金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

インフレ鈍化で利上げ打ち止め観測強まるか

更新日:2023年8月10日(木)

CMEフェドウォッチ 2023-24年 FF金利見通し 2023/8/9注目度が高まる米7月CPI発表直前、市場が予想する年末のFF金利見通しは5.375%(5.25-5.50%)。つまり、現状維持が市場コンセンサスとなりつつある状況。12月FOMCでも現状維持予想が6割を超え、追加利上げ予想は3割弱。
2024年には3月の利下げ開始予想が過半数となり、現状維持以上は4割強。中央値で見れば2024年前半に0.50%、後半には0.75%、合計1.25%の利下げで2024年末のFF金利は4.125%(4.00-4.25%)がメインシナリオ。

6月FOMCメンバーの予想中央値では2023年末が5.625%に対して、市場予想は-0.25%。FRBがもう1回の追加利上げ予想に対して市場は打ち止め予想。
2024年末のFRB予想では4.625%に対し、市場予想は-0.50%。ハイペース利下げを織り込む状況に。
足下では、今回のCPI高止まり予想が大勢となるなかで、FF金利見通しも微妙に上方シフト傾向となる状況。

市場の利上げ打ち止め観測が崩れ始めるか、あるいは利上げ打ち止め観測が強まり、9月FOMCに向けてFOMCメンバ予想が市場予想に近づいていくきっかけとなるか。
ドル高円安基調継続でNY金の軟調局面継続か、あるいは短期トレンド転換点となるか、いずれにしても重要な節目を迎えます。

NY金・日足チャート 2023/7/6 - 8/99日のNY金は-9.3ドル、0.47%安で3日続落。7月27日(1945.7)以来、2週間ぶりの安値。アジア時間には1960ドル割れから1960ドル台半ばまで反発して戻り売り。1960ドル台の節目割れに伴う下値トライへの流れからの脱却に失敗する形となり、ロンドン・NY市場にかけて1960ドルを割れると一段安、安値では1947ドル付近まで下落。米7月CPIへの警戒感も高まる状況のなか、インフレ高止まりへの織り込みが先行する格好となって軟調推移。短期下値目安1940ドル近辺まで、もう少しの下げ余地も残すものの、想定内の結果なら事実確認での自律反発へ、という展開にも。ただし上ブレの場合には一段安となってオーバーランへ、1920ドル程度までが意識される可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/6 - 8/9NYプラチナは-11.5ドル、1.27%安となって3日続落。昨年10月19日(881.1)以来、10ヵ月ぶり安値圏での一段安。アジア時間の反発局面は910ドルで上値を押さえられ続けて失速、ロンドン市場で900ドルの大台割れへと急落。NY市場では大台ラインが上限となって下値を切り下げると890ドル付近へ。920ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドル付近到達後の自律反発も限定的となり、戻り売り圧力に屈して一段安。それでも890ドル手前では下げ渋る状態にもなりつつあり、CPI後にNY金が反発へと切り返すことができれば追随する展開にも。ただし900ドルを回復できない状態が続くようなら、中期的には800ドル付近を目指す流れとなる可能性も。

ドル円・日足チャート 2023/7/6 - 8/9ドル円は35銭のドル高円安、0.24%高で3日続伸。7月6日(144.06)以来1ヵ月ぶり高値圏での一段高。CPI待ちの警戒感から、東京朝には143円台前半での保ち合いも、143円40銭の節目で上値を押さえられ、午後には軟調推移も東京市場終了後には143円ラインで切り返し。欧州時間にも143円40銭の節目でいったん跳ね返されながらも、これを上抜けたことでNY市場では一段高、NY午後には143円70銭台まで上昇。CPIの高止まりを織り込む形で上値トライへの流れがフライングで進行。短期上値目標144円台前半まで、もう少しの上昇余地。想定以上の高止まりとなれば、今年高値圏145円台を試しに行く可能性も。逆に下振れなら巻き戻しの展開へ、142円台半ば辺りまでの調整も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/9終値とチャート

10日の国内金価格は-11円、0.11%の続落。CPIの高止まりを織り込むように、ゆるやかなドル買い・金売りが先行する形となり、概ね横ばい推移が続くなかでも軟調な流れに。月末月初の乱高下後は、乱高下直前の小幅保ち合い水準に回帰する格好にもなり、9690円から9720円までの小幅レンジで保ち合いを形成。下方ブレイクとなればそれなりの下落局面形成へ、90日移動平均線(9581)割れを試す展開となって9570円近辺までが短期下値目安。上方ブレイクなら最高値更新トライへ、9850円近辺が上値目標に。
週間ベースでは-16円、0.16%の小反落。

プラチナ価格は-33円、0.73%安で3日続落。3月30日(4444)以来、4ヵ月半ぶり安値圏での一段安。ほぼ水平状態を維持してきた90日移動平均線(4805)と21日移動平均線(4627)が下落に転じて弱気のパーフェクトオーダーを構成。下押し圧力を強めながら、4550円の節目割れに伴う短期下値目安4450円程度に急接近。連休明けには下押し圧力を消化し切って下値トライ一服、となれば地合い回復に向けては7月安値圏4500円台回復が待たれる状況に。
金との価格差は5234円となって2日連続で過去最大を更新。
週間ベースでは-89円、1.96%の反落。
※参考:金プラチナ国内価格8/10とチャート

2023年8月10日(木)時点の相場
国内金9,695 円 8/10(木) ▼11(0.11%)
国内プラチナ4,461 円 8/10(木) ▼33(0.73%)
NY金1,950.6 ドル 8/9(水) ▼9.3(0.47%)
NYプラチナ892.7 ドル 8/9(水) ▼11.5(1.27%)
ドル円143.72 円 8/9(水) ▲0.35(0.24%)

8/9(水)のその他主要マーケット指標

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