金プラチナ短期相場観

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7月CPIは予想下振れも13ヵ月ぶりに加速、コアCPIは高止まり

更新日:2023年8月11日(金)

CPI×コアCPI×メディアンCPI×16%トリム平均CPI×スティッキーCPI 2023年7月注目度が高まった米7月CPI。総合CPIが市場予想を下回ったことで指標発表直後にはドル売り・金買いが急速に進行。しかし、13ヵ月ぶりに鈍化傾向がストップしたこと、コアCPIは依然として4%台後半での高止まり、などの状況から一方的な流れは続かず。気がつけば米長期金利上昇でドル高円安進行、NY金は反発に失敗。

7月の消費者物価指数、CPI総合指数は前年比+3.18%。市場予想の+3.3%を下回ったものの、12ヵ月続落で2年3ヵ月ぶり低水準となっていた6月(2.97)からは0.21%上昇。13ヵ月ぶりにインフレ再加速を示す結果に。
コアCPIは前年比+4.65%。小数点1桁で見れば市場予想の+4.7%に一致、4ヵ月続落で2021年10月(4.56)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。

セクタ別では、食品が前年比+4.9%。11ヵ月続落で1年10ヵ月ぶり低水準も、依然高インフレ。エネルギーは前年比-12.5%。6月の-16.7%からは上昇も5ヵ月連続前年割れ。インフレ鈍化を牽引。食品とエネルギーを除くモノの価格は+0.8%。続落で2年11ヵ月ぶり低水準。これもインフレ鈍化に貢献。エネルギー関連を除くサービス価格は+6.1%。5ヵ月続落で11ヵ月ぶり低水準。まだまだ高水準。
主な項目別で高インフレが続く、賃貸住宅は前年比+8.0%。3ヵ月続落で8ヵ月ぶり低水準。帰属家賃は+7.7%。3ヵ月続落で7ヵ月ぶりの低水準。

また、クリーブランド連銀発表のメディアンCPIは前年比+6.09%。過去最高の2月(7.20)からは5ヵ月続落となり、1年2ヵ月ぶり低水準。
16%トリム平均CPIは前年比+4.79%。過去最高の9月(7.31)からは10ヵ月続落で1年8ヵ月ぶり低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+5.56%。5ヵ月続落で1年2ヵ月ぶり低水準。
いずれも順調?にインフレ鈍化は進行中。しかし依然として、高インフレ。

NY金・日足チャート 2023/7/7 - 8/1010日のNY金は-1.7ドル、0.09%安で4日続落。7月27日(1945.7)以来、2週間ぶり安値圏から反発し切れず。前日NY引け後の安値1940ドル台後半から徐々に反発へ、1950ドルを挟んでの揉み合いからロンドン・NY朝にかけて1950ドル台半ばへ。インフレ鈍化への期待感を示す値動きから、米7月CPIの結果を受けて1960ドル台へと急騰。しかしこの流れは続かず巻き戻し、その後は米10年債利回り上昇とドル高の流れが強まって1950ドル割れへと急反落、前日安値も下回って1940ドル台前半へ。時間外では一時1942ドル付近まで下げる場面もあり、1960ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1940ドル近辺にもしっかり到達、重要イベント通過で想定内の下げをこなした状態となって一服感も。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/7 - 8/10NYプラチナは+22.1ドル、2.48%高で4日ぶりの反発。890ドル台前半での小幅保ち合い推移が前日NY午後以降、この日のアジア時間まで続いたなかでも前日安値を下回らず、890ドル手前で下げ渋って切り返し。ロンドン序盤には900ドルの大台回復トライ、NY朝の米CPI発表後には小幅乱高下を経て反発基調再開、NY午後には910ドル台を回復すると高値では910ドル台後半まで上昇。920ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドル付近到達後のオーバーランも、中長期的に重要なサポート水準900ドル前後では踏みとどまる格好となって反発の兆しに。890ドルから930ドルまでが目先の主要レンジとなり、上抜けできれば20日移動平均線(950.6)上抜けトライへ。あらためて下限を割り込むようだと中期下落トレンド再開へ、短期的には870ドル程度までが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2023/7/7 - 8/10ドル円は104銭のドル高円安、0.72%高で4日続伸。6月29日(144.80)以来、1ヵ月半ぶりの高値。CPI待ちの警戒感もあるなかで、東京朝から日経平均の上昇にも連れてリスク選好の流れとなり、143円60銭台から8月高値143円80銭台まで上昇して一服も、午後にこれを上抜けると144円10銭台まで上昇。143円40銭の節目上抜け後の短期上値目標144円台前半に到達して一服状態となった欧州時間には143円80銭近辺まで戻して小康状態に。NY朝のCPI結果を受けて初期反応は143円20銭台まで急落後に切り返し、乱高下のち上昇となった流れは米長期金利上昇にも連れてドル高円安の流れが加速、NY午後には144円半ばを上抜けて144円80銭台まで上昇。インフレ高止まりは想定以上とはいかないまでも、利上げ打ち止め観測がさらに強まるほどでもなく、リスク選好の堅調推移がもう少し続けば今年高値圏145円台トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/10終値とチャート

2023年8月11日(金)時点の相場
国内金9,695 円 8/10(木) ▼11(0.11%)
国内プラチナ4,461 円 8/10(木) ▼33(0.73%)
NY金1,948.9 ドル 8/10(木) ▼1.7(0.09%)
NYプラチナ914.8 ドル 8/10(木) ▲22.1(2.48%)
ドル円144.76 円 8/10(木) ▲1.04(0.72%)

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