金プラチナ短期相場観

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製造業PMI、主要国で2月に低下したのはドイツと日本だけ?

更新日:2024年3月2日(土)

ユーロ圏製造業PMI 2024年2月米2月ISM製造業景況指数は47.8と予想外の下振れ。好不況の節目50割れが15ヵ月続きながらも15ヵ月ぶりの高水準となっていた1月から、一段と回復が進行して節目50にも急接近、との予想が裏切られたことで米10年債利回りは4.3%付近から4.2%割れへと急低下。ドルインデックスも104ポイント割れへと急反落、NY金は2100ドル付近へと急騰で反応。
しかし、この直前に発表された米2月製造業PMIは52.2と速報から上方修正、1月の51.5からも上昇して節目50超での推移が続き、1年7ヵ月ぶりの高水準。

世界的な趨勢として、需要回復などを追い風に製造業PMIとしては、2月に回復傾向、拡大傾向が優勢となりつつあるようです。
そんななか、日米欧やG7、BRICSなど世界の主要国のなかで、2月の製造業PMIが1月から低下したのはドイツと日本だけ?という状態に。
日本の2月製造業PMIは47.2。1月から-0.8の反落となって2020年8月以来、3年半ぶりの低水準。好不況の節目50割れは9ヵ月連続。需要減で生産も新規受注も減少が続いているようです。
数値的には日本を大きく下回るドイツは主要国のなかでも最低レベルでの苦戦が継続。
かつては製造業大国と見られた時期もあり、現状でもGDP世界3-4位を競う経済大国のドイツも日本も、主要株価指数の過去最高値更新が続く状況下でも、製造業の不振は続きます。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2024年2月>
1:ギリシャ:55.7=前月比+1.0、5ヵ月続伸で2年ぶり高水準。13ヵ月連続節目50超。12ヵ月連続1位。
2:アイルランド:52.2=+2.7の大幅続伸で1年8ヵ月ぶり高水準。3ヵ月ぶり50超。7ヵ月連続2位。
3:スペイン:51.5=+2.3の続伸で1年8ヵ月ぶり高水準。11ヵ月ぶり50超。7ヵ月連続3位。
4:オランダ:49.3=+0.4の続伸で1年1ヵ月ぶり高水準。18ヵ月連続50割れ。9月から6-5-4-5-4-4位。
5:イタリア:48.7=+0.2で3ヵ月続伸、1年7ヵ月ぶり高水準。11ヵ月連続50割れ。4-4-5-4-5-5位。
6:フランス:47.1=+4.0の大幅続伸で11ヵ月ぶり高水準。13ヵ月連続50割れ。5-6-6-7-7-6位。
7:オーストリア:43.0=10ヵ月ぶり高水準の1月から変わらず。5ヵ月連続40超、19ヵ月連続50割れ。7-7-8-8-8-7位。
8:ドイツ:42.5=11ヵ月ぶり高水準の1月から-3.0、7ヵ月ぶりの急反落で4ヵ月ぶり低水準。5ヵ月連続40超、20ヵ月連続50割れ。8-8-7-6-6-8位。
ユーロ圏のなかでも2月に低下したのはドイツだけ。

NY金・日足チャート 2024/1/26 - 3/11日のNY金は+41.0ドル、2.0%の大幅続伸で12月27日(2093.1)以来、2ヵ月ぶりに終値ベースでの過去最高値を更新。上げ幅としては今年の絶対値平均11.3ドルの3.6倍、今年最大で12月FOMC明けの14日(+47.6ドル、2.36%)以来、2ヵ月半ぶりの急騰。前日NY市場で2050ドルの節目を上抜けて短期上値目標2070ドル付近までの上昇余地を残した状態から、この日はロンドン市場で2060ドル台半ばまで上昇。NY市場では米2月製造業PMIが上方修正されたことを受けて2050ドル付近へと急反落、しかしその後発表されたISM製造業景況指数が予想外に低調となったことを受けて巻き戻し。米10年債利回り急低下とドル安急進となった流れとともに2080ドル台へと急騰、NY午後にも堅調推移は続いて高値では2090ドル台後半まで上昇、NY引け後には2090ドル付近まで小反落。やや行き過ぎ感もあり、終値ベースでは12月末高値とでダブルトップを形成、12月1日(2089.7)も合わせてトリプルトップ形成の可能性も残して短期的には一服感も。ただ、中期的には今後の利下げ観測再燃動向とともに一段高を目指す可能性も。
週間ベースでは+46.3ドル、2.26%の続伸。3ヵ月ぶりの大幅高。

NYプラチナ・日足チャート 2024/1/26 - 3/1NYプラチナは+4.0ドル、0.45%高で3日ぶりの反発。アジア時間には880ドル台前半から後半へと小反発も失速、戻り売りの展開となってロンドン序盤にかけて880ドルの節目割れ、NY朝にかけては870ドル台での保ち合いとなり、870ドル割れを回避するとNY午後にはISM製造業景況指数下ブレを受けたNY金の急騰局面に追随、880ドルの節目を回復するとNY引け後には890ドル台へ。一時的には今年最安値を更新し、11月14日安値(867.1)以来3ヵ月半ぶりの水準まで下げて切り返し、節目割れは回避した格好ながら、下値トライへの警戒感は継続。880ドルを維持できなくなれば810ドル台辺りまでを目安に一段安トライへ。上方向には900ドルの大台回復となれば反発局面形成へ、970ドル近辺が上値目標に。
金との価格差は1207.7ドルへと一段と拡大、連日で過去最大を更新。
週間ベースでは-21.6ドル、2.37%の続落。

ドル円・日足チャート 2024/1/29 - 3/1ドル円は14銭のドル高円安、0.09%の小反発。前日NY市場でつけた安値149円20銭近辺からの反発基調がこの日もゆるやかに継続。東京朝の150円近辺が安値となって午後には150円40銭台へと堅調推移。前日とは対象的に植田日銀総裁の物価見通し達成への慎重発言などが円安材料にも。欧州時間には150円60銭台まで上昇後には30銭台までの下押しを挟んでNY朝にかけて150円半ばへと再上昇。2月製造業PMIの上方改訂後には150円70銭台の高値をつけ、ISM製造業景況指数の下振れを受けて150円ちょうど付近まで急反落。ミシガン大消費者信頼感指数の下方改訂も下押し圧力として加勢した格好にも。それでもNY午後には150円ラインをほぼ維持する格好となって下げ渋り。下押し圧力が若干強まる状態となり、雇用統計に向けた次週、米指標悪化などをトリガに149円90銭の節目割れなら148円台半ばまでを目安に調整進行へ。意外と底堅く、150円80銭超へと保ち合い上抜けとなれば昨年高値更新トライへ、152円台を目指す流れにも。
週間ベースでは-42銭、0.28%の小幅安で5週ぶりの反落。下落は1月22日からの週(-2銭、0.01%)以来で今年2度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/1終値とチャート

2024年3月2日(土)時点の相場
国内金10,796 円 3/1(金) ▲20(0.19%)
国内プラチナ4,605 円 3/1(金) ▼11(0.24%)
NY金2,095.7 ドル 3/1(金) ▲41.0(2.00%)
NYプラチナ888.0 ドル 3/1(金) ▲4.0(0.45%)
ドル円150.12 円 3/1(金) ▲0.14(0.09%)

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