金プラチナ短期相場観

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日銀現状維持に為替は大荒れ、植田日銀総裁会見にも右往左往

更新日:2023年12月20日(水)

ドル円×実質金利 2023年12月19日「マイナス金利解除見送り」・・・あたかも今回の会合で、マイナス金利解除が規定路線と見られていたにもかかわらず、想定外の「見送り」となったかのようなトーンの報道が続出。
これが急速な円高巻き戻しの原動力となったようで、19日のドル円ドル高円安の流れが急速に進行、142円20銭台の安値から一時145円付近まで急反発。
東京市場朝の時間帯には142円台後半から20銭台へと急低下、その後の波乱の展開を予感させるような不安定な展開から、日銀の現状維持発表を受けて142円半ばから143円70銭台へと急騰。植田日銀総裁会見では、冒頭の「2%へ上昇する確度高まる」発言を受けて一時142円20銭台へと急落する場面もあったものの、「2%到達が確実視される状況には至っていない」こと、「もう少し情報を確認したい」などの慎重姿勢から会見後には堅調推移へ。欧州時間序盤に144円台を回復するとNY朝にかけては145円付近まで上昇。

12月7日の植田日銀総裁の「チャレンジング」発言をきっかけに147円台(高値:147.30)から急速に円高の流れがスタートし、14日安値での一時141円割れ(安値:140.98)までの下落幅(6.32円)に対しては、61.8%戻し(144.89)を達成した格好。
やや過剰反応となって行き過ぎていた流れは一定程度巻き戻されたものの、マイナス金利解除にYCC撤廃など、異例の政策を終えて従来の伝統的な金融政策に戻ることは既に規定路線とも言え、現時点でも春の賃上げ動向確認後に4月会合で正常化の可能性は極めて高そうで、もはや時間の問題。
きっかけさえあれば3-4円程度は平気で急変する最近のドル円相場は、日銀の金融政策正常化とFRBの利下げが時期が重なる危険性もある来春に向け、今回以上の急変動にも要警戒、と言えそうです。
今回のドル円反発局面すら、やや行き過ぎの可能性もあるかもしれません。

NY金・日足チャート 2023/11/14 - 12/1919日のNY金は+11.6ドル、0.57%の続伸。NY終値ベースで最高値となった12月1日(2089.7)以来、半月ぶりの高値。アジア時間には円安ドル高の煽りで2030ドル台半ばの安値をつけて切り返し、ロンドン・NY朝にかけて2040ドル台を回復するとドル安の流れを受けて2050ドル台へと急騰。NY午後には高値で一時2060ドル超え、リッチモンド連銀バーキン総裁の「インフレ鈍化が続けばFRBは利下げに踏み切る」発言なども追い風となった様子でNY引け後の2050ドル台を維持。2050ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2080ドル近辺まで上値余地拡大へ。20日移動平均線(2030.4)も上昇してきた2030ドルが当面の下値サポート、割り込んでしまうと下値トライへ、12月安値圏1990ドル付近までが短期下値目安。

NYプラチナ・日足チャート 2023/11/14 - 12/19NYプラチナは+11.5ドル、1.21%の続伸。アジア時間には960ドルで上値を押さえられ、ロンドン市場での950ドル割れへと軟調推移、NY市場では金の急騰局面に追随する形となって960ドル台へと反発。200日移動平均線(962.7)を上抜けながらも970ドルの節目付近で失速、この水準での上値の重さを確認するとNY引け後には200日線との攻防へ。970ドルの抵抗線を突破できれば上値トライへ、短期上値目標は9月高値圏990ドル付近まで。950ドルへと切り上げた下値サポートを維持できないようだと920ドル付近まで、下値切り下げも。

ドル円・日足チャート 2023/11/15 - 12/19ドル円は103銭のドル高円安、0.72%高で3日続伸。12月12日(145.48)以来、1週間ぶりの高値。円安急進からの巻き戻しとなったNY時間には、FRBの2024年早期利下げ観測なども背景にドル安の流れが強まり、144円台後半から前半へ、NY午後には144円を割れて143円50銭台まで下落。それでもNY終盤には144円付近まで反発。目先、143円台を中心に一服状態となって週末のPCE待ちへ。下方向へは200日移動平均線(142.63)がサポート候補となり、上方向には145円ラインが抵抗水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/19終値とチャート

20日の国内金価格は+167円、1.64%の大幅続伸で12月7日(10502)以来、2週間ぶりの高値。日銀の現状維持に伴う円高の巻き戻し急進と、FRBの早期利下げ観測への思惑からのドル安に伴うNY金の堅調推移にもサポートされて急騰。90日移動平均線(10122)にサポートされた状態から10210円の節目を上抜け、これに伴う短期上値目標10270円程度に到達してさらに一段高。イベント通過で若干の売られ過ぎからの巻き戻しも進行して一服感も。12月最高値(10819)から12月安値(10115)の23.6%戻し(10281)から38.2%戻し(10384)辺りまでが目先の主要レンジにも。

プラチナ価格は+74円、1.57%の続伸で12月1日(4791)以来、半月ぶりの高値。21日移動平均線(4728)もしっかり上抜け、上下動を繰り返しながら水準を切り上げる展開も継続。4750円の節目も上抜けたことで短期的には一段高トライへ、上値目標は4820円台辺りまで。ただし中期的には上値を切り下げてきた抵抗線付近にも位置し、今回も上値を押さえられる可能性とともに、逆にこれを抜け出すと中期保ち合い上抜けとなって一段高へと向かう可能性も。短中期上値目標として、まずは11月高値圏、4920円台辺りまでを試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/20とチャート

2023年12月20日(水)時点の相場
国内金10,326 円 12/20(水) ▲167(1.64%)
国内プラチナ4,776 円 12/20(水) ▲74(1.57%)
NY金2,052.1 ドル 12/19(火) ▲11.6(0.57%)
NYプラチナ965.8 ドル 12/19(火) ▲11.5(1.21%)
ドル円143.84 円 12/19(火) ▲1.03(0.72%)

12/19(火)のその他主要マーケット指標

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ドイツIFO景況感の回復続かず、製造業は3年半ぶり低水準 12/19(火)

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