金プラチナ短期相場観
インフレ鈍化継続を好感、ミシガン大消費者信頼感も急騰
更新日:2023年7月15日(土)
ミシガン大学消費者信頼感指数の7月速報値は想定以上の好結果。
72.6となって市場予想の65.5を大幅に上回り、6月の64.4からは8.2ポイントの急騰。続伸で2021年9月(72.8)以来、1年10ヵ月ぶりの高水準。
現況指数は77.5。これも6月から+8.5の急騰で続伸、2021年10月(77.7)以来、1年9ヵ月ぶりの高水準。
期待指数は69.4。前月比+7.9の急騰で続伸、2021年7月(79.0)以来、2年ぶりの高水準。
消費者信頼感指数の水準としては、過去最低となった2022年6月(50)からは22.6ポイント上昇し、コロナ直前のピーク2020年2月(101.0)からは-28.4ポイント。コロナ後の下げ幅の44%を回復した状態。なお、1999年以降の長期平均83.83からは-11.23ポイント。
前月からの上昇幅としては2006年10月(+8.2)以来、16年9ヵ月ぶりの急騰。
継続的なインフレ鈍化と労働市場の安定が、現況、期待を含めた急騰に寄与した模様。
1年先のインフレ期待は3.4%。6月の3.3%から0.1ポイント上昇。なお6月は5月の4.2%から急低下し、2年3ヵ月ぶり低水準。過去最高となった2022年4月(5.4)からも大幅低下。その急低下後の水準で7月もほぼ変わらない状況。
5年先のインフレ期待は3.1%。6月の3.0%からは0.1上昇。過去24ヵ月のうち23ヵ月で、2.9%-3.1%の小幅レンジ推移が継続中。
CPIなどのインフレ指標が一段と鈍化した今週の結果を受け、月末の確報値ではインフレ期待が鈍化する可能性もあり、消費者信頼感指数は一段と上方改定されるかもしれません。
先行して、11月の2回めの追加利上げ予想も50%超へと急騰、急速に織り込み始めています。
14日のNY金は+0.6ドル、0.03%の小幅高で4日続伸。6月16日(1971.2)以来、1ヵ月ぶり高値水準となる1960ドル台を3日連続維持。アジア時間につけた高値は1960ドル台後半、前日高値をわずかに下回り、2日前の高値を若干上回り、上昇軌道を維持する90日移動平均線(1972.1)には3日連続届かず。NY市場では7月のミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に好結果となったことを受けて1950ドル台半ばまで急落。しかしドル高の勢いが限定的となったこともあり、程なく1960ドル台半ばへと反発、ただしNY引け後にはわずかに1960ドル割れ。この日の変動値幅は13.1ドルにとどまり、今年の平均27.4ドルの半分以下、今年2番めの小動きとなった前日の11.9ドルに続き、今年5番めの小動き。1930ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、5月高値(2085.4)から6月安値(1900.6)の38.2%戻し(1971.2)付近にほぼ到達しながらも、90日移動平均線に上値を押さえられ続けて失速状態に。多少の調整を挟んで反発局面継続か、どうかは仕切り直しの様相にも。
週間ベースでは+31.9ドル、1.65%の続伸。4月以来、3ヵ月ぶりの大幅高。
NYプラチナは+0.9ドル、0.09%の小幅高で3日続伸。6月16日(987.3)以来、1ヵ月ぶり高値水準での一服状態。アジア時間の980ドル付近からロンドン序盤には970ドル付近まで下落も下げ渋って持ち直し、NY市場では980ドル台を回復。この日の変動値幅は14.8ドルにとどまり、今年の平均28.3ドルのほぼ半分、今年3番めの小動き。4月高値(1148.9)から6月安値(894.2)の38.2%戻し(991.5)付近での足踏み状態となり、多少の調整を挟んでこの水準をしっかり超えると200日移動平均線(997.4)から1000ドルの大台ライン近辺が次の攻防水準にも。その先には90日移動平均線(1021.1)と半値戻し(1021.6)。
週間ベースでは+65.8ドル、7.16%の大幅続伸。4月以来、3ヵ月ぶりの大幅高で今年3番めの急騰。4週ぶりに52週移動平均線(975.6)も上抜け。
ドル円は73銭のドル高円安、0.53%高となって7日ぶりの反発。138円ちょうど付近からスタートした東京朝には、日銀7月会合でYCC修正の可能性が報じられて円高の流れが急速に進行、5月17日(136.29)以来、2ヵ月ぶり安値となる137円20銭台まで下落して反発。3月安値(129.64)から6月高値(145.07)の半値戻し(137.36)を達成し、90日移動平均線(137.11)と200日移動平均線(137.10)にサポートされる格好にもなり、欧州時間にかけて138円台を回復するとNY市場では138円台後半へ。ミシガン大消費者信頼感指数の上ブレを受けて小幅に急騰すると139円10銭台まで上昇。ただし139円台では上値も重く、138円40銭近辺までの急反落を挟んで138円80銭台へと再反発。6月高値から7月安値(137.24)の23.6%戻し(139.09)を達成したことで反発一服となりやすい反面、これをしっかり超えると38.2%戻し(140.23)が意識される可能性も。138円ラインが目先の下値サポートとなり、これを維持できなくなれば136円近辺までを目安に一段安の展開にも。
週間ベースでは-3.31円、2.33%の大幅続落。下げ幅としては1月以来、半年ぶりで今年2番めの急落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/14終値とチャート
- 2023年7月15日(土)時点の相場
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国内金 : 9,499 円 7/14(金) ▼5(0.05%) 国内プラチナ : 4,651 円 7/14(金) ▲86(1.88%) NY金 : 1,964.4 ドル 7/14(金) ▲0.6(0.03%) NYプラチナ : 984.3 ドル 7/14(金) ▲0.9(0.09%) ドル円 : 138.79 円 7/14(金) ▲0.73(0.53%)
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