金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

賃金上昇率を上回り始めた住宅価格上昇率

更新日:2024年3月27日(水)

中古住宅販売価格上昇率と賃金上昇率 2024年2月2月雇用統計での賃金上昇率(平均時給)は前年比+4.28%。5ヵ月連続+4.3%前後での横ばい推移となって下げ渋り。2022年12月以降、15ヵ月連続+4%台での推移が継続中。
全米不動産業者協会(NAR)が発表する中古住宅販売件数と同時に発表される中古住宅販売価格中央値で見た住宅価格上昇率は、2月は前年比+5.75%。1月の+4.93%を上回り、9ヵ月連続の上昇で1年3ヵ月ぶりの高水準。11月時点で+4%台に達し、1月時点で賃金上昇率を0.55%上回り、2月時点での格差(住宅価格上昇率-賃金上昇率)は+1.46%。
インフレ率低下に伴い、賃金上昇率がインフレを上回って実質賃金上昇率がプラス圏推移となって消費を下支えする一方で、住宅市場の9割を占める中古住宅の販売価格の上昇率が賃金上昇率を上回り始めています。

この日発表されたS&Pケースシラー住宅価格指数では、1月時点での価格上昇率は前年比+6.59%。10月に賃金上昇率を上回り、1月時点での格差は+2.21%。
また、米国連邦住宅金融庁(FHFA)が発表したFHFA住宅価格指数では、1月時点の価格上昇率は前年比+6.35%。昨年7月にわずかながら賃金上昇率を上回り、10月には格差2%台へ、1月時点での格差は+1.96%。
現状では下げ渋り傾向にある賃金上昇率も、今後はもう一段の低下も予想されるのに対し、住宅価格上昇率は高止まり。米住宅市場には、向かい風の状況が続きます。

NY金・日足チャート 2024/2/21 - 3/2626日のNY金は+0.8ドル、0.04%の小幅続伸。アジア時間には一時2170ドル割れの安値をつけながら、ほぼ2170ドル台前半での小幅揉み合い推移。ロンドン序盤には米長期金利低下とドル安の流れに連れ、ユーロドルの上昇とともに堅調推移、一時2200ドルまで急騰もNY市場にかけては巻き戻しの流れが強まって2180ドル割れへと急反落。NY引け後の時間外では限月交代となる6月限は2200ドル付近へと水準を切り上げてのスタート。
このまま大きく崩れなければもう一段の上値トライへと向かいやすい状況に。2160ドルから2190ドルまでの高値保ち合い上抜けを維持できれば一段高トライへ。週末のPCEでインフレ鈍化が確認されると利上げ慎重姿勢緩和となって最高値更新トライへ、短期上値目標は2230ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2024/2/21 - 3/26NYプラチナは+11.9ドル、1.31%の続伸で3月18日(921.2)以来、1週間ぶりの高値。20日移動平均線(912.8)がレジスタンスからサポートに切り替わる格好となり、910ドル台半ばを中心に小幅保ち合いに終始。NY市場での高値920ドル台では上値も重く、これを維持し切れずにNY引け後には920ドル割れ。この日の変動値幅は9.7ドルにとどまり、今年の平均22.3ドルの4割強、今年最小で4年5ヵ月ぶりの小動き。
910ドルの節目上抜けに伴い、一定の反発局面形成へと向かう可能性、3月高値圏940ドル近辺までが短期目標。

ドル円・日足チャート 2024/2/21 - 3/26ドル円は+14銭、0.09%の小幅上昇。東京市場の時間帯と欧州時間に151円20銭台までの安値をつけ、151円40銭台までの小幅レンジで保ち合い推移。NY午後には151円60銭近辺まで小幅に一段高も、これがこの日の高値となって上値も限定的に。この日の変動値幅は39銭にとどまり、今年の平均108銭の3分の1強、2月19日(33銭)以来1ヵ月ぶりで今年2番めの小動き。
150円60銭の節目上抜けに伴う短期上値目標152円台後半を目指す流れ継続途中での一服状態となり、2022-3年高値圏151円90銭台手前での足踏み状態に。これを突破できれば短期上値目標を目指す流れ再開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/26終値とチャート

27日の国内金価格は+45円、0.39%の続伸。3月22日(11,638)以来の高値となり、最高値圏での保ち合い上限付近にじわり接近。強気相場が続くなかでの堅調推移も、過熱感が低下する逆行状態となって反落警戒感との背中合わせ。ドル円との相関性が低下してNY金との相関性が強まる状態となり、PCEなどの指標確認後にNY金が一段高へと向かえば追随しやすい状況に。11650円超へと高値保ち合いを上抜けると11690円近辺までを短期目標に上値トライへ。NY金の調整幅拡大に追随し、11530円割れへと保ち合い崩れの場合には11470円近辺までが短期下値目安に。

プラチナ価格は+6円、0.13%の小幅続伸。9日移動平均線(4780)に上値を押さえられ、直近高値(4789)には少し届かず、上値切り下げ状態のまま。もう一段の上昇で4790円超へと抜け出すことができれば、上値切り上げと保ち合い上抜けとなって一段高トライへ。当面の上値目標は4900円の大台付近まで。逆に4730円の保ち合い下限割れの場合には一段安トライへ、4610円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格3/27とチャート

2024年3月27日(水)時点の相場
国内金11,623 円 3/27(水) ▲45(0.39%)
国内プラチナ4,780 円 3/27(水) ▲6(0.13%)
NY金2,177.2 ドル 3/26(火) ▲0.8(0.04%)
NYプラチナ920.7 ドル 3/26(火) ▲11.9(1.31%)
ドル円151.56 円 3/26(火) ▲0.14(0.09%)

3/26(火)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏景況感指数3月は13カ国が上昇、回復基調は進行 3/28(木)

賃金上昇率を上回り始めた住宅価格上昇率 3/27(水)

新築+中古住宅販売件数は前年比プラス圏目前で失速 3/26(火)

上昇チャネル継続の国内金、プラチナは三角保合い延長戦 3/25(月)

ドイツIFO景況感、3月は予想を上回って全業種に回復の兆しも 3/23(土)


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