金プラチナ短期相場観
12月後半の反発でNY金は7年連続、プラチナも6年連続上昇
更新日:2023年12月30日(土)
月初の最高値更新後に急反落となっていた12月のNY金は、月末に向けてV字回復。最高値にこそ届かなかったものの、前月末比マイナス圏からはなんとか脱出。12月としては7年連続で上昇。
前月比では+0.7%となり、2017年12月の+2.8%を大幅に下回って7年間では上昇率最低。それでも直近22年間で12月は14勝8敗、勝率にして63.6%。1月の68.2%に続いて8月、11月と並んで勝率は2位タイ。また、平均騰落率では12月は+1.41%。1月(+2.99%)、8月(+1.72%)、11月(+1.46%)に続いて4番めの好調月。
なお、直近7年連続で上昇となったのは12月のみ。これに続くのは2月と11月の2年連続上昇。近年では圧倒的に上昇特異月となった12月、さらに今年はここまで3ヵ月続伸の好調を維持して2023年を終了。そして2024年、米FRBの早期利下げ観測を追い風に、勝率1位、平均騰落率1位の圧倒的勝負強さを誇る1月相場へ。
懸念材料としてはスタート水準が・・・
29日のNY金は-11.7ドル、0.56%の続落。アジア時間に2070ドル台半ばから2080ドル台半ばまで反発して戻り売り、米10年債利回り上昇とドル高局面に連れて2070ドル台へと水準を切り下げると安値では一時2070ドル割れを試す場面も。12月後半の反発一服後の調整局面で2023年を終了、短期的な主要レンジ2040ドルから2100ドルまでの中央付近、年末としては歴史的高値水準を維持した状態で2024年相場へ。
週間ベースでは+2.7ドル、0.13%高で3週続伸。月間では+14.6ドル、0.71%高で3ヵ月続伸。年間では+245.6ドル、13.4%高となって3年ぶりの反発。
NYプラチナは-14.0ドル、1.37%安となって5日ぶりの反落。やや一方的な流れが続いて6ヵ月半ぶり高値1031ドルまで上昇した前日からの反動安。1020ドル台で下げ渋る状態がこの日の時間外からNY朝まで継続、しかし1020ドルを維持し切れなくなるとNY午後には1010ドル割れへと調整局面が進行。過熱感を若干緩和しながらも大台を維持して2023年を終了。年明けは大台維持の可否が最初のポイントにも、ただ短期的な調整目安として11月安値(843.1)から12月高値(1031.0)の23.6%戻し(986.7)程度までは射程圏内にも。1020ドル台の節目上抜けへと切り返す展開となれば1040ドル台辺りまでの一段高も。
週間ベースでは+27.4ドル、2.79%高で3週続伸、52週移動平均線(970.4)超を維持して一段高。月間では+73.3ドル、7.83%の大幅反発。4ヵ月ぶりに20ヵ月移動平均線(960.6)を上抜け。12月としては6年連続上昇。年間では-73.7ドル、6.8%の反落。
ドル円は39銭のドル安円高、0.28%安で3日続落。7月27日(139.55)以来、5ヵ月ぶりの安値。141円半ばでの揉み合いとなった東京市場通過後、欧州時間序盤には141円90銭台まで上昇。NY朝にも142円回復トライに失敗する形となって141円半ばへと反落。さらに米12月シカゴPMIが46.9、市場予想の50を大幅に下回る低調な結果を受けて一段安、NY午後には安値で140円80銭近辺まで下落。ただしNY終盤には下げ渋って141円を回復。142円の節目割れに伴う短期下値目安140円台半ばまで下げた前日からの反発局面は続かなかったものの、下値トライも一服となって年越し。2024年最初の短期トレンドの方向性は次週、雇用統計までの指標次第。短期的には140円近辺再トライか、142円半ばの節目に向けた反発か。
週間ベースでは-1.41円、0.99%の反落。月間では-7.17円、4.84%の続落。昨年12月(-6.99円、5.06%)以来、1年ぶりの大幅安。年間では+9.91円、7.6%高で3年続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/29終値とチャート
- 2023年12月30日(土)時点の相場
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国内金 : 10,366 円 12/27(水) ▲92(0.90%) 国内プラチナ : 4,861 円 12/27(水) ▲43(0.89%) NY金 : 2,071.8 ドル 12/29(金) ▼11.7(0.56%) NYプラチナ : 1,009.2 ドル 12/29(金) ▼14.0(1.37%) ドル円 : 141.02 円 12/29(金) ▼0.39(0.28%)
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