金プラチナ短期相場観
マイナス金利解除を織り込み、米利下げペースは減速懸念台頭
更新日:2024年3月18日(月)
世界の金融政策決定会合ウィーク。
今週予定される主要国の金融政策では、異例の高インフレ対策で前回1月まで8会合連続利上げのトルコを除けば世界の趨勢としてはインフレ一服傾向に応じて利上げ終了、利下げ方向への見極めフェーズ。インフレ鈍化で世界に先行するブラジルは前回1月まで既に5会合連続の利下げ済。インドネシアは利上げを終えて4ヵ月連続据え置き中、南アフリカも利上げ終了後4会合連続据え置き中。英国も利上げ終了後4会合連続で据え置き、オーストラリアも利上げ打ち止め後2会合連続据え置き中。いずれも利下げ開始タイミングを見計らう状況に。
そんななか、異例のマイナス金利解除が焦点の日銀会合では、4月から3月へと前倒し観測が強まって一時円買いが進行したものの、ほぼ織り込み済の状態にも。一方、利下げ開始タイミングが世界の金融市場に影響を与える米国のFOMCでは、年央から年末にかけて年内3回の利下げ見通しが大勢となっていたこれまでの見通し状況に変化の兆しも見られ、年内2回へと変更される可能性への警戒感も。
今週は一時的に円高圧力が強まる場面があったとしても、週後半にかけてはドル高円安方向へと向かいやすく、NY金にとっては軟調方向への圧力が強まりやすい状況にも。
そんな状況を見越してか、週明け時間外のNY金は2160ドルの節目との攻防状態から、これを割り込んで2150ドル台前半へと軟調推移。ドル円は149円近辺での小動きから日経平均の大幅高にも連れるように149円30銭近辺へと円安スタート。
18日の国内金価格は先週末から+20円、0.18%の反発で2営業日ぶり、今年8度目の過去最高値更新。11280円の節目上抜けに伴う短期上値目標11350円近辺を目指す流れがゆっくりと進行。もう少しの上昇余地を残しながら、多少の乱高下も予想される今週、下押し圧力が強まって11200円の節目を割り込むようだと調整局面拡大へ、11110円近辺までが短期下値目安に。
一目均衡表では、転換線(11260)を上回る状態は先週の押し目形成時も含めて維持し続け、2月後半から三役好転の強気相場をほぼ1ヵ月間継続中。短期的なサポートは転換線、短中期的にはゆるやかに上昇する広めの上昇チャネル下限ラインと基準線も上昇してくる11000円近辺が3月後半に向けてのサポートに。
上方向には10月安値(9512)から12月高値(10819)までの上昇値幅(1307)を12月安値(10115)を起点に加算した水準(11422)辺りまでが当面の目標水準に。
NYプラチナも週末の940ドル台から週明け時間外には940ドル割れ、930ドル台半ばへと軟調推移。
国内プラチナ価格は+73円、1.53%の反発で12月27日(4861)以来、2ヵ月半ぶりの高値。上下動を繰り返しながら上値も下値も切り上げる上昇トレンドを維持し、4830円の節目を上抜けたことで一段高への可能性。12月高値上抜けトライとなって4870円近辺までが短期上値目標に。ただし上昇トレンド維持へのリズム感を重視するならいったんは反落へ、勢い余って4770円の節目を割り込んでしまうとトレンド崩れへの警戒感も、4700円の大台近辺までが短期調整目安に。
一目均衡表では、1週間前までの保ち合い状態から抜け出して三役好転の強気相場となってさらに一段高。中期三角保合い上限ラインとの攻防も突破して、中期トレンド好転トライの様相に。三角保ち合い上抜けを維持して12月高値4861円トライが目先の目標となり、これを上抜けると11月高値4923円、その先には8月高値4965円が中期上値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/18とチャート
- 2024年3月18日(月)時点の相場
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国内金 : 11,314 円 3/18(月) ▲20(0.18%) 国内プラチナ : 4,843 円 3/18(月) ▲73(1.53%) NY金 : 2,161.5 ドル 3/15(金) ▼6.0(0.28%) NYプラチナ : 943.5 ドル 3/15(金) ▲7.8(0.83%) ドル円 : 149.07 円 3/15(金) ▲0.75(0.51%)
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