金プラチナ短期相場観
2月PPIも上振れ、利下げ慎重派のサポート材料に
更新日:2024年3月15日(金)
1月に続いて2月も、CPIに続いてPPIも市場予想を上回り、2024年序盤のインフレ鈍化ペースは停滞。下げ渋ってドル買い、金売り。
米2月の生産者物価指数、PPIは前年比+1.58%。市場予想の+1.2%を上回り、1月(+1.01)からは0.57%の反発で5ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+2.04%。市場予想の+1.9%を上回り、1月から0.04%の小幅続伸で4ヵ月ぶりの高水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアコアPPI2は前年比+2.76%。1月から0.1%の小幅反発で4ヵ月ぶりの高水準。
2019年までの過去平均との比較では、
PPIは過去平均+1.70%を下回っての推移が5ヵ月連続。
コアPPIは12月に過去平均+1.80%に3年ぶりに到達も、その後はこれを上回っての推移が2ヵ月連続。
コアPPI2は過去平均+1.72%を2021年1月に上回って以降、3年2ヵ月連続で上回る状態が継続中。
次週、FOMCでは利下げ慎重派へのサポート材料がまた一つ。
14日のNY金は-13.3ドル、0.61%の反落。時間外序盤の2180ドル近辺が高値となり、過去最高値(2203.0)をつけた3月8日から4日連続で上値を切り下げる形となって軟調推移。ロンドン市場では2170ドル手前でいったん下げ渋るも、NY朝には米2月PPIの上振れに伴う長期金利急騰とドル高急進の流れを受けて2170ドル割れへと小幅に急落。NY午後には一時2160ドル割れを試しながらも2日前の安値(2156.2)付近で切り返し、NY引けにかけては2160ドル台半ばを回復。利下げ慎重論がさらに強まりそうな状況のなか、なんとか高値保ち合いは維持。下限となる2160ドルを維持できなくなれば2140ドル近辺までを目安に下値トライへ。2180ドルへと切り下げた上限を突破できれば最高値更新トライ、2210ドル台を目指す流れにも。
NYプラチナは-9.2ドル、0.97%の反落。940ドル台半ばでほぼ高値引けとなった前日の勢いで、時間外序盤に前日高値を上回るも950ドル手前で失速。940ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標960ドル近辺トライは失敗。1月10日(948.0)以来、2ヵ月ぶりの水準まで上昇して折り返すと、ロンドン市場で940ドル割れの攻防、NY朝の米PPI後には金の急落に追随、940ドルを割れると930ドル近辺まで急落。NY午後には930ドル台半ばへと小反発もNY引け後には戻り売りとなって930ドル割れを試す展開に。このまま200日移動平均線(930.0)を下回り、90日移動平均線(922.7)も下回るようだと一段安トライへ、900ドルの大台近辺までが短期下値目安に。逆に950ドル超へと切り返すことができれば上値トライ再開、970ドル台へと上値を伸ばす可能性も。
ドル円は55銭のドル高円安、0.37%高で3日続伸。東京朝には147円50銭台まで小幅に下げて反発、午後には147円90銭台まで上昇。ゆるやかに軟調推移となった欧州時間にかけては147円70銭近辺へと逆戻り。米PPIは上振れも小売売上高が予想を下回り、やや乱高下の反応を経てドル高方向へ。日銀3月会合でマイナス金利解除の可能性報道を受けて一時147円40銭台まで急落する場面もありながら、切り返して148円を回復するとNY午後には高値で148円30銭台まで上昇。下値は90日移動平均線(147.34)にしっかりサポートされ、強まりつつあった148円ラインへの抵抗感も払拭。利下げ慎重論がもう一段強まるようなら2月初旬と1月高値148円80銭台が次の抵抗水準候補。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/14終値とチャート
15日の国内金価格はわずかに-2円、0.02%の小反落。過去最高値付近で高止まり、11280円の節目上抜けに伴う短期上値目標11350円近辺を目指す流れを維持したまま、その決着は次週、日米金融政策ウィークへ。このまま反落となって11200円の節目を割り込んだ場合には高値保ち合い崩れとなって調整局面入り、短期下値目安は2月安値(10554)から最高値(11296)の23.6%戻し(11121)近辺まで。
週間ベースでは+61円、0.54%高で4週続伸。4週続伸は10月以来、5ヵ月ぶり。
プラチナ価格は-54円、1.12%の反落。今年高値を更新し、4780円の節目上抜けに伴う短期上値目標4820円近辺到達による達成感と、上下動を繰り返しながら上値も下値も切り上げる上昇トレンド継続の流れを踏襲する形での反落。上昇トレンド継続に向けては高値更新必須となり、4830円超へと抜け出せば12月高値圏4860円台が次の上値目標に。下方向には4730円の節目を割れるとトレンド崩れ、4670円程度までを目安に下落局面形成へ。
週間ベースでは+54円、1.15%の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格3/15とチャート
- 2024年3月15日(金)時点の相場
-
国内金 : 11,294 円 3/15(金) ▼2(0.02%) 国内プラチナ : 4,770 円 3/15(金) ▼54(1.12%) NY金 : 2,167.5 ドル 3/14(木) ▼13.3(0.61%) NYプラチナ : 935.7 ドル 3/14(木) ▼9.2(0.97%) ドル円 : 148.32 円 3/14(木) ▲0.55(0.37%)
輸入物価も13ヵ月ぶり高水準、インフレ高止まりを下支え 3/16(土)
2月PPIも上振れ、利下げ慎重派のサポート材料に 3/15(金)
年内利下げ3回、市場見通しも12月FOMCに同調して3月FOMCへ 3/14(木)
米2月CPIは下げ渋り、ドル円も下げ渋ってNY金は9日ぶり調整 3/13(水)
NY連銀消費者調査、2月インフレ期待は下げ渋り 3/12(火)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン