金プラチナ短期相場観
予想以上に強い米指標、消費者信頼感指数は6月に急上昇
更新日:2023年6月28日(水)
この日発表された米経済指標は軒並み好結果。特に6月の消費者信頼感指数と5月の新築住宅販売件数は市場予想を大幅に上回って急騰、急増。同時刻に発表されたリッチモンド連銀製造業指数もマイナス圏推移が続きながらも予想以上に回復。
6月の消費者信頼感指数は109.7となり、市場予想の104.0を大幅に上回り、5月の102.5からは+7.2ポイントの急騰。前月比では10ヵ月ぶりの急上昇となり、水準としては1年5ヵ月ぶりの高水準。昨年後半からの緩やかな回復基調が続く状況となり、米GDPを支える消費センチメントの底堅さがリセッション回避への思惑も下支え。
5月新築住宅販売件数は前月比+12.2%となって76.3万戸。市場予想の67.5万戸を上回り、前月からの減少予想に反して大幅増。水準としては昨年2月(77.3)以来、1年3ヵ月ぶりの高水準。
前年比では+19.97%となり、2021年4月(+42.36%)以来、コロナ後の急増局面以来2年1ヵ月ぶりの大幅増。
底堅さを示す米指標結果は追加利上げ観測をサポート。押し上げられる格好となったドル円は円安牽制との板挟み状態に。
27日のNY金は-10.0ドル、0.52%安で3日ぶりの反落。6月22日(1923.7)以来の安値となり、反発に失敗して6月安値圏での小幅保ち合いを形成。アジア時間には1930ドル付近から1940ドル手前まで上昇も前日高値に届かず、1940ドルにも抵抗感。ロンドン市場での保ち合いを経てNY朝には1940ドル再トライ、しかしワンタッチ後には5月新築住宅販売件数や6月の消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数など一連の米経済指標が予想を上回る結果となったことを受けて急反落。NY午後には一時1920ドル割れ、23日につけた6月安値(1919.5)更新をギリギリ回避する格好となって下げ渋り。目先、1920ドルの下値サポートを維持できなくなれば1900ドルの大台近辺までの一段安も。上値切り下げの形となった上限、1930ドル台の節目を突破することができれば1960ドル近辺までを目安に反発トライへ。
NYプラチナは-0.1ドル、0.01%の小反落。アジア時間には920ドル台後半から930ドル台後半へと上昇も、940ドルには届かず、前日高値にもわずかに及ばず。NY市場では930ドル割れへと軟調推移、NY金の急反落局面にも追随する格好となって安値では一時920ドル割れ。2月27日(903.9)以来、4ヵ月ぶり安値をつけて切り返すとNY午後には930ドル回復トライへ。6月安値圏での横ばい推移も小さな十字線を形成し、RSIが10ヵ月ぶり低水準となる11.7まで低下した売られ過ぎ状態からの反発の可能性も示唆。4月高値(1148.9)から6月安値の23.6%戻し(973.6)近辺が地合い回復への目安に。想定外の一段安で920ドル割れの場合には今年安値更新トライとなって900ドルの大台近辺へ。
ドル円は57銭のドル高円安、0.4%の反発で11月9日(146.39)以来、7ヵ月半ぶりの高値。東京朝には143円50銭台から143円20銭台まで下押し後に反発、東京市場終了時には143円60銭台まで上昇。円安牽制による下押しも限定的となり、欧州時間には143円90銭台まで上昇。NY朝には米10年債利回り低下にも連れて143円30銭台まで下押しも、消費者信頼感指数や新築住宅販売件数などの想定外の好結果を受けて米10年債利回り急反発に連れ、144円台へと急騰。RSIは80%超え目前となり、きっかけさえあればそれなりの調整も。小幅調整でも6月安値(138.38)から高値(144.17)の23.%戻し(142.80)近辺までが目安に、少し勢いづけば38.2%戻し(141.96)近辺も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/27終値とチャート
28日の国内金価格は-7円、0.07%の小幅続落。最高値(9762)から23日(9631)までの急落値幅の半値戻し(9697)を達成し、反落後に38.2%戻し(9681)へと押し戻された格好となり、右肩上がりの9日移動平均線(9678)もわずかながら再び下抜け。9700円ラインへの抵抗感も増し、21日移動平均線(9638)近辺をサポートに保ち合い形成の様相に。上抜けできれば9770円台を短期目標に最高値更新トライへ、9630円割れへと保ち合い崩れなら9570円前後までを目安に6月安値更新トライへ。
プラチナ価格は-7円、0.15%安で3日ぶりの反落。RSIは3日連続20ポイント割れとなって底打ちの可能性を示唆しながらも、上値の重い状態が継続。中期的には、2月安値(4289)から5月高値(5197)の61.8%戻し(4636)は過去に何度もレジスタンスとなった重要水準で今回はサポート水準として作用する可能性も。目先、この水準を維持できれば徐々に反転の可能性も、5月高値から6月安値の23.6%戻し(4753)、90日移動平均線(4759)近辺が反発基調への重要水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/28とチャート
- 2023年6月28日(水)時点の相場
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国内金 : 9,677 円 6/28(水) ▼7(0.07%) 国内プラチナ : 4,644 円 6/28(水) ▼7(0.15%) NY金 : 1,923.8 ドル 6/27(火) ▼10.0(0.52%) NYプラチナ : 928.5 ドル 6/27(火) ▼0.1(0.01%) ドル円 : 144.09 円 6/27(火) ▲0.57(0.40%)
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