金プラチナ短期相場観
ドル高は既にピークアウト、それでも円安の流れは継続中?
更新日:2024年1月24日(水)
日銀はマイナス金利解除を先送り、緩和維持を決定したものの植田日銀総裁は物価目標の実現確度の高まりも示唆。春以降の政策変更へも含みをもたせた格好にも。
BIS(国際決済銀行)が発表した実質実効為替レートは、12月の月間平均で米ドルが106.61。日本円は73.56。
ちなみに20年移動平均では米ドルが92.48。20年移動平均乖離率は+15.3%。日本円は20年移動平均が107.26で20年移動平均乖離率は-31.4%。2020年平均を100とした指数では、現在はドル高と大幅円安の構図となっていますが、2010年代以前では現在よりも遥かに大幅な円高と若干のドル安時代が続きました。
米ドルは2022年10月に112.98の高値をつけてピークアウト。2023年10月には110.42の二番天井をつけて失速、もしくは高止まりとなって目先しばらくは下げ渋る可能性も残される状況に。
一方、日本円はドル高ピークアウトの2022年10月に73.7の安値をつけていったんボトムアウト。かと思いきや2023年8月にはこれを更に下回り、11月には71.39へと一段安。これで大底をつけた可能性も残して12月は反発へ。
ただし年明け以降はドル高円安傾向の流れがここまで続いていることから、目先しばらく実質実効為替レートでも米ドルは下げ渋り、日本円は反発も限定的となって過去最安値圏での低迷継続へ、という状況となるかもしれません。
FRBの利上げは2022年3月から2023年7月まででストップし、その後は利下げのタイミング見極めフェーズへ。この間、米ドルが高値をつけた2022年10月は(9月分の)コアCPIが40年ぶり高水準となってピークアウトしたタイミング。
利上げフェーズ終了後の米ドルは、利下げタイミングの見通しを巡る思惑の変動などから再上昇する場面もあったものの、ピークアウトした状態は当面変わらない可能性も。
一方の日本円は、米FRBの利上げフェーズ終了後にも、さらに円安が進行。足下では日銀の政策変更への思惑などからようやく大底をつけるかどうかという状況に。
少なくとも2023年末にかけて日本円が2022年の安値を下回った背景には、米FRBの金融政策転換見通し以外の、別の理由がありそうです。
実質実効為替レートにおける米ドルと日本円の格差は今後、多少の縮小は見込まれそうにも思われるものの、ドル高円安時代はもうしばらく続くことにもなりそうです。
23日のNY金は+3.6ドル、0.18%の小幅反発。時間外序盤に2020ドル付近の安値をつけて反発基調、ロンドン序盤にかけてのドル安基調に連れて2030ドル台へ、高値では2040ドル手前まで上昇して失速。米10年債利回り上昇とドル高の流れとなったロンドン・NY市場にかけては巻き戻しの展開に、それでも2020ドル台半ばでは下げ渋ってNY引け後には2030ドルの節目再トライへ。20日移動平均線(2045.2)にも届かず、上ヒゲを残して2030ドルの節目にも上値を押さえられた格好に。この節目をしっかり突破できれば20日線も上抜けて反発局面継続となって今年高値圏再トライへ、2070ドル近辺までが短期上値目標に。当面の下値サポートは引き続き2000ドルの大台ライン、割れると1970ドル台辺りまでの下値トライへ。
NYプラチナは+2.5ドル、0.28%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外序盤の安値900ドルちょうど付近からの反発局面はロンドン序盤まで続いて910ドル台半ばまで上昇。ロンドン・NY朝には910ドル割れへと反落も上値再トライの場面では910ドル台後半まで上昇。NY午後には900ドル台半ばまで反落後に910ドル近辺へと反発。結果的に水平状態の90日移動平均線(922.7)から920ドルの抵抗水準にも届かず、上ヒゲを残して反発トライに失敗したような格好にも。ただし3日連続900ドルの大台付近で下げ渋り、下値も固めつつあるような状態にも。920ドル超へと抜け出すことができれば反発局面形成へ、12月高値(1031.0)から1月安値(883.2)の38.2%戻し(939.7)近辺を目指す流れへ。900ドルでサポートされない場合には880ドル台がサポート、これを割り込めば870ドル前後までの一段安へ。
ドル円は25銭のドル高円安、0.17%の反発で11月27日(148.66)以来、ほぼ2ヵ月ぶりの高値。日銀の現状維持発表後には148円20銭近辺から50銭台へと小幅に急騰、巻き戻して植田日銀総裁会見を経て一時147円割れへと急落。マイナス金利解除に向けた流れが徐々に進行しているとの思惑も円高圧力に。しかし欧州時間からNY時間にかけては押し目買いも入って徐々に巻き戻し、148円を回復するとNY午後には148円70銭近辺まで上昇。結果的にラウンドトップを形成して反落へ、かと思いきや90日移動平均線(147.54)にもサポートされ、長めの下ヒゲを残して下げ渋り。ただし19日の今年高値(148.80)も超えられず、上げ渋り。引き続き149円台前半までが行き過ぎ目安に、90日線を割れると12月安値(140.26)から1月高値(148.80)の23.6%戻し(146.78)辺りが次のサポート候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/23終値とチャート
24日の国内金価格は+33円、0.31%の反発。最高値となった12月4日(10819)以来、1ヵ月半ぶりの高値。小幅上下動を繰り返し、少しづつ水準を切り上げる堅調推移が継続。10560円の節目を上抜けたことにより、もう一段上値を伸ばす可能性が高まる状況に、短期上値目標は10600円台。反面、10530円の節目を割れるといったん調整へ、直近の押し目となった10470円近辺までが調整目安に。
国内プラチナ価格は+24円、0.52%高で3日ぶりの反発。下げ渋る9日移動平均線(4637)にもサポートされる格好にもなり、前日の下げ幅を取り戻して中期三角保合い中間ライン回復再トライへ。21-90日移動平均線(4711-4699)が横たわり、4700円の節目にも相当する中間ラインはやや強めのレジスタンスとなる可能性も。これを突破できれば中間ライン突破で軟調局面からも脱出へ、短期的には4750円近辺までが上値目標に。失速して4630円割れへと反落なら中期三角保合い下限再トライへ、短期的には4570円程度までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格1/24とチャート
- 2024年1月24日(水)時点の相場
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国内金 : 10,569 円 1/24(水) ▲33(0.31%) 国内プラチナ : 4,660 円 1/24(水) ▲24(0.52%) NY金 : 2,025.8 ドル 1/23(火) ▲3.6(0.18%) NYプラチナ : 905.5 ドル 1/23(火) ▲2.5(0.28%) ドル円 : 148.38 円 1/23(火) ▲0.25(0.17%)
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