金プラチナ短期相場観

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求人件数は急減で3年半ぶり低水準、求人倍率は分岐点に

更新日:2024年9月5日(木)

米・求人件数 2024年7月米労働省が発表した月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)では、雇用情勢悪化への警戒感が再燃。米長期金利と米ドルの一段安を促す結果に。
7月の求人件数は767.3万件。市場予想の810万件を大幅に下回り、前月比-3.0%で2ヵ月連続減。2021年1月(718.5)以来、3年半ぶりの低水準。
なお、前月分は818.4万件から791万件へ、3.3%の大幅下方修正。
前年比では-12.86%となり、24ヵ月連続で前年割れ、10ヵ月連続-10%超。急ピッチでの減少が続くものの、依然として過去平均538.1万件や2019年平均715.4万件を大きく上回る水準。

7月の失業者数は716.3万人。前月から+35.2万人、4ヵ月連続増で2021年10月(724.4)以来、2年9ヵ月ぶりの高水準。
この結果、求人倍率は1.071件/失業1人。続落で2021年5月(1.071)以来、3年2ヵ月ぶりの低水準。
なお、2021年4月は0.947件。求人倍率が1.0以上、失業者一人に対して1件以上の求人がある状態となって以降では、最低。
これが1.0件を下回ると失業者数が急増へと向かう可能性が高まるとされ、その分岐点に差し掛かってきた可能性。

解雇率も前月の1.0%から1.1%へと上昇。過去最低の0.9%からは2022年4月を最後に上昇、現状は1.0%と1.1%で行ったり来たりの状態が1年4ヵ月続く状況ながら、レイオフも増加の兆しとなる可能性も。
今週末の8月雇用統計は、次回8月分JOLTSの先行指標、という意味でも重要度は高まりそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年9月4日4日のNY金は+3.0ドル、0.12%の小幅高で3日ぶりの反発。アジア時間の2520ドル台後半からロンドン序盤にかけて下値再トライ、前日安値(2504.4)をわずかに下回る2500ドル付近まで下げて切り返し。2510ドル台へと反発後には米求人件数の下振れを受けて一段高、高値では一時2530ドル超え。2530ドルの節目割れに伴う短期下値目安2500ドルの大台近辺には2日連続下ヒゲで到達して一服状態となって週末の雇用統計待ちへ。上方向には2560ドルが当面の上限となり、短期的には2500ドル近辺再トライ余地も残しながら、目先は保ち合い傾向の展開にも。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2024年9月4日NYプラチナは-1.6ドル、0.18%の小幅安で3日続落。3月22日(898.4)以来、5ヵ月半ぶりの安値。アジア時間には910ドルまで小反発も、ロンドン序盤には900ドルの大台ライン付近までの下値再トライ。前日安値(903.2)をわずかに下回りながらも大台割れを回避して下げ渋るとNY市場では反発トライ、しかし高値では910ドル台後半までで上値を押さえられる格好にもなり、NY午後には910ドルが上限となって小康状態に。引き続き若干の下方リスクも残る状態で大台維持の可否が目先のポイントにも。
金との価格差は1617.7ドル、4日ぶりに過去最大を更新。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2024年9月4日ドル円は-176銭、1.21%の大幅続落で1月3日(143.30)以来、8ヵ月ぶりの安値。東京朝から午後にかけて145円50銭台が上限となって何度も上値を押さえられ、概ね145円台前半での保ち合い推移、欧州時間には145円を挟んでの小幅保ち合い推移。NY市場では求人件数の下振れを受けて144円80銭付近から144円ちょうど付近まで急落。雇用情勢悪化で利下げペース加速観測となり、米10年債利回りが1年1ヵ月ぶり低水準となる3.75%台へ一段と低下した流れにも連れてNY午後には143円70銭台まで下落。143円90銭の節目を割り込んだことで一段安への流れは進行しやすい状況に。ただし雇用統計の結果確認までは限定的となる可能性も、その結果次第では巻き戻しの展開も否定できないものの、当面の下値目安としては142円半ばまで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート

5日の国内金価格は-143円、1.12%の大幅続落で8月9日(12566)以来、4週間ぶりの安値。短期的には12770円の節目割れに伴う下値目安12630円辺りに到達してややオーバーラン。中期的には12700円から13000円近辺までの保ち合い水準を下抜けた状態となり、早期回復できなければ中期トレンド崩れへと向かう可能性も。12700円の大台回復できずに一段安へと向かえば12500円前後までが次の下値警戒水準に。

プラチナ価格は-42円、0.91%の続落。4700円の大台割れに伴う短期下値目安4660円近辺をスルー、今年1-2月安値圏4600円前後でも下げ止まらず、今年安値を更新。昨年12月8日(4552)以来、9ヵ月ぶりの安値水準に。8月22日(4812)から8月29日(4707)までの下落幅(205)を9月3日(4747)から差し引くN計算値は4542円、ほぼこの水準に到達したことによる一服感も。始点を8月16日(4952)とした場合には4502円、さらなる下値警戒水準としては4500円の大台近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格9/5とチャート

2024年9月5日(木)時点の相場
国内金12,595 円 9/5(木) ▼143(1.12%)
国内プラチナ4,554 円 9/5(木) ▼42(0.91%)
NY金2,526.0 ドル 9/4(水) ▲3.0(0.12%)
NYプラチナ908.3 ドル 9/4(水) ▼1.6(0.18%)
ドル円143.72 円 9/4(水) ▼1.76(1.21%)

9/4(水)のその他主要マーケット指標

ADP雇用低調も失業保険は改善、ISM非製造業も下げ渋り 9/6(金)

求人件数は急減で3年半ぶり低水準、求人倍率は分岐点に 9/5(木)

米ISM製造業景況指数8月は下げ渋りも5ヵ月連続節目50割れ 9/4(水)

下げ渋るユーロ圏製造業PMI、8月は独仏で下位独占 9/3(火)

反発局面継続に向けた攻防続く国内金・プラチナに試練の9月 9/2(月)


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