金プラチナ短期相場観
ドル円とNY金のWサポート、いいとこ取りの国内金の急反落リスク
更新日:2024年3月5日(火)
ドル円に連動して年初から堅調推移となった国内金価格、ここに来てNY金に押し上げられる形となって急騰。
連日の過去最高値更新となった国内金価格は今年、ここまでドル円のサポートとNY金のダブルサポートで、いいとこ取り。
3月4日時点での90日相関係数は、ドル円と国内金=0.4868、NY金と国内金=0.5974。
どちらも一定の相関関係にあり、国内金はドル円にも、NY金にも程よくサポートされる状態に。2月初旬まではゆるやかに上昇するドル円にサポートされ、それ以降はNY金にサポートされる展開。ただ、ややショック的な急変発生時には変動幅が急拡大しやすいNY金に追随しやすい傾向。
足下ではNY金の急騰局面に追随も、2月中旬にはCPI上ブレを受けてドル円急上昇に対してNY金は急落、国内金はNY金の急落に追随。
今週末には、米雇用統計の結果次第ではドル円の一段高でNY金は急反落となる可能性(もちろん逆の可能性も)もあり、それ以前にNY金の大幅調整の可能性も。
国内金価格は目先、急反落リスクを抱える状況に。
いっぽう、国内プラチナ価格はNY価格に連動して低迷状態が続きます。
3月4日時点の90日相関係数は、ドル円と国内プラチナ=-0.2069、NYプラチナと国内プラチナ=0.6407。
足下では、NYプラチナの底入れ反発の兆しに連動し、反発へと向かう可能性も高まりつつあります。
4日のNY金は+30.6ドル、1.46%の大幅高で3日続伸。2日連続で終値ベースでの過去最高値を更新。上げ幅としては今年の絶対値平均11.8ドルの2.6倍、今年3番めの大幅高。週末の急騰からの反動安は極めて限定的となり、週明け時間外の調整も2090ドルを少し割れたところで下げ渋り、ロンドン序盤の2090ドル台前半の小康状態を経てNY市場で上昇局面再開。ユーロドルの上昇局面にも連れる形でNY午前に2100ドル超え、午後には2120ドル台へと一段高。高値では2120ドル台後半まで上昇し、NY引け後にも2120ドル台を維持。短期的には行き過ぎ感も、短中期的には2000ドルから2060-70ドル近辺までの保ち合いを抜け出す形となり、終値ベースでのダブルトップ、トリプルトップ警戒感も払拭。今後のきっかけ次第では最高値(2152.3)更新トライも意識される可能性も。調整目安としては2月安値(1996.4)から3月高値(2128.4)の23.6%戻し(2097.2)近辺。
NYプラチナは+16.3ドル、1.84%の続伸で2月23日(909.6)以来、10日ぶりの高値。NY金の堅調推移に牽引される形で軟調局面からの脱出トライ、時間外には890ドル割れへと小幅調整で切り返し、ロンドン市場では890ドル台後半、NY市場では900ドルの大台を回復。高値では900ドル台後半まで上昇し、NY引け後も大台を維持。900ドルの節目を上抜けたことで、鍋底状態を形成した安値保ち合いから抜け出した形にもなり、一定の反発局面形成へと向かう可能性。年末高値(1031.0)から3月安値(870.1)の61.8%戻し(969.5)近辺までが短期上値目標に。
金との価格差は1222.0ドルへと一段と拡大、連日の過去最大更新。
ドル円は40銭のドル高円安、0.27%の続伸。週明け東京朝には一時150円を割れて149円80銭台まで売られたのが安値となり、150円台へと切り返した後は米10年債利回りがゆるやかに上昇した流れにも連れて堅調推移。東京市場終了後には150円40銭近辺まで上昇、欧州時間には150円10銭台が安値となってNY朝にかけて150円50銭台へと上昇。NY午後には150円30銭台が安値となって150円台半ばで小康状態に。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(149.98)にもサポートされる形となり、149円90銭の保ち合い下限を維持して150円80銭までのレンジで高値保ち合い継続の様相。週末の雇用統計までを見極めて一段高か、調整か、保ち合い崩れへの可能性も高まりそうな状況に。上抜けなら昨年高値更新トライで152円台までが上値目標に、下抜けの場合には2月安値(145.89)から2月高値(150.88)の半値戻し(148.39)辺りまでが調整目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/4終値とチャート
5日の国内金価格は+194円、1.77%の大幅高で4日続伸、4日連続で今年高値を更新し、2日連続の過去最高値更新。上げ幅としては今年の絶対値平均44円の4.4倍、前日の急騰幅を上回って今年最大。12月4日(+209円、1.97%)以来、3ヵ月ぶりの大幅高。NY金の急騰局面が終わらず、ドル円も下げ渋り。短期的には想定外の行き過ぎ状態も、今後想定可能な上値目標第1弾、12月高値(10819)から12月安値(10115)の161.8%戻し(11254)がいきなり目前に。上値目標第2弾にはまだ現実味はなく、それなりの大幅調整への警戒感のほうが勝る状況のようにも。調整目安としては12月安値(10115)からここまでの23.6%戻し(10927)、場合によっては38.2%戻し(10772)も。
プラチナ価格は+57円、1.23%の続伸で2月26日(4711)以来、1週間ぶりの高値。上下動を繰り返しながら上値も下値も切り下げる下落トレンドからの脱却に成功した可能性。21日移動平均線(4660)をデッドクロスした9日移動平均線(4658)をまとめて上抜け、4670円の節目を上抜けたことで一段高へと向かう確率が急上昇。水平状態の90日移動平均線(4700)がレジスタンスとならなければ、2月高値と1月末高値(4757)水準までが短期上値目標。
※参考:金プラチナ国内価格3/5とチャート
- 2024年3月5日(火)時点の相場
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国内金 : 11,178 円 3/5(火) ▲194(1.77%) 国内プラチナ : 4,685 円 3/5(火) ▲57(1.23%) NY金 : 2,126.3 ドル 3/4(月) ▲30.6(1.46%) NYプラチナ : 904.3 ドル 3/4(月) ▲16.3(1.84%) ドル円 : 150.52 円 3/4(月) ▲0.40(0.27%)
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