォーラムでのパウエルFRB議長発言などを受けてドル高優勢の展開となり、144円50銭台へと一段高。高値では一時144円60銭台まで上昇も、上値を押さえられる状態も続いてNY午後には米10年債利回り低下にも連れて144円10銭台まで反落。それでもNY終盤にかけては144円半ばへとゆるやかに反発、堅調ぶりを維持した格好。短期的な流れでは上値トライ一服待ちも、6月安値(138.38)から高値(144.61)の23.%戻し(143.14)近辺が目先の調整目安にも。PCEインフレ高止まりなどで一段高となれば10月高値(151.94)から1月安値(127.21)の76.4%戻し(146.1)トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/28終値とチャート

29日の国内金価格は-2円、0.02%の小幅安で3日続落。6月23日(9631)以来1週間ぶり安値圏でのジリ安、というよりは下げ渋る展開に。ドル高円安の流れ一服となりやすい状況にもなり、NY金も下げ一服、もしくは多少の下げ余地という状況で週末のPCEが転換点のトリガとなる可能性も。コアPCE鈍化がクローズアップされると反発方向へ、高止まりならドル高円安をNY金の一段安が相殺して軟調気味の展開にも。目先、9700円超へと反発できれば9770円台辺りを目安に最高値更新へ、9630円の節目割れなら9570円前後までを目安に6月安値更新トライへ。

プラチナ価格は-46円、0.99%の続落で4月6日(4542)以来、2ヵ月半ぶりの安値。RSIは4日連続20ポイント割れとなって底打ちの可能性は維持しながらも反発できず、中期的な重要水準4630円台近辺も維持し切れず、6月安値を更新して短期的な節目4610円を割り込んだことから、もう一段の下値トライへ、4570円程度までが短期下値目安に。短中期的には2月安値(4289)から5月高値(5197)の61.8%戻し(4636)を大きく割り込んだことから、76.4%戻し(4503)付近までが意識される可能性も。想定外に4660円超へと切り返す展開となれば4700円台回復トライへも。
金との価格差は5077円、3日ぶりに過去最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格6/29とチャート

2023年6月29日(木)時点の相場
国内金9,675 円 6/29(木) ▼2(0.02%)
国内プラチナ4,598 円 6/29(木) ▼46(0.99%)
NY金1,922.2 ドル 6/28(水) ▼1.6(0.08%)
NYプラチナ924.9 ドル 6/28(水) ▼3.6(0.39%)
ドル円144.51 円 6/28(水) ▲0.42(0.29%)

6/28(水)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏6月景況感指数も低調、12ヵ月連続で節目100割れ 6/30(金)

市場予想は7月利上げ後に年内据え置き、年明けには利下げへ 6/29(木)

予想以上に強い米指標、消費者信頼感指数は6月に急上昇 6/28(水)

ドイツIFO景況感は見通し悪化で全業種低調、7ヵ月ぶり低水準 6/27(火)

リスク回避で円安牽制に逆行、国内金価格の最高値再トライ 6/26(月)


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