金プラチナ短期相場観
ユーロ圏12月製造業PMI回復も限定的、独仏逆転は1年3ヵ月ぶり
更新日:2024年1月3日(水)
日米欧の金融政策転換や米大統領選、その他主要国、関係国・地域や国内政局の行方も気になる重要イベント目白押しの2024年。特に国内では、波乱の一年を予感させるような幕開けに。
重要イベントの行方を左右しかねない各国の景気動向を占う最初の指標、12月製造業PMIでは、それぞれの不安な滑り出しを暗示するような結果にも。
中国では、大手国営企業の動向を示唆する国家統計局発表の製造業PMIは49.0。3ヵ月続落で3ヵ月連続の節目50割れと低調な結果に対し、中小企業中心の民間動向を示唆する財新の製造業PMIは50.8。続伸で2ヵ月連続50台、4ヵ月ぶり高水準と堅調。強弱混在で意外と落ち込まない?2024年にも。
米国の製造業PMIは47.9。予想外に低調となって前月から-1.5ポイントの急低下、2ヵ月連続の節目50割れで4ヵ月ぶり低水準。早期利下げを肯定する結果に。
ユーロ圏では7ヵ月ぶり高水準へと続伸も44.4と依然、低水準。水準的には米国優位の状況は変わらず、ドル高ユーロ安傾向となりやすい状況もまだ続く可能性も。
ユーロ圏調査対象8カ国のなかでは相変わらず、ギリシャだけが唯一50超を維持。回復基調も停滞となるなか、微妙な変化も。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2023年12月>
1:ギリシャ:51.3=前月比+0.4、3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準。11ヵ月連続節目50超。3月以降10ヵ月連続1位。
2:アイルランド:48.9=-1.1の反落で2ヵ月ぶり低水準。2ヵ月ぶり50割れ。7月から3-2-2-2-2-2位。
3:スペイン:46.2=-0.1の反落で2ヵ月ぶり低水準。9ヵ月連続50割れ。2-3-3-3-3-3位。
4:イタリア:45.3=+0.9の反発で3ヵ月ぶり高水準。9ヵ月連続50割れ。6-6-4-4-5-4位。
5:オランダ:44.6=-0.3の反落で2ヵ月ぶり低水準。16ヵ月連続50割れ。4-5-6-5-4-5位。
6:ドイツ:43.3=3年2ヵ月ぶり低水準の7月から5ヵ月続伸、前月から+0.7で7ヵ月ぶり高水準。3ヵ月連続40超、18ヵ月連続50割れ。7-8-8-8-7-6位。
7:フランス:42.1=-0.8の反落で3年7ヵ月ぶり低水準。11ヵ月連続50割れ。5-4-5-6-6-7位。
8:オーストリア:42.0=-0.2の反落で2ヵ月ぶり低水準。3ヵ月連続40超、17ヵ月連続50割れ。8-7-7-7-8-8位。
ドイツがフランスをかわして6位に浮上。独仏逆転は2022年9月以来、1年3ヵ月ぶり。ユーロ圏1位の経済大国、ドイツの回復基調継続でユーロ圏を押し上げの兆しも、変わってユーロ圏2位のフランスの落ち込みが足を引っ張る状況に。
2日のNY金は年末から+1.6ドル、0.08%の小幅高で3日ぶりの反発。年明け時間外は2070ドル台前半からスタートし、2080ドル台へと上昇、ロンドン序盤につけた高値は2090ドル手前まで。米10年債利回り上昇とドル高の流れとなったNY午前にかけては2070ドル台前半へと逆戻り。一時12月22日(2058.2)以来、10日ぶり安値となる2060ドル台半ばまで下げて切り返すも、NY引け後には再び2070ドル割れ。2040ドルから2100ドルまでの広めのレンジ半ばでの保ち合い傾向となるなか、上ヒゲ長めの十字線となってやや失速気味。週末の雇用統計通過後にレンジを上抜けるようなことがあれば2120ドル程度までの上値余地拡大も、下方ブレイクの場合には2020ドル程度までの下値切り下げも。
NYプラチナは-10.9ドル、1.08%の続落で12月26日(982.4)以来、1週間ぶりの安値。1000ドル台半ばからスタートした新年の時間外は早々に大台割れを試して切り返し、ロンドン序盤には一時1010ドル台半ばまで上昇。金に連れて失速したNY朝には990ドル台前半まで急反落、高値と安値をつけた後には大台を回復も、落ち着き切れずNY引けにかけては再び大台割れへ。1020ドル台が当面の上限となって調整局面継続、次のサポート候補としては11月安値(843.1)から12月高値(1031.0)の23.6%戻し(986.7)。ここでサポートされない場合には200日移動平均線(963.7)から38.2%戻し(959.2)近辺。
ドル円は97銭のドル高円安、0.69%高で4日ぶりの反発。12月26日(142.37)以来、1週間ぶりの高値水準へ。年末29日の安値圏140円80銭近辺から年明けをスタート、東京時間午前は堅調推移となって141円60銭台まで反発。午後から欧州時間にかけては141円半ばでの保ち合い、NY朝にかけてはドル高の流れで142円20銭台まで上昇。失速後には米12月製造業PMIが速報から下方改定されたこともあり、141円半ばまで反落。ただしNY午後には下げ渋って142円回復再トライへ。地震の影響で円安進行との見方もあるものの、年末に短期下値目安140円台半ばに到達し、下値トライ一服状態となっていたことも影響。目先は141円から142円半ばまでが主要レンジとなり、雇用統計などの結果次第で142円台後半へと抜け出すようなら反発局面形成へ、144円台回復が短期目標に。逆に141円割れなら戻り売り、140円近辺再トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/2終値とチャート
- 2024年1月3日(水)時点の相場
-
国内金 : 10,366 円 12/27(水) ▲92(0.90%) 国内プラチナ : 4,861 円 12/27(水) ▲43(0.89%) NY金 : 2,073.4 ドル 1/2(火) ▲1.6(0.08%) NYプラチナ : 998.3 ドル 1/2(火) ▼10.9(1.08%) ドル円 : 141.99 円 1/2(火) ▲0.97(0.69%)
求人件数は3ヵ月連続減で16ヵ月連続前年割れ、順調に減少継続 1/4(木)
ユーロ圏12月製造業PMI回復も限定的、独仏逆転は1年3ヵ月ぶり 1/3(水)
12月後半の反発でNY金は7年連続、プラチナも6年連続上昇 12/30(土)
ドル円もNY金も2024年に向けてボラティリティ拡大中 12/29(金)
米主要地区連銀の製造業、12月雇用は低調に 12/28(木)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン