金プラチナ短期相場観
求人件数2月は小幅増で下げ渋り、求人倍率は低下基調
更新日:2024年4月3日(水)
米労働省が発表した2月の求人件数は875.6万件。市場予想の873万件を上回り、874.8万件へと上方修正された1月からは+0.09%で2ヵ月ぶりの高水準。それでも過去2年11ヵ月では3番めの低水準。
6ヵ月平均では888.60万件となり、19ヵ月連続の低下で2年8ヵ月ぶりの低水準。
また、前年比では-11.10%となり、19ヵ月連続の前年割れ。6ヵ月連続-10%超。
過去平均533.4万件を大きく上回る水準ながら、緩やかな減少傾向。
雇用統計で発表されていた2月の失業者数は645.8万人となっており、2022年1月(654.9)以来2年1ヵ月ぶりの高水準へと増加。
この結果、失業者一人当たりの求人件数、求人倍率は1.356件。10月(1.348)以来、4ヵ月ぶりの低水準、過去2年半では2番めの低水準。
2019年平均1.193件とはまだ開きはあるものの、下げ渋っていた1月(1.428)からは急低下となり、低下基調再開へ。
労働需給ひっ迫状態は解消傾向が続き、求人倍率の低下基調も継続。賃金上昇圧力緩和とインフレ緩和へのサポートはゆるやかに、ゆっくりと進行中。
2日のNY金は+24.7ドル、1.09%高で6日続伸。4営業日連続、今年11回めの過去最高値更新。6日続伸は3月以来で今年2度め。時間外序盤に2270ドルを少し割り込んだところが安値となり、ゆるやかに堅調推移。ロンドン序盤には2280ドルトライ、NY市場では耐久財受注の下方修正や求人件数の結果を受けてややドル安進行となった場面では2290ドル台後半へと小幅に急騰。巻き戻しの流れでいったんは2280ドル割れへと反落も、NY午後には反発、NY引け後には一段高となって2300ドルの大台超え。
短中期的に想定可能な高値目安2350ドル近辺が早くも意識されそうな状況となり、雇用統計の結果次第では。調整目安としては3月半ば安値(2149.2)から3日時間外での高値(2308.8)の23.6%戻し(2271.1)、38.2%戻し(2247.8)など。
NYプラチナは+22.9ドル、2.51%の反発で3月15日(943.5)以来、半月ぶりの高値。騰落率では今年の絶対値平均1.42%の1.8倍、今年5番めの急騰。前日の下ヒゲからの反発局面が継続、アジア時間の910ドル台前半が安値となって堅調推移。ロンドン序盤には920ドル台、NY朝には930ドル台へと一段高、高値では940ドル台前半まで上昇。反落局面でも930ドルを維持し、NY引けにかけては930ドル台半ばへ。
前日失敗した920ドル台の節目突破再トライに成功、短期上値目標950ドル近辺まで、もう少しの上昇余地。
金との価格差は1347.5ドルへ小幅に拡大、4日連続で過去最大を更新。
ドル円は-9銭、0.06%の小反落。東京朝には151円50銭近辺まで小幅に売られて切り返し、151円70銭台へと反発すると午後には151円80銭近辺の高値を上限に高値保ち合い推移。欧州時間にはユーロドル主導のドル安基調に追随する形となって軟調推移。NY朝の米指標発表直後には151円40銭台まで下落してこの日の安値、その後の反発も60銭台までと限定的に。この日の変動値幅は33銭、今年の平均1.03円の3割、今年2番めタイの小動き。151円30銭から70銭までの小幅保ち合いレンジを維持して週末の雇用統計待ちへ。
上方向へと抜け出せば152円半ば辺りまでを短期目標に一段高トライへ、下限割れの場合には150円近辺までの下値切り下げへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/2終値とチャート
3日の国内金価格は+167円、1.39%高で7日続伸。5営業日連続、今年15回めの過去最高値更新。7日続伸は2月末以来、2ヵ月ぶりで今年2度め。騰落率では今年の絶対値平均0.48%の2.9倍、今年5番めの急騰。上位4日は全て3月。3月以降の絶対値平均騰落値幅は81円。平均的な騰落値幅を想定した場合、上方向なら12269円、反落なら12107円程度。短中期調整目安としては3月25日(11536)から最高値(12188)までの38.2%戻し(11939)、9日移動平均線(11791)、61.8%戻し(11785)など。
プラチナ価格は+94円、1.97%の大幅反発で今年高値を更新。昨年11月1日(4923)以来、5ヵ月ぶりの高値。騰落率では今年の絶対値平均0.97%の2倍、1月19日(+102円、2.22%)以来、2ヵ月半ぶりで今年2番めの大幅高。短期的には4830円の節目上抜けに伴う短期上値目標4870円程度にも到達。NYプラチナの一段高などに押し上げられて若干の行き過ぎとなれば4900円の大台回復も。中期的には三角保合いを上抜けて上昇トレンドへと向かい始めた可能性も。下方向へは4770円の節目を割れると巻き戻しへ、4700円の大台近辺までが下値目安に。
金との価格差は5日連続で過去最大を更新、7318円へと急拡大。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート
- 2024年4月3日(水)時点の相場
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国内金 : 12,188 円 4/3(水) ▲167(1.39%) 国内プラチナ : 4,870 円 4/3(水) ▲94(1.97%) NY金 : 2,281.8 ドル 4/2(火) ▲24.7(1.09%) NYプラチナ : 934.3 ドル 4/2(火) ▲22.9(2.51%) ドル円 : 151.56 円 4/2(火) ▼0.09(0.06%)
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