金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米消費者信頼感も求人件数も予想外に低調、ドル高は巻き戻し

更新日:2023年8月30日(水)

米・求人件数 2023年7月注目度が急速に高まる米求人件数が低調となったのと同時に、8月消費者信頼感指数も予想外の下振れ。この日、それまで期待先行で米長期金利上昇とドル高基調となっていた流れは巻き戻しへ、調整の動きとなっていたNY金は急騰。

8月の消費者信頼感指数は106.1。市場予想の116.0を下回り、1年7ヵ月ぶり高水準となっていた7月(114.0)からも急低下。反発基調が急失速した格好に。
7月の求人件数は882.7万件。市場予想の945.0万件を大幅に下回り、6月(916.5)からも3.69%減となり、3ヵ月続落で2021年3月(839.9)以来、2年4ヵ月ぶりの低水準。
前年比では-22.43%となり、12ヵ月連続の前年割れ。2020年5月(-23.66%)以来、3年2ヵ月ぶりの大幅減、コロナ後最大の落ち込み。
依然として2019年までの水準からは、大幅上方乖離。

また、失業者1人あたりの求人件数、求人倍率は1.511件。3ヵ月連続の低下となり、2021年9月以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。ただし過去平均0.677件、2019年平均1.193件をまだ大きく上回る水準。
なお、求人率は5.3%で2年5ヵ月ぶり低水準、採用率は3.7%となって3年3ヵ月ぶり低水準。離職率も2.3%で2年半ぶり低水準に。
FRBが利上げ効果として期待する、労働市場逼迫状態の緩和が急速に進行し始める格好にもなり、一時急速に高まっていた11月以降の追加利上げ観測も後退。

NY金・日足チャート 2023/7/26 - 8/2929日のNY金は+18.3ドル、0.94%の続伸で8月7日(1970.0)以来、3週間ぶりの高値。アジア時間には1950ドル台へと小幅上昇後に軟調推移、米長期金利上昇とドル高の流れに連れてNY朝には1940ドル台前半まで下押し。前日安値付近で下げ渋ると米7月の求人件数と8月消費者信頼感指数がいずれも市場予想を大幅に下回ったことで巻き戻しの流れが急加速。米10年債利回りが4.2%割れへと急低下、ドル安も急進となってNY金は1960ドル台へと急騰。日足レベルでは20日移動平均線(1946.6)と1950ドルの節目を上抜けての急騰となり、目前の90日移動平均線(1967.8)も1ヵ月ぶりに上抜けて短期上値目標1970ドル台まで、若干の上昇余地も。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/26 - 8/29NYプラチナは+13.9ドル、1.43%高で6日続伸。7月18日(994.4)以来、6週間ぶりの高値。6日続伸は今年最長、昨年9月上旬以来ほぼ1年ぶり。時間外は970ドル台での小幅保ち合い推移、安値でも970ドル台を維持するとロンドン時間から徐々に上値トライ再開、NY市場では990ドルまで上昇し、NY引けにかけても980ドル台後半を維持して小康状態に。90日移動平均線(989.1)に上値を押さえられた格好にもなり、RSIは82.6まで急騰し、2020年12月以来2年8ヵ月ぶりの高水準。1000ドルの大台ラインと200日移動平均線(1000.4)、7月高値(1003.7)も視野に、売り圧力も強まりやすいところ。

ドル円・日足チャート 2023/7/26 - 8/29ドル円は65銭のドル安円高、0.44%安となって4日ぶりの反落。146円台半ばでの小動きで東京時間を通過すると、欧州時間には米10年債利回りが4.2%台へと上昇した流れに連れ、ドル高の流れとなって147円トライ。NY朝には147円30銭台まで上昇して小康状態に。しかし米求人件数と消費者信頼感指数が予想外の低調となったことを受けて急反落。147円を割れるとNY午後には146円割れ、安値では145円60銭台まで水準を切り下げて下げ渋り。146円40銭の節目上抜けに伴う短期上値目標147円台後半には少し届かず、折り返し。目先は146円60銭が抵抗水準となり、これをしっかり上抜けることができれば上値トライ再開へ、148円台後半までが次の上値目標に。下値サポートは144円80銭、これを割り込むようだと143円近辺までを目安に調整局面入りへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/29終値とチャート

30日の国内金価格は+50円、0.51%高となって5日続伸。4日連続、今年23回めの過去最高値更新。ドル円の反落局面ではNY金の反発にサポートされる好循環、サイクル的にはサポート役交替の兆しにも。RSIは72.4へとじわり上昇も極端な買われ過ぎでもなく、しかし今年春以降の上昇チャネル上限ラインを上抜ける形となり、短期には巻き戻しも予想されやすい状況に。しかし週明けに向けては指標結果に一喜一憂で上下に振られる展開も。

プラチナ価格は+30円、0.61%高となって9日続伸。6月8日(4988)以来2ヵ月半ぶり高値圏で上げ止まらず。9日続伸は今年最長で2017年8月以来、6年ぶり。RSIは83.1となって4月以来、4ヵ月ぶりの過熱状態で一目均衡表の遅行線は雲の上限にぶつかる状態となり、絶好の反落タイミングにも。
※参考:金プラチナ国内価格8/30とチャート

2023年8月30日(水)時点の相場
国内金9,936 円 8/30(水) ▲50(0.51%)
国内プラチナ4,946 円 8/30(水) ▲30(0.61%)
NY金1,965.1 ドル 8/29(火) ▲18.3(0.94%)
NYプラチナ986.1 ドル 8/29(火) ▲13.9(1.43%)
ドル円145.87 円 8/29(火) ▼0.65(0.44%)

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