更新日：2024年6月1日(土)
インフレ高止まりへの警戒感が続くなか、米4月PCE価格指数は前年比では予想どおり、前月比では予想を下回ったことを受けて市場には安心感も。米長期金利低下とドル安の流れとなり、株高とともにNY金も急騰で反応。
ただし、月末に一方的な流れは続かず、ドル安の流れが巻き戻されてNY金も反落へ。
小数点以下2桁で見るとインフレ鈍化はゆるやかに進行。
4月のPCEは前年比+2.66％。前月から-0.04％、3ヵ月ぶりの小幅低下となり、2ヵ月ぶりの低水準。3年1ヵ月では4番めの低水準。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+2.75％。前月から-0.06％の小幅低下で2021年3月（2.26）以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。
住宅とエネルギーを除くサービス価格のコア指数、スーパーコアPCEサービス価格は前年比+3.48％。前月から+0.07％の小幅続伸で3ヵ月ぶりの高水準。
セクタ別で見るとモノの価格が前年比+0.1％で前月から変わらず、サービス価格は前年比+3.9％で3月の+4.0％から低下、2月と12月と並び、過去2年半では最低水準。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+2.94％。前月から-0.1％、12ヵ月続落で2年半ぶりの低水準。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.29％。前月から-0.09％、13ヵ月続落で2年半ぶりの低水準。
インフレ鈍化は依然スローペース、サービス価格の下げ渋りも続き、利下げ観測が強まる気配も、まだ。
31日のNY金は-20.7ドル、0.87％の反落。2360ドル台半ばでの小幅揉み合い推移で時間外を通過、NY市場では米4月PCE結果を受けて急騰、高値では一時2380ドル台まで上昇。2360ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2380ドル程度に到達し、5月23日高値（2385.7）以来、1週間ぶり高値をつけて一服後は巻き戻しの流れへ。週末と月末が重なり、ドル安の巻き戻しとともに元の水準へと戻すと勢い余って2350ドル割れへと一段安、安値では2340ドル付近まで下落してNY引け後には2340ドル台後半へ。短期的な反発局面一服となり、2340ドルから2370ドルまでが目先の主要レンジに。下限を割れると2310ドル近辺までが短期下値目安に、上限突破へと切り返すと2400ドルの大台回復トライへ。
週間ベースでは+11.3ドル、0.48％の反発。月間では+42.9ドル、1.86％高で3ヵ月続伸。
NYプラチナは+4.0ドル、0.39％高で3日ぶりの反発。時間外は1030ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移、ロンドン・NY朝には1040ドル台へと水準を切り上げ、PCE後にはNY金の急騰に追随する格好となって1050ドル台後半まで急騰。その後の巻き戻し局面では一時1030ドル割れへと安値をつけて切り返し、NY午後には1040ドル台を回復。前日安値をわずかに下回りながらも上昇軌道の20日移動平均線（1031.3）にもサポートされて1030ドルの節目を維持し、1070ドルの上限までの保ち合いレンジも継続。下限割れなら1000ドルの大台近辺までが短期下値目安に、上限突破の場合には1100ドルの大台回復トライへ。
週間ベースでは+3.4ドル、0.33％の小反発。月間では+93.8ドル、9.89％の大幅高で3ヵ月続伸。2022年11月（+109.2ドル、11.74％）以来、1年半ぶりの急騰。
ドル円は+45銭、0.29％の反落。東京時間には156円70銭台を中心に小幅揉み合い推移、ロンドン序盤には米10年債利回り上昇とともに157円30銭台まで上昇。NY朝には157円10銭台まで戻し、米4月PCEが前月比で予想を下回ったことを受けて157円割れへと小幅に急落。156円80銭台では下げ渋るも、シカゴPMIが予想外の悪化で156円50銭台まで一段安。ただし月末のドル買い需要とも思われる買い戻しも急速に進行、NY午後には157円20銭台を回復。目先、156円80銭から157円70銭までの小幅保ち合いレンジを形成して月初の重要指標ウィークへ、上抜けると158円台後半を目標に一段高トライへ、下抜けると155円半ばを目安に調整局面形成へ。
週間ベースでは+29銭、0.18％の続伸。月間では-55銭、0.35％安となって5ヵ月ぶりの反落。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場5/31終値とチャート
2024年6月1日(土)時点の相場
国内金：12,950 円 5/31(金) ▼5(0.04％)
国内プラチナ：5,629 円 5/31(金) ▼86(1.50％)
NY金：2,345.8 ﾄﾞﾙ 5/31(金) ▼20.7(0.87％)
NYプラチナ：1,042.0 ﾄﾞﾙ 5/31(金) ▲4.0(0.39％)
ドル円：157.26 円 5/31(金) ▲0.45(0.29％)