金プラチナ短期相場観
米週次経済指数も1年ぶり高水準、長期平均を上回る堅調局面に
更新日:2024年1月23日(火)
週次経済指数(WEI:Weekly Economic Index)は、NY連銀とダラス連銀のエコノミストやハーバード大学の経済学教授らによって開発された指標で、消費行動や労働市場、生産などをカバーする10指標をもとに、米国の経済状態を週単位で示す指標で四半期GDP成長率換算で示される指標。
1月13日までの週のWEIは2.14となり、1年2ヵ月ぶり高水準となった前の週(2.34)からは低下。
しかし、トレンドを示す13週移動平均では2.00となり、2022年12月3日までの週(2.11)以来、1年1ヵ月ぶりの高水準。
13週移動平均では昨年7月に1.11まで低下し、2年3ヵ月ぶりの低水準でコロナ後の最低を記録してボトムアウト。11月には2008年以降の長期平均1.77を上回り、それ以降もゆるやかに上昇基調が継続中。
全米企業エコノミスト協会(NABE)がこの日発表した調査によれば、「米経済が向こう1年にリセッションに陥る確率は50%以下」との回答が91%。
昨年10月の前回調査での79%から増加。FRNの利上げが続いた1年前の調査では景気後退が大勢となっていた状態からは形成逆転。
1年前にはWEIの13週移動平均が長期平均を割り込んで低下基調が続き、底打ち反発局面が続いた10月には長期平均目前トなっていた状況にも一致。
アンケート調査の結果や週次経済指数のトレンドを見る限り、「今のところは」早期に利下げが必要となりそうな状況には見えません。
22日のNY金は先週末から-7.1ドル、0.35%安で3日ぶりの反落。上ヒゲを残した週末の上げ幅を帳消し。週明け時間外序盤に2030ドルを挟んだ揉み合いで2030ドル台半ばまで上昇したのがこの日の高値となり、保ち合いながらも軟調傾向に。ロンドン序盤にかけて2020ドル台前半まで下げて切り返し、2030ドル台回復も一時的となり、NY市場ではドル高傾向の流れに押される格好となって軟調推移。一時2020ドル割れの安値をつけながらも下げ渋り、NY引けにかけては2020ドル台前半に収束。早期利下げ観測後退を背景に軟調気味の保ち合い局面は続き、上限を2030ドルに切り下げて2000ドルの下限までが目先の主要レンジに。上抜けできれば反発目標は2070ドル近辺まで、下限を割り込むようだと200日移動平均線(1978.1)近辺、1970ドル台までが短期下値目安に。
NYプラチナは-4.0ドル、0.44%の続落。時間外序盤に910ドルを回復も、高値は910ドル台前半までにとどまって小幅保ち合いに終始。ロンドン・NY朝にかけての軟調局面では一時900ドル割れの安値をつけながらも、ほぼ900ドルの大台を維持して下げ渋る展開に。NY市場での反発局面でも910ドル台前半まで、NY引け後には再び大台ライン付近。この日の変動値幅は13.5ドルにとどまって今年最小、昨年来の平均25.4ドルの半分強。引き続き880ドル台から920ドルまでのレンジでの保ち合い継続、上抜けできれば反発局面形成へ、12月高値(1031.0)から1月安値(883.2)の38.2%戻し(939.7)が上値目標。下抜けなら一段安へ、870ドル前後までが短期下値目安に。
ドル円はわずか2銭のドル安円高、0.01%の小反落。4日連続148円10銭台での横ばい推移。東京朝には148円10銭台から148円割れへと軟調推移。日銀会合への警戒感などから売り買い交錯となり、147円70銭台まで下落も午後には148円を回復。欧州時間には148円30銭台まで上昇して失速、NY朝には米10年債利回り低下にも連れて147円60銭台まで下落。しかしNY午後には米10年債利回りの下げ渋りに合わせて148円台へとゆるやかに反発。週末の上ヒゲ十字線に続いてこの日は下ヒゲ十字線を形成しての横ばい推移となり、ラウンドトップ形成状態でまずは日銀の動向待ち。円高方向へは90日移動平均線(147.53)が浅めのサポート、その下へは12月安値(140.26)から1月高値(148.80)の23.6%戻し(146.78)辺りまでが下値警戒水準に。円安方向へは149円台前半までが短期行き過ぎ目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/22終値とチャート
23日の国内金価格は-22円、0.21%安で3日ぶりの反落。強気のパーフェクトオーダーにサポートされての堅調推移の範囲内での調整。10520円の節目上抜けに伴う短期上値目標10560円台辺りに到達後の一服状態。上昇軌道の9日移動平均線(10482)が目先のサポートとなり、上値再トライのチャンスをうかがう展開にも。10560円の節目を突破できれば10600円台を短期目標に上値トライへ。9日線を維持できず、10470円の節目も割れると調整へ、10400円近辺までが下値目安に。
国内プラチナ価格は-24円、0.52%の続落。4630円の節目上抜けに伴う短期上値目標4680円台到達後の調整局面が継続。4700円の節目が強めの抵抗水準となる前に、早めに上抜けておきたいところ。上抜けできれば4750円付近へ、中期三角保合い内での上半分へと上方シフト。下方向へは4590円の節目を割れると中期三角保合い下抜けトライへ、11月安値(4521)圏までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格1/23とチャート
- 2024年1月23日(火)時点の相場
-
国内金 : 10,536 円 1/23(火) ▼22(0.21%) 国内プラチナ : 4,636 円 1/23(火) ▼24(0.52%) NY金 : 2,022.2 ドル 1/22(月) ▼7.1(0.35%) NYプラチナ : 903.0 ドル 1/22(月) ▼4.0(0.44%) ドル円 : 148.13 円 1/22(月) ▼0.02(0.01%)
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