金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

低調な雇用統計に株安止まらず、リスク回避でNY金は一時2520ドル

更新日:2024年8月3日(土)

米雇用統計 2024年7月いつにも増して事前から低調な結果が警戒された米7月雇用統計、果たして結果はネガティブ・サプライズ。リスク回避的な株安基調となって利下げ観測が強まる展開に。
非農業部門雇用者数は前月比+11.4万人。市場予想の+17.5万人程度を大幅に下回り、過去2ヵ月分は合計2.9万人の下方修正。
3ヵ月平均では+17.0万人。3年5ヵ月ぶり低水準となった6月の+16.8万人から小幅増、ここ3年半では2番めの低水準。
2012年から2019年までの平均+19.7万人を下回る状態。
失業率は4.3%。市場予想の4.1%を上回り、2年9ヵ月ぶりの高水準。
失業者数は716.3万人となり、前月から+35.2万人、4ヵ月連続増で2021年10月(724.4)以来、2年9ヵ月ぶりの高水準。
広義の失業率、U-6失業率は7.8%。4-6月までの7.4%から急騰、これも2年9ヵ月ぶりの高水準。

長期失業者の割合は21.6%。2年1ヵ月ぶり高水準となった6月(22.2)からは小幅低下。
ただ、3-4月の19%台、5月の20.7%からは水準が切り上がり、足下での失業者増加傾向拡大と再就職の困難化が進行している状況を示唆。
平均時給は前年比+3.63%。前月から-0.2%、続落で2021年5月(2.25)以来、3年2ヵ月ぶりの低水準。3MAでは3.82%、5ヵ月続落で3年ぶり低水準、2ヵ月連続+3%台で一段と低下、過去平均3.04%に向けた流れが着実に進行。
年内利下げは0.25%×3回か、それ以上を織り込み始める勢いに。

NY金・週足+52週移動平均線 2024年8月2日2日のNY金は-11.0ドル、0.44%安で4日ぶりの反落。米7月雇用統計悪化への警戒感から、時間外には米長期金利低下とドル安がゆるやかに進行した流れとともに堅調推移。アジア時間から2500ドルの大台再トライ、ロンドン序盤に大台を超えるとNY朝には雇用統計の低調な結果を受けて急騰、高値では2520ドル台まで上昇して瞬間的には最高値を更新。ただし短期的な上値目標や節目を突破してきた達成感などから上値も重く、週末というタイミングもありポジション調整的な売りが強まる格好となって巻き戻しへ。2500ドルを割れると一時2450ドル台まで急落も、NY午後には2470ドル台を回復し、NY引け後には2480ドル台へ。値幅的には6月末安値(2304.0)からこの日の最高値(2522.5)の23.6%戻し(2470.9)を達成。上値トライ一服も、利下げ観測が急速に強まる状況となって高止まり。目先、2490ドル超へと向かえば最高値圏再トライへ、2530ドル近辺までが短期上値目標に。調整局面がもう一段進行するなら38.2%戻し(2439.0)辺りが目安にも。
週間ベースでは+88.8ドル、3.73%高で3週ぶりの反発。4ヵ月ぶり、今年3番めの急騰。

NYプラチナ・週足+52週移動平均線 2024年8月2日NYプラチナは-2.9ドル、0.3%の小幅続落。時間外は970ドル付近から反発も、ロンドン市場での980ドル台半ばが高値となって上げ渋り。2日連続で前日高値と990ドルラインが超えられず、90日移動平均線(986.1)にも上値を押さえられる形となって反落。NY朝の雇用統計直後の反発も限定的となり、安値では960ドル近辺まで下落。3日連続990ドルの節目での抵抗感を確認し、960ドル台では下げ渋る格好にも。これがサポートとなれば上限再トライのチャンスをうかがう展開にも。90日線と990ドルの上限を突破できれば反発局面再開へ、1020ドル近辺までが短期上値目標に。下方向には960ドルがサポートとならず、940ドルの節目も割れると910ドル近辺を目安に下値トライへ。
週間では+23.2ドル、2.46%高で4週ぶりの反発。

USDJPY・週足+52週移動平均線 2024年8月2日ドル円は-276銭、1.85%の大幅安で4日続落。2月1日(146.42)以来、半年ぶりのドル安円高水準。東京午前の149円70銭台が高値となってゆるやかな軟調推移で欧州時間には148円60銭台まで下落。149円付近に戻してNY朝、雇用統計の結果を受けて147円ちょうど付近まで2円の急落で反応。148円近辺までの自律反発後には戻り売りとなって147円割れ、リスク回避ムードも強まり、年内複数回の利下げ観測も台頭、NY午後には安値で146円40銭台まで下落。結果的に12月安値(140.26)から7月高値(161.95)の61.8%戻し(148.55)を維持し切れず。RSIも12.2%まで低下して過熱感も高まるものの、日本株安にも連れる形で急速な円高も止まらず。目先、76.4%戻し(145.38)で下げ止まるかどうか、という状況にも。
週間では-7.20円、4.68%の大幅安で5週続落。5週続落は12月以来、7ヵ月ぶり。下げ幅としては2022年11月7日からの週(-7.89円、5.38%)以来、1年9ヵ月ぶりの急落。1年3ヵ月ぶりに52週移動平均線(150.64)も大きく下抜け。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/2終値とチャート

2024年8月3日(土)時点の相場
国内金12,820 円 8/2(金) ▼38(0.30%)
国内プラチナ4,994 円 8/2(金) ▼102(2.00%)
NY金2,469.8 ドル 8/2(金) ▼11.0(0.44%)
NYプラチナ967.6 ドル 8/2(金) ▼2.9(0.30%)
ドル円146.56 円 8/2(金) ▼2.76(1.85%)

8/2(金)のその他主要マーケット指標

リスク回避の株安円高止まらず、国内金価格も高値保ち合い崩れ 8/5(月)

低調な雇用統計に株安止まらず、リスク回避でNY金は一時2520ドル 8/3(土)

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