金プラチナ短期相場観

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慎重姿勢と追加利上げ示唆、利上げ打ち止め観測是正へ

更新日:2023年8月26日(土)

パウエルFRB議長は、市場の思惑が利上げ打ち止めに傾斜し過ぎていたことに不満があった様子も。
ジャクソンホール会合の講演では、従来どおりデータ次第の慎重姿勢を示し、インフレ鈍化の現状を冷静に評価しつつも、依然高すぎるインフレ抑制に向けての強い意志を強調。追加利上げの準備があることや、持続的なインフレ鈍化が確認できるまで景気抑制的な高金利維持を正当化。
トータル的には若干タカ派寄りに傾斜とも受け止められることで、年末にかけての追加利上げ観測再燃へと誘導することに成功。
市場反応もやや乱高下状態を挟んでドル高優勢の流れへ、ただし利上げフェース最終局面にあることを再確認することにもなって株価は上昇、NY金も急落後には反発へ。

そんななか、好調な米経済が追加利上げの可能性をサポートする反面、中国やドイツ経済の低調ぶりが足を引っ張りかねない状況も続きます。
ドイツIFO景況感指数・業種別 2023年8月ドイツの8月IFO景況感指数では、現況指数が3年ぶりの低水準に落ち込み、全業種で悪化傾向が継続。
景況感指数は85.7となり、市場予想を下回って4ヵ月続落で10ヵ月ぶり低水準。現況指数は89.0。5ヵ月続落で3年ぶり低水準、前月比-2.4は11ヵ月ぶり急低下。期待指数は82.6。4ヵ月続落で9ヵ月ぶりの低水準。

業種別では、製造業が-16.6。4ヵ月続落で4ヵ月連続マイナス圏推移となって3年2ヵ月ぶりの低水準。現況は一段と悪化、新規受注の減少で期待も悲観的。
サービス業は-4.2。前月比-5.2と11ヵ月ぶりの急低下で8ヵ月ぶりのマイナス圏入り、5ヵ月続落で9ヵ月ぶりの低水準。製造業の悪化がサービス業の運輸・物流にも波及。
貿易は-25.6。5ヵ月続落で9ヵ月ぶり低水準、18ヵ月連続マイナス圏。現状も見通しも悪化。
建設業は-29.3。前月比-4.7は11ヵ月ぶりの急低下、4ヵ月続落で2009年2月以来、14年半ぶり低水準、18ヵ月連続マイナス圏。現況が著しく低下し、見通しも悲観的。
卸売は-28.4。5ヵ月続落で18ヵ月連続マイナス圏、3年3ヵ月ぶりの低水準。

今週発表された製造業PMIの8月速報値では、節目を大きく割り込んでの低迷が続くものの7ヵ月ぶりに反発し、底打ちの可能性を示したのに対し、IFO景況感では悲観的な状況が続き、底打ちの兆しはまだ、見えないようです。

NY金・日足チャート 2023/7/24 - 8/2525日のNY金は-7.2ドル、0.37%の続落。1940ドル台での保ち合い推移から、NY市場の時間帯にはジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を受けて乱高下。1940ドル付近から1950ドルへと急騰後には1930ドル近辺まで急反落。慎重姿勢のなかでも追加利上げが意識されてドル高の勢いが強まったものの、一方的な流れは続かずNY午後には1940ドル台を回復。結果的に3日連続1950ドル近辺で上値を押さえられ、20日移動平均線(1950.4)にも蓋をされる形に。月末月初を迎える次週、1950ドルに切り下げた抵抗線を突破できれば短期トレンド好転と一定の反発局面形成へと向かう可能性も、その場合には1970ドル台までが短期上値目標に。
週間ベースでは+23.4ドル、1.22%高で4週ぶりの反発。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/24 - 8/25NYプラチナは+5.2ドル、0.55%高となって4日続伸。7月31日(958.6)以来4週間ぶり高値圏での一段高。アジア時間の940ドル割れからロンドン・NY市場にかけて950ドル台半ばまで上昇。パウエル講演を受けての乱高下局面では956ドル付近の高値をつけた直後に930ドル台半ばの安値へと急反落、その後の巻き戻し局面では950ドル台へと再浮上。結果的に920ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標940ドル前後に到達後の一服感よりも、底打ち反発後の勢いが勝った格好にもなって上げ止まらず。水準的には7月高値(1003.7)から8月安値(882.6)の61.8%戻し(957.4)をほぼ達成した状態にもなり、落ち着きやすいところ。
週間では+33.2ドル、3.63%の続伸。

ドル円・日足チャート 2023/7/24 - 8/25ドル円は61銭のドル高円安、0.42%の続伸で昨年11月7日(146.65)以来、9ヵ月半ぶりの高値。146円を挟んでの小幅保ち合い推移から、NY市場ではパウエル発言を受けての乱高下を経て一段高への兆しに。発言内容が伝わるといったんは売り優勢となって145円70銭付近の安値をつけ、切り返しての反発局面では146円60銭台まで上昇してこの日の高値。NY午後には146円20銭近辺で下げ渋り、NY引けにかけては146円40銭台へ。結果的に146円40銭の節目をわずかながら上抜けて高値保ち合い上放れの兆し、次週インフレ指標の高止まりや雇用関連指標の好結果などがきっかけとなれば一段高へと向かいやすくなり、8月17日高値(146.55)から23日安値(144.55)までの161.8%戻し(147.79)近辺、147円台後半までが短期上値目標に。
週間ベースでは+1.08円、0.74%高で4週続伸。4週続伸は2月以来、半年ぶりで今年2度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/25終値とチャート

2023年8月26日(土)時点の相場
国内金9,833 円 8/25(金) ▲73(0.75%)
国内プラチナ4,768 円 8/25(金) ▲61(1.30%)
NY金1,939.9 ドル 8/25(金) ▼7.2(0.37%)
NYプラチナ948.2 ドル 8/25(金) ▲5.2(0.55%)
ドル円146.45 円 8/25(金) ▲0.61(0.42%)

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