金プラチナ短期相場観
逆三角保合い上抜け、高騰続く予測不能な国内金価格
更新日:2023年10月23日(月)
米10年債利回りが16年ぶり高水準となる5%との攻防状態となり、ドル円は32年ぶり高値となった昨年10月高値151円台再トライへの流れが日銀介入リスクによって節目の150円付近で膠着状態に。
そう遠くない時期には米FRBの利上げ打ち止めが規定路線となり、その先には利下げフェーズ開始時期見通しが市場のテーマとなることが想定されることから、金利と為替の膠着状態がもう少し続くようならピークアウトも意識され、徐々に流れ反転リスクへの警戒感も。そんな状況にしびれを切らすように、(地政学リスクもありながら)急騰局面を形成し始めたNY金。
高金利、ドル高、金高のレアケース状態の長期化は難しく、いずれは崩れる展開が予想されます。場合によっては巻き戻しの流れが同時進行するような事態もあり得ることも意識しておくべきかもしれません。
そんな状況下で、今後発生すると思われるリスクを無視して高騰を続ける国内金価格。5月以降は下値サポートラインを9500円近辺の水平状態で固定し、レジスタンスラインを9700円から1万円超へと切り上げる逆三角保合いを形成。乱高下が続いて保合いレンジを拡大していく不安定相場が続く状態にとどまらず、5ヵ月も続いたこの状態をここに来て、さらに上抜ける暴挙。
予測不能な状態にもある程度の限度があり、その限度を突き抜けてしまったような格好にも。
23日の国内金価格は-11円、0.11%安で4日ぶりの反落。週末を1990ドル台前半で終えていたNY金は週明け時間外をやや不安定な展開でスタート、1970ドル付近まで急落後に1980ドル台後半へと反発し、1980ドル台前半で落ち着こうかという状態。ドル円が149円80銭台での膠着状態が続くことから小幅に水準を切り下げた国内金価格。それでもわずかな調整にとどまり、RSIは週末の73.9から78.4へと高騰。このままの価格水準では80台から90ポイント台へと急騰が見込まれ、急反落警戒感も一段と高まることにも。当面の下値サポートは9日移動平均線(10094)も上昇してきた10090円。これを維持できなくなれば大台割れへ、9970円程度までが短期下値目安に。10400円超へと最高値更新なら短期的には10450円程度までが一段高の目安に。
一目均衡表では三役好転を維持しての一段高。基準線(9956)と重なっていた転換線(10062)が一段高となって当面のサポート候補にも。9月高値(10063)から10月安値(9512)の161.8%戻し(10403)をほぼ達成した状態から、さらに一段高へと向かうようなら、176.4%戻し(10484)、200%戻し(10614)などが意識される可能性も。
プラチナ価格は+32円、0.69%の続伸。週末に900ドルの大台を上抜けたNYプラチナは週明け時間外に大台割れへと失速。900ドルの攻防が続くNYプラチナに対して国内プラチナ価格は4700円手前での攻防。21-90日移動平均線(4642-4667)との攻防状態も続き、これを再び上抜け。流れとして10月6日(4484)の底打ち後、ゆるやかに上昇する9日移動平均線(4633)にもサポートされて下値を切り上げる反発局面を維持。目先、4700円の節目を突破できれば4750円程度までが短期上値目標に。一方で4630円台に切り上げた下値サポートを維持できないようだと反発局面腰折れトライへ、4570円程度までが短期下値目安に。
一目均衡表では基準線(4650)と転換線(4624)を上抜け、遅行線も26日前の価格(4671)をわずかに上抜けて二役好転。雲の下限(4713)から上限(4736)が目先の抵抗帯に。8月末高値を起点に上値を切り下げてきたレジスタンスラインを上抜けており、三角保合い上抜けの勢いで雲の抵抗帯を突破できるかどうかが目先のポイントにも。
※参考:金プラチナ国内価格10/23とチャート
- 2023年10月23日(月)時点の相場
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国内金 : 10,389 円 10/23(月) ▼11(0.11%) 国内プラチナ : 4,678 円 10/23(月) ▲32(0.69%) NY金 : 1,994.4 ドル 10/20(金) ▲13.9(0.70%) NYプラチナ : 905.1 ドル 10/20(金) ▲6.9(0.77%) ドル円 : 149.85 円 10/20(金) ▲0.05(0.03%)
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