金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

インフレ高止まり懸念でも米消費堅調でドル一段高

更新日:2024年4月16日(火)

米・小売売上高(前年比) 2024年3月米国の消費は落ち込まず、利下げに向けたサポートはますます後退。
3月の小売売上高は前月比+0.7%。市場予想の+0.4%を上回り、+0.6%から+0.9%へと上方改定された2月に次いで半年間では2番めの高水準。
自動車除く数値では前月比+1.1%。これも市場予想の+0.5%を上回り、0.6%へと上方修正された2月を大きく上回り、1年2ヵ月ぶりの高水準。
項目別ではオンライン売上が前月比+2.7%、雑貨・その他小売が+2.1%などと好調。ガソリンスタンドも+2.1%と価格上昇が貢献した模様。
前年比では+2.4%となり、1年ぶり高水準となった2月の+6.22%からは低下。3ヵ月平均では+3.35%となり、昨年5-6月の前年比+1%台からは回復基調となって7ヵ月連続の3%近辺での推移。長期経い金+4.81%を下回る水準ながら、まずまずの好調維持を示唆。

なお、この日低調となった4月のNY連銀製造業景況指数でもインフレ関連指標は上昇。
仕入価格が33.7となり、11ヵ月ぶりの高水準。仕入価格見通しは40.4で1年2ヵ月ぶりの高水準。
インフレ高止まり懸念が続くなかでも、米国の消費は堅調を維持し、ドル高基調も止まらず、ドル円も一段高。

15日のNY金は+8.9ドル、0.37%高で3日続伸。3営業日連続、今年18回めの過去最高値更新。週明け時間外序盤に2390ドル付近まで急騰後は2370ドル台に戻して揉み合い推移、NY市場では米消費指標の好結果を受けてドル高の流れが強まった場面では下押し圧力が強まり、一時2340ドル近辺まで急落。しかし押し目買い圧力も強く、2370ドル近辺へと切り返すとNY午後にはイスラエルによるイランへの報復攻撃懸念報道により一段高、NY引け後には2400ドル近辺まで上昇。2370ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2400ドルの大台突破を週末に達成し、一時2450ドル付近まで急騰して急反落した流れで一定の調整も予想されたものの、地政学リスクもあって下げ渋り。目先、2400ドル台では一服感も生じやすく、2340ドルが下値サポート。これを割れるようなら2300ドル前後までの一段安も。

NYプラチナは-20.7ドル、2.07%安で3日ぶりの反落。時間外序盤に1000ドルの大台回復トライに失敗、990ドル台後半が高値となって軟調推移。ロンドン序盤に980ドル割れを試し、NY市場では970ドル台前半まで下げてこの日の安値。NY午後にかけての反発も980ドル台半ばまで。週末の上ヒゲがピークアウト・サインとなってしまったような展開となり、1000ドル台が目先の壁となり、970ドルがサポート。これを割り込むようだと調整局面入りで950ドル近辺までが短期下値目安に。1000ドル台の壁を突破できれば上値再トライへ、12月高値(1031.0)近辺までが上値目標に。

ドル円は+98銭、0.64%高で4日続伸。1990年6月27日(154.38)以来、33年9ヵ月半ぶりのドル高円安水準での一段高。週明け東京朝の153円10銭台が安値となって堅調推移。今年最高値となった週末の153円30銭台を突破すると午前中のうちに153円50銭台へ、東京市場終了時の153円80銭台から欧州時間序盤には153円90銭台へ。NY朝には米3月小売売上高の好結果を受けて154円40銭台へと急騰。中東情勢悪化懸念から一時153円80銭台まで売られる場面もあったものの、NY午後には154円20銭台へと戻して小康状態に。上方向には1990年6月高値圏155円近辺までが意識される反面、上値トライ一服となれば3月安値(146.48)から4月高値(154.44)の23.6%戻し(152.56)近辺までが調整目安にも。38.2%戻し(151.40)近辺を割り込むようだと調整局面拡大で61.8%戻し(149.52)辺りまでが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/15終値とチャート

16日の国内金価格は+198円、1.55%の大幅反発。2営業日ぶり、今年21回めの過去最高値更新。NY金の2400ドル再トライと34年ぶり円安水準でのドル円一段高のダブルサポートで勢いづいた流れで12900円トライ。勢い余って13000円の大台も目前に。ダブルサポートの同時巻き戻しがいつかやってくることを警戒しながらも過熱感を無視しての一段高の流れは止まらず。上昇率では今年の絶対値平均0.55%の2.8倍、今年6番めの急騰。4月の平均騰落値幅120円さらに上昇した場合には13074円、反落なら12834円。当面の下値サポートは12750円、これを割れると調整幅拡大で12600円台前半辺りまでが短期下値目安に。

国内プラチナ価格は+14円、0.27%の反発。4月の急騰局面一服後の下げ渋り、か調整途中での一服か。前者なら5180円を下限に高値保ち合い形成にも、さらに5240円超へと高値更新なら5300円の大台付近までを短期目標に一段高トライへも。後者なら5240円が当面の上限となり、5180円を維持できなくなれば調整局面再開、5100円近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/16とチャート

2024年4月16日(火)時点の相場
国内金12,954 円 4/16(火) ▲198(1.55%)
国内プラチナ5,203 円 4/16(火) ▲14(0.27%)
NY金2,383.0 ドル 4/15(月) ▲8.9(0.37%)
NYプラチナ981.0 ドル 4/15(月) ▼20.7(2.07%)
ドル円154.27 円 4/15(月) ▲0.98(0.64%)

4/15(月)のその他主要マーケット指標

ドイツZEW景況感、期待感急騰で現況も底打ちの兆しに 4/17(水)

インフレ高止まり懸念でも米消費堅調でドル一段高 4/16(火)

NY金2400ドル再トライなら国内金も12800円超へ最高値再トライ 4/15(月)

ミシガン大消費者信頼感指数は長期平均手前で上げ渋り 4/13(土)

底打ち反発局面続くPPI、3月は予想を下回りドル高一服 4/12(金)


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